表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アビリティ・ファイティング  作者: 倉 奈ノ佳
一章 the new hero
15/35

#15 能力無しでの挑戦

 もう秋だ。休日、夏樹や岳と雑貨屋に行った。いや、遊んだという方が妥当だろうか。


「あら、遊びに来たのね?でも営業中だから、あまり騒がしくしないでね」


「「はーい」」


千歳はオーダー品の製作、叶世は接客をやっている。唯世と僕達は特にする事がないので、ババ抜きでもして遊んでいた。


「唯世、能力使ってないよな?」


「えー、使ってないですよー…というより、使うまでもないです。はい、次桐生君です」


「えぇと…これ?」


「あはは、桐生君不安なの?大丈夫だよ、唯世能力使ってないから」


「駄目だ、この二人には勝てない」


唯世と岳は能力を使っていたので、最終的には僕と夏樹の一騎打ちになった。


「えぇと…これかな?」


「さぁどうだ…ん、あっち騒がしくね?」


夏樹が、店の方が騒がしい事に気づいた。少しすると、叫び声も聞こえてきた。


「絶対何かあったな。」


「強盗じゃないですか?…いや、でも姉上なら能力でどうにかできる筈…」


「能力者が関わっているかもね。行ってみるわよ」




「残念だったねェ。こんなとこで死ぬなんてな」


強盗だ。店主である叶世も人質になっている。アビファイは不参加の岳も武道の心構えはあるし…突撃しよう!


「お金も商品も渡さないわよ。」


「お?強気な店主サンだねェ。まぁ、逃がすつもりは…おい、そこのガキ共。さては能力者だな?」


バレてる…恐らく、能力者が率いる集団なのだろう。そうとなれば戦わなければ。一般の人を巻き込みそうだけど、もうニュースでも取り上げられている。僕は攻撃をかわす為重力を軽くして跳ぼうとした。だけど。


「…あれ?」


能力が消えたのだろうか。夏樹は疑って能力技を繰り出そうとするが、発動しない。足に擦り傷を負っただけ。…おかしい。僕は突発性だからまだしも、先天性だと聞いている夏樹まで。叶世もそれで何も出来ないのかな。


「そりゃ発動しないぜ。ボスのは無効化能力だからなァ。ボスの視界に入りゃあ、発動しねぇよ」


無効化能力か…能力なしに戦うには…


「能力が使えないだって?だったら俺の得意分野だね。」


岳が強気になった。岳の能力は非戦闘タイプだけど、喧嘩は強い。


「じゃ、俺も奥の手でやろっかな」


夏樹も爪を伸ばした。武器である爪で戦うつもりだろう。ならば僕も。


「お兄さん、中々強いんだね。手応えあって好きだよ」


「そんな事言ってると人質の命はないぜ?」


岳は喧嘩モードのアレだ。最近は仲良くしてるけど、やっぱ怖い。


「爪は使い勝手いいけど…くそっ、また外れかよ…」


夏樹は素早さが長所だけど、相手も素早いのもあり正確さに劣る。


「お前はまだ攻撃してねぇなァ。先に片付けてやろうか?」


僕はまだ出血していて、攻撃も出来ていない。どうすれば…あ、僕も武器を使えば…!僕の武器は銃だけど、実はエアガンだ。つまり、これを使えば怪我もさせずに勝てるかもしれない。


「…いいえ。すみませんが人質を解放して下さい」


僕はそう言って強盗らの足元を撃った。出たのは空気だけど、速さの関係で結構痛いらしい。おかげで主犯だけが残った。


「…ふっ、中々だな。だが油断したな」


「桐生!」


まずい、距離が近かったせいで逃げられなかった。僕は腕を掴まれて身動きが取れない。どうしよう、二人の力だけだと負ける…


「ふぅ、すぐに来てくれたわね」


「強盗容疑で現行犯逮捕する。」


いつの間に、叶世が能力を使って警察を呼んだらしい。あれ、この人無効化能力持ってるんだよね?


「桐生が捕まった事で視界が桐生の頭ばっかになったのね。そうだろうと思って使ってみたわ。」


流石、叶世の能力って結構使いやすそうだし。


「あぁー、怖かった」


「久々にここまでやったのが楽しかったかな」


岳は単純に喧嘩したかっただけなのか…?




「あぁ、それは大変だったわね…」


あの後、僕達四人は暫く警察の事情聴取を受けた。こういう時幽霊って羨ましいなぁ…。


「仕方ないでしょ、あたし達の事見えてなかったんだし。」


「お疲れー。珍しく姉貴がゲーム付き合うって言ってたから、皆でWiiやって遊んでたんだー」


僕達が命懸けの時に遊んでたのか…。


「でも特に大変だったのは叶世さんよね。それにしても叶世さん、肝座ってるわね。」


「まぁね。でも桐生君達も頑張ってたわね」


いや、エアガン撃った後の僕凄く恥ずかしいんだけど。


「能力使えなくて、最初は消えたかと思ったよ…」


「いや、ノメアも桐生も、突発性じゃなくて先天性だ。突発性ならノメアはもう能力無しだ。桐生も一生能力者だぞ。開花が遅かっただけだ。」


少なくとも、僕の能力とノメアの一つ目の能力は、突発性ではなくて先天性らしい。


「あ、能力者といえば、一つ未来の話をするぞ。近いうちに、ある一人の能力者が、仲間の一人である能力者を殺しかける事になる。何処の誰の話かは知らないけどな。」


「…⁉近いうちにって?」


「んな知らねぇよ。ただ、そいつらの運がそうなってるだけ。変える事は出来ない。」


運は変えられない事もある。それは窮地に追い込まれた場合が多いと思う。そんな事起こって欲しくないけど、変えられないのなら全力を尽くすのみだ。それがもし、この中の誰かの話だとしても…。

 甘蜜です。関西の方、大丈夫でしょうか?

さて、そんなタイミングですが投稿です。一度入れてみたかった要素を詰め込んだ感じです。

 能力といえば…学校行事での合宿前夜に、指パッチンで火を起こす夢を見て、翌日の夕方まで記憶がごちゃごちゃでした。後から調べるとイグニションってやつに近かったです。つい最近出した新シリーズで出てきます☆

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ