シマーネから見たギルドマスター
イバラーク(32)
農業ギルドのギルドマスター。
赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。
農業以外は何でも器用にこなす。
シマーネ(14)
トトリの妹。
姉とは対照的に活発な少女。
齢十四にしてすでに巨乳の片鱗を見せている。
姉であるトトリのすすめで農業ギルドの事務員になったシマーネ。
今まで働いた事がない彼女にとって不安と期待に満ちた毎日がここにはあった。
姉のトトリがいつもそばにいるし、ギルドマスターのイバラークも見た目はごついがフランクな人柄で(農業以外は)頼りになる人物なので、働きやすい環境である。
たまにトトリがなぜか急にギルドの奥のほうで雑用していろと言う事があるが、基本的にきつい仕事はないし、変な客に目をつけられる事もない。
家は裕福ではないが、姉のおかげで飢えるほどではない。
姉のトトリは飲食店で働いていると言っていたが、あまり職場の話はしたがらなかった。
そんな様子もそうだし、何より見た目がいい姉であるから、いかがわしい仕事をしているのではないかと思っていた。
そんな姉がここ数ヶ月でよく仕事の話をするようになった。
何でも変わったギルドマスターからスカウトされたらしい。
あの見た目なので、下心でスカウトしたに違いないと思っていたシマーネだったが、会ったら印象がまるで違っていた。
変わった人物である事は聞いていたが、まさかここまでとは思っていなかった。
なんというか、二枚目になりきれない残念さがある。
本当に尊敬できる事なのだが、いろいろな事ができる。
なんでそんな事までできるのかと思うくらいにできるし知識も豊富。
しかし農業ギルドのギルドマスターでありながら農業の知識がまるでない。
胸を張って農業の事はまったくわからないと豪語するのはやめて欲しかった。
一応、部下としてはもう少し面子というものを持って欲しい。
たいした能力もないくせにギルドマスターだからといって威張っているようなやつよりはずっとマシだとは思うが。
「あ、マスターさん。お手紙来てましたよ」
外出から戻ってきたギルドマスターのイバラークがギルドに入ってきたのを見つけてシマーネが声をかける。
「おう、ありがとな」
気さくだし、気取った所もない。
愛想もいいしイケメンとは言えなくとも不細工でもない。
だが、女っ気はまるでない。
誰かにアプローチしている所もされている所も見た事がない。
シマーネは不思議な珍獣を眺める目でイバラークをチラリと見る。
一通り手紙に目を通し終わった所のようだ。
くしゃくしゃと手紙を丸めるとゴミ箱へ。
「いいんですか!?」
「あぁ。センディが今度王宮で開かれる社交パーティについてこいって言ってる」
「それダメなやつじゃないですか!?」
「え~、だって行きたくないし。見なかった事にしようかと」
センディは商業ギルドのギルドマスターである。
超やり手のギルドマスターであり、その手腕はハーポーン国内にとどまらず他国でも知られている。
そのセンディとつながりがあるだけでもすごい事なのに、センディからの誘いを断るとは。
「違う違う。断るんじゃないよ。見なかったの」
「マスターさん、それダメなやつです・・・・・・」
なんというか、こういう部分なのだろうなとシマーネは思う。
この男は破天荒すぎるのだ。
何にも縛られずに行動できてしまう。
思うがままに生きるというのを地でやってのける事は普通の人間にはできない。
その自由さに惹かれる反面、その破天荒さには付いていけない。
ある意味孤高の男なのだとシマーネは思う。
更新が遅くて本当に申し訳ありません。
絶賛子育て中でなかなか時間が取れません・・・
遅くなっても更新はするのでどうかお付き合い下さい!
あ、ちなみに去年の12/26に産まれました。
待望の息子です。
目つき悪いです。
将来はエリートなヤンキーになれるな、と思いました。
母親にそれを言ったら、「お前もそうだった」と言われました。
息子、スマン!




