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ギルドマスターはいつもと変わりません

イバラーク(32)

農業ギルドのギルドマスター。

赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。

農業以外は何でも器用にこなす。


センディ(47)

商業ギルドハーポーン王都支部のギルドマスター。

やり手の元商人。

無愛想かつ鋭い眼光で付け入る隙を見せない。

トレードマークは白髪のオールバック。

 絢爛豪華とは言えないまでも、それなりに豪奢な装いのご婦人や紳士が集まって歓談し、情報交換を行っている。


 ことさら無駄に贅沢する事を嫌うハーポーン国王の方針で、王宮でパーティーをする際には他国のパーティーに比べると幾分か落ち着いた催しとなる。


 当然、この白髪オールバックの紳士もそれに倣い、普段には絶対に着ないが贅を尽くしたような華美さはない『ほどほど』な着こなしをしている。


 問題は隣の大男だが。


「そう来るだろうとは思っていたが・・・・・・やっぱりそうか」


 白髪の紳士、センディはため息をつく。


 ため息をつかれた赤みがかった短髪の大男は我らが農業ギルドのギルドマスター、イバラークである。


 当たり前のように普段着ている農民と事務員の間くらいのラフな格好である。


「なんだよ、うちのギルドに制服なんぞないぞ。自由だ自由! ワハハハハ!」


「おいっ、こんな所で高笑いするな、恥ずかしい! ただでさえ恥の塊のような男が目立つんじゃない!?」


「酷い男だな、貴様は!?」


 確かにイバラークは目立っているが、普段の冷静沈着なセンディが感情をあらわにしている姿はとても珍しく、センディもしっかりと目立っていた。


 自分に注がれる視線を敏感に察知したセンディはまるで何もなかったかのように平静を装う。


 さすがやり手の男だけあって、そこで変に動揺を見せたりはしない。


 毅然とした態度はいつものセンディである。


 イバラークに付き合ってしまったばかりに恥をかきそうになったが、今日は大事なパーティだ。


 西方にある大国の内の一つ、エギップからの使者を迎える場である。


 この会合で親睦を深められれば、西方との貿易が盛んになりハーポーンの経済にも良い影響が出るし、新しい技術や農作物も手に入りハーポーンの発展につながる。


 イバラークはまがりなりにも農業ギルドのギルドマスターである。


 今後の農作物の取引をするにあたっても、エギップの使者と面通しをしておいた方が良いとセンディは考えていた。


 イバラークのスペックが高い事は当然知っている。


 しかし、個人の力では限界がある。


 パイプを作っておくのは上の立場になればなるほど重要な事である。


 この新米ギルドマスターにしっかりと教え込まねばなるまい。


「イバラーク。おそらく向こうも手土産を持ってくるだろう。交易をするにあたって、向こうもこちらの機嫌はとっておきたいだろうからな」


「おう、だろうな」


 イバラークは頷く。


 農業のことに関しては素人だが、頭は切れるイバラークである。


 それくらいの事は分かっている。


「俺の読みでは向こうは作物の種を持ってくる。おそらくこちらでは生育が難しいものだ」


「友好のポーズは見せるが、完全にこちらの都合のいいようには動く気はない、って所か」


 ハーポーンは決して弱小国ではないが、エギップは規模が違う。


 エギップから見たらハーポーンは辺境の小国に見えるだろう。


「というより、『そちらでは育たない農作物を交易に出すから高値で買ってもらうぞ』という感じだろうな」


「まぁ、上から目線だこと。と言う事は、うちでそれの栽培を成功させて『別に買わなくても育てられるけど何か?』ってしたいわけね」


 センディは頷く。


「できんとは言わせんぞ」


 イバラークがニヤリと笑う。


「無理!」


 とりあえずセンディは近くのなるべく安そうな花瓶でイバラークの頭を殴打しておくのだった。

え~、更新が遅くて本当に申し訳ありません。

第二子爆誕によって執筆時間が削られております。

さらにさらに、私以外の家族全員インフルエンザにかかるというバイオハザード状態。


とにかく、少しずつでも更新しますのでお付き合いお願いします!

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