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作物が納品されたがギルドマスターは喜んでばかりもいられない

イバラーク(32)

農業ギルドのギルドマスター。

赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。

農業以外は何でも器用にこなす。


アキータ(17)

紫がかった長い黒髪で髪色と同じ目は大きい。怜悧な美貌の持ち主。

天才薬士として有名。

地獄の底からやってきたイバラークの天敵。


トトリ(19)

おっとりとした見た目の美しいお姉さん。長い黒髪を肩から前に流している。その可憐な姿はハポンナデシコ。

元暗殺者。

そしてきょぬー。


アモリン(24)

桃色の髪を後ろで髪留めを使ってまとめている。

占い師。

エロいお姉さん。もはや変態。

 アキータに目潰しを食らったアモリンは床の上をごろごろ転がっている。


「で、今日は何のようだ?」


 イバラークはアキータに尋ねる。


 普段のアキータはホッカイの家にこもって何やら怪しげな薬の研究をしている。


 一応、農業をするのに使う薬を作っているようなので、別に農業を蔑ろにしているわけではない。


 彼女は彼女のやり方で農業を行っているのだ。


「イバラークに会いに来たんじゃない事は確かよ。あと、あなたが家具の角に足の小指をぶつけて悶絶すればいいと思っているのも確かよ」


「よし、トトリ。強制退去でいいぞ」


 アモリンには乱暴は良くないと言っておきながら、アキータには強制退去という。


 だがしかし。


「嫌です」


 はっきり拒否。


「え~、なんで~?」


「私も我が身がかわいいので」


 トトリの視線の先は床に転がっているアモリン。


 アモリンの惨状を見てもいつもどおりの穏やかな笑みを浮かべているあたり、彼女も結構なつわものである。


「で? 結局なによ?」


「一個つぶれちゃったけど、作物の納品。ギルドへの納品では私が第一号かしら」


 大き目の布袋を開いて見せると、こぶし大の赤色の実とオレンジ色の実、そして人の頭部より一回り大きな葉物野菜が入っていた。


 結構な量である。


 良くまぁこの量をここまで運んできたものだ。


「は? なんで私が運ぶのよ。下僕に運ばせたに決まってるでしょ」


 イバラークが感心した目で見ていたのに、アキータはあっさりネタばらしをしてしまった。


 アキータの人となりを考えてみれば当然といえば当然の事実である。


 彼女が自分で重労働をするはずがない。


「えーと、トレッドが15個、トレンジ20個、キャリン12個ですね。現在の相場からすると、買い取り価格は白貨六枚ですね」


 トトリが早速に作物の確認をしていく。


 当然ながら先ほどアキータが握りつぶしたトレンジは勘定に入っていない。


「なんだ、アキータのところのか、これ? ホッカイのところのが成長早かったろ?」


 前に見に行った時、アキータのところの作物よりホッカイのところの作物のほうが成長していたはずだ。


 しかし、先に収穫物を納品してきたのはアキータだった。


 どれも普通に市場に出回っている野菜である。


 トレッドとトレンジは同じ仲間の実をつける野菜でみずみずしく甘酸っぱい。


 キャリンは幾重にも重なった葉が球状になった野菜である。


「ホッカイのところは・・・・・・まぁ、ノーコメントよ」


「?」


「あれは、どうかと思うわ。さすがの私もどん引き」


 イバラークの頭は疑問符でいっぱいだ。


 今度ホッカイの畑を見に行こう。


「とにかく、今日は様子見で持ってきただけだから、今度からはこの十倍くらい持ってくるわよ」


 どうやら畑のほうは成功しているようだ。


 アキータ謹製の薬のおかげだろう。成長も驚くほど早い。


 納品数も期待できそうだ。


「他の連中もうまくいってるといいんだがな」


 イバラークの頭にホッカイとオサカの顔が浮かぶ。


 エヒムに関してはあまり心配していない。しいていうなら輸送の問題だろう。


 あと、大きな問題としては床に転がっているアモリンだけである。

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