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アビリティ・ファイティング  作者: 倉 奈ノ佳
一章 the new hero
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#8 波乱のお泊まり会…?

 六月。それは体を鍛えるのにはもってこいの時期だと思う。


「はあぁ、暑い上に凄くじめじめしてんなぁ…」


「仕方ないでしょ、梅雨なんだから」


そう…今は梅雨なのだから、雨の日が多い。今日は降っていないが、昨日まで連日降っていたのだ。だからじめじめしている。そんなタイミングだからか、筆花の提案で一泊二日のお泊まり会をする事になった。とは言っても内容はアビファイに備えてのトレーニングである為、合宿と言った方が正確だと思う。勿論、メンバーは全員強制参加させられた。


「つーか、此処でやるには少し狭いと思うぞ…?あと全員分私が鍛えなきゃなんだろ?私の負担が大きいんだけど。」


「お願いよ〜。貴方強いでしょ?頼りなのよー…」


「う…というかいいのかよ、お前の弟、弁当つまみ食いしてるぞ」

「…あら、本当。千歳ちゃん怒るかもねぇ…証拠隠滅に、いっその事全部食べてこようかな」


いや、普通叱りに行くでしょ…何自分も食べようとしてるんだよ…

「あの人達はおいといて…筆花サン、メニューはどうなんスか?」

「今日は苦手克服がメイン、明日は実戦練習よ。」


「「結構ハード!」」


「まぁ…やるからには生半可じゃ駄目だもんね。」




「くぅ…死ぬ!死ぬ!」


「ナルシェさ~ん、そんなんじゃ駄目よ!いつもは能力使って回避してるんでしょうけど、水位なんてすぐ変わるんだから。ほら、ここまで泳いでくださいな。」


「お前は楽しそうだよな…」


ナルシェは泳げないらしく、セイレンと組んで水の克服中。あの(チート)でも弱点はあるんだなぁ…そりゃそうか。


「お姉様、何で私がこんな事…」


「そりゃそうよ、お互いの訓練なの!」


叶世と千歳は…叶世の苦手な…というよりは、延命する為の身体強化をしている。ただ、千歳の突発性の方と叶世の能力の強化も時々やっている。


「静羅さん、無理しなくていいんですよ?」


「してないわよ。もうすぐ…見えそうなんだから。」


透月と唯世は能力の強化中で、透月が唯世の考えている事を見て当てれるかどうかの攻防戦だ。互いが弱点に当たるからね。…そして僕と夏樹も同様に、能力の強化中だ。


「ねぇ夏樹…僕達これで良いのかなぁ…」 


「いや、他に方法ないっしょ。熱と氷なんだから。普通に考えて有利なのは熱だけどな」


…確かに。地球温暖化で南極の氷が溶けてる事実があるしな。だから能力で発生させた熱と氷をぶつけているのだ。


「でもさ…あの二人だけ楽そうに見えるよね。」


「あぁ…。でも二人共戦闘向きの能力でもないからなぁ…」


ノメアは暫く出番がないので筆花とくつろいでいる。とは言っても筆花は何か考えながら紙に書いている。まぁ、書いた文字を具現するんだからね。


「あら、二人共。どうしたの?確かに暗くなってきてるけど」


「筆花サンて、どんなトレーニングしてるんスか?」


「私のは…見たら分かるわ。例えば…『緑茶』と書く。そしたら…ほらっ。これがすぐに起こるように強化中なのよ」


本当に、筆花の元に緑茶が置かれていた。そうか、『書いた文字を具現する能力』だっけ…。んで…ノメアは?


「私の場合、誰かが怪我しなきゃ意味ないからトレーニングも何もないよ。…あ、丁度いいや、二人共まーた同じ様な怪我してるじゃん。」


二人共何度か被弾しているので、僕は出血としもやけ、夏樹は火傷している。そして、ノメアは僕達の傷の箇所に手をかざして、数秒程で治した。


「へへっ。…そうだ、夏樹、私になんか攻撃してみてよ」


「え、俺ッスか?失礼します…『フローズンタワー』」 


ノメアは夏樹の攻撃を確かに受けた。どう考えても凍傷になるレベルだった。でも、ノメアの傷はその直後の数秒程で元通りになった。


「攻撃を受けていないよう…いや、受けてはいるんだよな…。でも実質無効だよな…」


「いや、ダメージは喰らってるよ?元の半分だけど」


「…確かに妹様の場合、トレーニングいらないッスね」




その晩、八時くらいに外で散歩でもしようかと廊下に出た。すると、誰かの歌声が聴こえてきた。


「筆花!…何してるの?」


「桐生。昔の癖でね、自然を見ると詠いたくなるのよ。」


成程、優雅だなぁ…ただ、今時そんな事やる人あんまいないよ。


「じゃ、明日はトーナメント方式で実戦練習するわよ。準備しといてね」


あぁ、緊張するな…十人のうち、誰が優勝するか分からないしな。

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