トトリから見たギルドマスター
イバラーク(32)
農業ギルドのギルドマスター。
赤みがかった短い髪で身長が高くガタイも良いので農業ギルドより戦士ギルドのギルドマスターのほうがしっくりくる。
農業以外は何でも器用にこなす。
トトリ(19)
おっとりとした見た目の美しいお姉さん。長い黒髪を肩から前に流している。その可憐な姿はハポンナデシコ。
元暗殺者。
そしてきょぬー。
農業ギルドの事務員、トトリの朝は早い。
ギルド員や依頼者が来るまでにギルドを開ける準備をするためだ。
ただでさえ農民は朝が早いので、ギルドも早めに開けなければならない。
勤務時間は長くなるが、朝夕の忙しい時間帯を除けばのんびりできるのでそんなにつらくはないし、暗殺者をしていた時に比べれば命の危険もないし安定した収入があるので、精神的にとても楽である。
最近はギルド員も増えたし依頼者も増えている。
イバラークが面接できない時にはトトリが面接をしてギルド員を採用している。
もともと農業を営んでいた者も来ているので、ギルド員としての質も悪くはない。
不真面目そうなのは落としているので、人間性的にも問題はないはずだ。
むしろ問題ありそうなのはギルドマスターのイバラークが面接した者達である。
何も悪人というわけではないが、クセが強い人間ばかりな上に人間以外もいるという混沌ぶり。
集めようと思っても集まらない面子である。
「お、トトリ。今日も早いな」
入って来たのはギルドマスターのイバラーク。
赤みがかった短髪で巨躯。
はっきり言うと農業ギルドのギルドマスターより戦士ギルドのギルドマスターの方が似合っている。
最近知ったことだが、もとは滅んでしまった隣国の聖騎士団副団長だったらしい。
その頃の名前はイバラークではなかったので気付かなかったが、元々の名前はハーポーンの人間ならほとんどの人が知っている有名な名前である。
本人はその名をあまり名乗りたがらないようだが。
「おはようございます。昨日マスターが商業ギルドに行って直帰されたあと、納品依頼が一件入ってますので確認しておいて下さい」
「ん~、これか」
イバラークが依頼台帳を開いて確認する。
依頼者の名前を見てすぐに台帳を閉じる。
「はいはい、あそこの金持ちの家ね。よっぽどうちの農作物が気に入ったみたいだからな」
農業ギルドのお得意様だ。
以前にパーティーで使う食材が急に手に入らなくなって緊急依頼でうちにきた。
その時はアキータの畑で収穫された作物を納品したのだが、それが気に入られて以来お得意様だ。
だいたい料理長がやってきて依頼を出していく。
ただ、いつも名前は主人の名前で書かれている。
無骨に見えて意外と細かい所まで把握しているあたり、ギルドマスターとしての仕事をちゃんとこなしているのだとトトリは評価している。
残念なのは、こんなに色々と何でもこなすのに農業だけは音痴という笑い話にならない特性を持っている事か。
よりにもよってなんでピンポイントでそこ苦手なの?
それはおそらくトトリ以外も思っている事だろう。
決して努力していないわけでもないし、エヒムという良い先生がいるので今後に期待という事で。
読んでくださっている皆さん、更新頻度落ちていてすいません。
私生活で嫁と母親が入院して娘の面倒を見ていてなかなか執筆活動の時間がとれず、こんな事に……
なるべく頑張りますので、見捨てないで下さい!




