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ギルドマスターに突きつけられた砲身

「ぁああああ!? んぁああん!? ごるるぁああ!?」


 爽やかな朝にふさわしくない雄たけびが大災害跡地で聞こえている。


 イバラークは朝一で大災害跡地にいるギルド員たちの様子を見に来ていた。


 というか主にオサカの。


 大災害跡地に家を建ててからというもの、彼はギルドに顔を出していない。


 農業ギルドのメンバーのほとんどが(残念な事に)農業初心者である。


 オサカもその例に漏れず、農業初心者である。


 オサカはアキータの事を『姉御』とよんで慕っているようだが、あまり他のギルド員とからんでいるところを見かけない。


 ごくまれにエヒムに教えをこいに行く事があるようだが、相手がエヒムだと違う意味でからんでいるように見える。


 そのエヒムに耕し方や種のまき方などを教わりながら地道に農業に勤しんでいるようだ。


 意外と性に合っているのか、文句の一つも言わずに毎日を過ごしている。


 以前はマメがつぶれて手に布を巻いて畑を耕していたが、今ではマメもできなくなった。


「んぁああ!? ぉお!? ごるばちょふ!?」


 ゆさ。


「オサカよ。その小さな雑草一本抜くたびにそんな気合入れなきゃダメか?」


「ああん!? こちとら命がけだ、ごるるるるあ!?」


 ゆさゆさ。


「近い」


 朝っぱらから何を雄たけび上げているのかと思えば草取りだった。


 性分なのだろう。


 意外と細かく、「それ作物の芽と見分けつくの?」っていうような小さな雑草まで丁寧に取り除いている。


 意外と律儀で話しかけるとちゃんと返してくるし、マジメなので悪い奴ではない。


 困っている動物やモンスターに優しくするくらいなので、むしろいい奴なのかもしれない。


「オサカのところもだいぶ作物が育ってきたな。あとどれくらいで収穫になるんだ?」


「わからねぇ! だが、かならず俺はこいつを仏血義痢で育てて見せる!」


 オサカが力強く拳を握る。


 ゆさ。


 興奮状態の彼の頭がゆさゆさ揺れている。


 相変わらず大砲のようなリーゼントである。


「なぁ、オサカ」


「ぉお!?」


 ゆさ。


「その頭、農業やるには向いてないんじゃないか?」


 もはや、生活するのにじゃまなレベルだと思うのだが。


「ぁああん!? んだと、ごるあああ!?」


 ずんっ。


「おい、やめんか!? お前の大砲が俺の顔面に・・・・・・」


「こいつは俺の魂だ! 気合を入れたこいつは無敵だぜ!?」


 ゆさ。


 イバラークの視界を視界をふさいでいたオサカの頭上の大砲が離れたと思ったら、オサカは耕した時に取り除いた石を集めておいた小さな山に近付いた。


「ぬぅああああ!! っ! ぉおおお!?」


 気合をためて雄たけびと共にリーゼントを小石の山に叩きつける。


 乾いた音。


 イバラークの目が点になる。


 ゆっくりオサカが頭を上げると、あったはずの小石が粉砕されて粉になっていた。


「どういう仕組みじゃあああああ!?」


 オサカはドヤ顔で親指を立てていた。

みなさん、いつも読んでくださってありがとうございます。


この度、感想やレビューまで書いてくださった神様がいらっしゃいます。

嬉しすぎて感想への返信が長くなってしまいました。

本当に感謝です。


あ、そうですそうです。

今回感想をいただいてわかったのですが、「このキャラが好き」っていうふうに思ってくれるのってすごく嬉しいことなんですね!

いつかみなさんの心にジャストフィットする魅力的がキャラクターが書けるように頑張ります。

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