ギルドマスターは商業ギルドにいってきた
イバラーク(32)
農業ギルドのギルドマスター。
赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。
農業以外は何でも器用にこなす。
ここはいつ来てもにぎやかである。
人も多いし、活気がある。
商談と情報交換。
農業ギルドとは大違いだ。
イバラークは今商業ギルドに来ている。
当然のように建物は農業ギルドより大きい。
白を基調とした内装に観葉植物が置かれ、センスの良さが出ている。
かといって高価なものが置かれているわけではない。
高すぎず安すぎず、それでいて良い物を。
商業ギルドの方針そのものである。
商業ギルドは戦士ギルドや工業ギルド、薬士ギルドに並ぶ大ギルドである。
支所も数多く存在するし、会員は数え切れないほどだ。
ハーポーン以外の国にも商業ギルドがあり、全ての商業ギルドが繋がっている。
経済力だけでいうならハーポーンという国とだって戦える。
国の中のいち組合ではあるが、その影響力はとてつもなく大きいので、国家ですら下手な事は言えない。
商業ギルドを敵に回せば物資が滞り、国は壊滅する。
その商業ギルドのハーポーン王都支部にイバラークはなんの気負いもなしにやってきたのだ。
正確にはハーポーン王都支部のギルドマスターに会いに、であるが。
受付の女性に、農業ギルドのギルドマスターが来た事を商業ギルドハーポーン王都支部のギルドマスターに伝えて欲しい旨を告げると、女性はギルドの奥に消えすぐに戻ってきた。
イバラークは女性に先導されて奥に通され、階段を登る。
二階がギルドマスターの部屋になっているらしい。
そこにいたのはとても商人とは言えないような眼光の鋭い細身の男。
もともとやり手の商人であったが、王宮と他国のギルドマスターの要請によってギルドマスターになった男である。
実力は折り紙つき。
ここが王都の支部である事を差し引いてもギルドの資金を一年で二割も増やした実績は驚異である。
これが農業ギルドの資金の二割ならたいした事は無いが、商業ギルドの資金である。
王宮の資産よりもはるかに多い資金を持っている。
それを二割増やすと言ったら国家予算を三年分はまかなえてしまう額だ。
商業ギルドハーポーン王都支部ギルドマスター、センディはイバラークの姿を認めると立ち上がる。
四十代後半と思われるセンディは白髪をオールバックにしており、髪の乱れは一切ない。
張り詰めたような独特の雰囲気を持っており、隙のない立ち振る舞いを見せている。
「おいっすー!」
「・・・・・・相変わらずだな」
手を手刀で突くように突き出してイバラークは挨拶する。
それに対してセンディは面白くもなさそうに挨拶を返した。
「相変わらずノリが悪いねぇ」
愛想は良くないが、不快な顔をするわけでもないセンディに苦笑する。
さて、面倒な案件はとっとと済ませよう。
読者の皆様 I love you。
新キャラと共に他のギルドが出ました。
これから他ギルドとのからみの話も増やしていきたいと思います。




