ギルドマスターはロリコンですか? ショタコンですか?
コロコロとした可愛らしい声がギルド内に響く。
男の子?
女の子?
よく分からないが、見た目十歳前後の子供がいた。
その体に不似合いな大きな荷物を背負っており、小さな体が余計小さく見える。
金髪を肩口くらいまで伸ばしており、長いまつ毛に青い眼、通った鼻筋。
白い肌は肌理細やかで透き通るようだ。
トトリが近くに行って屈み込み、目線の高さを合わせる。
「ええと、どのような御用ですか?」
「ああああ、あのあのあの、僕、ギルド員になりたくてっ・・・・・・!」
どうやら男の子のようだ。
目の前にトトリの顔が来て、少年は顔を真っ赤にした。
「もしかして、今日午後から面接の?」
「ははは、はいっ、よろしくお願いします!!」
緊張のためか、動きがカクカクしている。
緊張している少年を、イバラークが座っている応接スペースに案内する。
イバラークは少年を見て目が点になっていたが、一つ咳払いをして面接を開始する。
「ん~、ん~、何から聞くべきだ? あー、名前は?」
「は・・・はい、僕はエヒムといいます!」
「一応聞くが、男でいいんだな?」
「? はい、そうですけど・・・・・・?」
エヒムは何故そんな事を聞かれたのか分からないようだった。
自分の見た目を自覚していないらしい。
「いや、気にしないでくれ・・・・・・で、年齢は?」
どう見ても十歳前後、頑張っても十二歳くらいにしか見えない。
「あ、はい、今年で十歳になりました!」
あ~うん、見た目どおり。これは駄目か・・・・・・。
イバラークは内心肩を落とす。
「なんでウチのギルドに入ろうと思ったの?」
「ええとですね、僕農家の次男坊でして、家は兄が継ぐんです。でも、僕だって農業がしたい! したいんですけど・・・・・・やっぱり、土地が無いと農業はできないですから。そんな時に農業ギルドの事を知ったんです! 農業ギルドのギルド員になれば土地が借りられるって!」
「合格」
イバラークが気持ち悪い笑みを浮かべていた。
なんなら彼は勝利の舞を踊りたいくらいだった。
「あ、あの、僕が言うのもなんですが、いいんですかそんな簡単に決めて・・・・・・」
「何も言うな。君の熱意は伝わった!」
ふふふ、ふはあはあああはははっ。
イバラークの頭の中はお祭り状態だ。
農家の子!!
悪・即・斬!!
・・・・・・あ、間違った。
即・戦・力!!
体力が無い分は、アキータのように人を雇ってもいいし、むしろ同じギルド員のホッカイを頼るのもありだろう。
イバラークという男、農業ギルドのギルドマスターになったはいいが、実は農業の事はドが付く素人だった。アキータもホッカイも違う畑の人間で、農業の事はよく分かっていない。
「あ~、エヒム君と言ったね。僕ぁね、君のようなエースを待っていたのだよ! うむ、がむばってくれたまへ!」
魔王もびっくりの高笑いをするイバラーク。
当のエヒムは戸惑い半分、恐縮半分でイバラークを見上げるばかりだ。
どうしていいのやら分からず困り果てたエヒムを開放したのは、いつものアレだった。
爆発音にも似た扉の音。
奴が来た。
書きたいわ、読みたいわ、仕事しなきゃいけないわ、遊びたいわで時間が全然足りない。
一日百時間くらい有ればいいのにと常日頃思っています。
新キャラ、エヒム君登場ですが、主人公だけフツメンで回りは美男美女美少年と来てしまいました。
いい加減フツメンなギルド員が増えてくれると私も安心する(私の精神衛生的に)のですが、どうなんですかね。
次回以降もまた読んで下さい!
よろしくお願いします!




