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ギルドマスターはあの子が欲しい

 その手に握られたナイフは、小さいながらも強度の高い実用性重視の暗殺用。


「・・・・・・毒、効かないんですか?」


「鍛え方が違うんじゃい、小娘!」


 薄暗い室内で暗殺者の表情は窺い知れない。


 しかし、その声に動揺は感じられない。


「気付いていたんですね。じゃあ、何で?」


 暗殺者として鍛えられた彼女の目にははっきりと哀れな獲物――――イバラークの姿が見えている。


 殺気だろうか。


 イバラークの体が一回り大きくなったように見える。


「くくっ・・・・・・くははは! 誘われたのは俺じゃない。貴様よ!」


 その姿は(けだもの)そのもの。


 獲物を狙うその目はぎらついて彼女を絡め取っている。


 自分は暗殺のプロ。


 その自分が獲物だと。


 目の前の男がそう言う。


 今までも、彼女を狙う愚かな男達の視線は嫌というほど見てきた。


 しかし、こんな圧倒的なプレッシャーなど感じた事は無かった。


 淡々と殺し続けた。


 そうしてきた。


 依頼があれば殺した。


 襲い掛かってくれば殺した。


 容易く、呆気無く。


 今の彼女はドラゴンに睨まれたアマガエルの状態だ。


 彼は舌なめずりして彼女を見つめる。


 震えが止まらない。


 こんなのは、初めて殺しをした時以来の事だ。


 今から彼に嬲り者にされるのか。


 ならばその前に死んでしまおうか。


 彼女は家族に心の中で謝る。


 病気の母親、まだ幼い弟妹。


 ナイフを自分の首元に突き立てようとした所を見透かしたかのように、イバラークがナイフを握る手首を掴む。


 彼女の喉の奥で悲鳴にならない悲鳴が上がったが、声にはならなかった。


 恐怖でナイフが手からこぼれ落ちる。


 握られていた手首が開放された瞬間。


 目の前から消えた。


 いや、彼の姿が見えないほどの速さで動いたのだ!


「!?」


 恐怖でしりもちをついてしまう。


 が。


 しりもちをついたおかげで彼の姿を見つける事ができた。


「お願いします! うちの事務員になってください!!」


 見事なDO★GE★ZAだった。


「・・・・・・へ?」


 イバラークは頭を下げた土下座の姿勢のままカサカサと前進してくると(とてつもなくキモかった)、彼女の手を握る。


「そんな、暗殺者なんて非生産的な仕事なんて辞めて、うちに来てください! 暗殺の依頼なんて常に有るわけじゃないし、返り討ちにされる危険性だって有る! 安定収入身の危険無し、キレイな職場です!?」


「ひっ!!」


「月給制で月金貨一枚白貨八十枚スタート、定期昇給有り、実績に応じてさらに昇給のチャンスが!? 今なら良く切れる万能包丁とまな板付けちゃうよ!! さあ、天職に転職だ!?」

主人公これ完全に変態です。

R15指定必要ですかね?

いっそR18か?

皆に読んでもらいたいので程ほどの変態にします。

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