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アビリティ・ファイティング  作者: 倉 奈ノ佳
一章 the new hero
14/35

#14 名は運を表す

「…それでは、今日の宿題についての説明をします。」


今は総合の授業中。明々後日の土曜授業の準備という事らしい。

「土曜授業で命についての授業をするので、その準備として、自分の名前の由来を調べてきて下さい。」


由来かぁ…。家で聞いて来なきゃ。…あれ、でも僕の名前の由来って聞ける相手いたっけ?実は、僕は叔父さんと暮らしているのだ。その理由は…


「…りゅう、桐生!どうしたんだ、顔色悪いぜ?さっきから武田が物凄い心配してるぞ。」


「あ、ごめん。ちょっと考え事…武田君、ありがとう」


「んー、それだけかなぁ…まぁ、それは別にいいんだけどさー…何か抱え込んじゃってるよね?詮索はしないけど」


武田君、薄々思ってたけど勘が滅茶苦茶鋭いなぁ。もしかして、武田君もそういう類の能力者…まさか。


「それにしても武田って勘鋭いわよね」


「いや、俺は透月達とはちょっと違うよ?俺は戦えないし」


な、何ですとぉ⁉バレてる…え?


「バレるも何も、俺心が読めるらしくてね。何思ってるか分かるんだ。ちなみに先天性ね。でも戦闘は出来ないから、あまり助けてあげられないけど。助けてもらったけどねー…」


成程、つまりあの時も読まれてたのか…。でもそうか、悩んでるように見えてるのか…


「…え、今更だけど下の名前が知りたい?うわぁ、ちょっと傷つくなぁ…俺は武田(がく)。読心の能力者だよ。名前呼びでも別にいいよ。」


心読ませちゃった上になんかごめん…。




「ただいまー…」

家に着き、「ただいま」を言ってみる。でも「おかえり」の声はない。そりゃそうだ、叔父さんは仕事で忙しいのだから。かつて透月に一人暮らしって凄いと言ったけど、実質は自分も一人暮らしだ。両親は?と疑問に思うかもしれない。僕の両親は、僕が幼い頃に殺された。だから、叔父さんが引き取ってくれたという事なのだ。僕は料理が上手くないので、栄養バランスは悪い。


…時期的な問題だろうけど、少し寒いし、体が熱い。…38,6度。うん、風邪かもな。早めに寝る事にした。




 翌日。熱が下がらないので、学校は休む事に。とりあえず栄養は取らなきゃ…


「あ、起きた。作っといたからな。」


…何でナルシェが来てるんだ。


「夏樹から聞いたぞ。顔色悪かったって聞いたから来てみたけど、熱出してぼっちなんだな。仕方ない、私が看病してやるよ」


「嬉しいんだけど…その…今日叔父さん帰ってくるよ…?」


「…大丈夫そうだぞ。」


少しの沈黙があったから、多分能力使ったな。あと前から思ってたけど、運を操るというより未来予知してるような…


「まぁ、とりあえずゆっくり…」


「ただいまー…って電気ついてるな…休んでるのか?」


ヤバい、帰ってきた!


「ちょっと風邪ひいちゃって…」


「へぇ…それで、この人は?」


げ。何て言えばいいんだ…?と考えていたら。


「弟とよく仲良くしてくれてるんですよ、彼。」


「成程、それで看病しに…」


弟って、夏樹の事だよね?さらっと嘘を…いや、嘘も方便って言うしな。


「…嘘だよな?俺には分かるぞ。あんたについても、桐生が能力者になった事もな。」


何でそれを⁉


「俺にも『嘘を見抜く能力』があるからな。実はうちの家系は能力者が多いんだ。お前の父さんには現れなかったけど、お前が継いでるとはな。」


「結構分かってたんだな…それじゃ、桐生も大分具合悪そうだから代わりに聞くが…桐生の名前の由来って何だ?宿題で出てるらしいんだ。」


「詳しくは知らないが、響きの格好良さも一つだと聞いているよ。後は能力でも使えば分かるだろう。折角だけど、俺は明日の朝出発しなきゃなんだ。悪いですが、桐生のこと頼みます。」


叔父さんは、そう言って部屋に行ってしまった。


「…ふぅん、桐生は遺伝子的なのもあるのか…えーと、体調の方はどうだ?詳しく聞いてないな」


「具合なら昨日よりは良くなってるよ。でもまだだるい感じ」


「そうか。そんじゃ早速探るが…まず姓と名前を漢字で書いてくれ。」


言われた通り、僕はフルネームを書いて渡した。


「よし、これで調べられるな。名前を決める時に重視されるのは、一般にはそれの持つ意味とかなんだ。運とくるから私の得意分野だな。同じ読み方でも、表記が違えば意味も運も違う。そういうもんなんだ。まぁ、名前があるってだけでも運が保証されてるんだ。生まれた時からなんて羨ましいぜ」


そうだ、ナルシェは10歳くらいまで名無しだったんだよな…。


「あんまり深く考えた事なかったなぁ。…そういえば、ノメア達の名前は…?」


「ノメアと夏樹は私が付けたんだ。筆花は妖怪化するにあたって、名前を変えて運を変えたんだ。『筆花』ってのはノメアが付けたんだよ。」


へぇ、意外…


「ノメアについては…天邪鬼って分かるよな?あれは『アメノサグメ』とも言ってな、その上三文字を逆さにして、裏を裏返しにしてほしいって願いを込めた。忌み子ではなかったのも、そのおかげかもな。」


ナルシェは、先の運を見る事も変える事も出来る。でも流石に名前の運を見るのは難しいらしく、いつもより時間がかかった。


「僕のは…?」


「お前の名前は…残念ながらあまりいい運じゃないな。人間関係にはあまり恵まれていないみたいだ。…親、いないんだよな?」


「うん…。小さい時に…」


それ以上は言えなかった。思い出すとつらいから。でも、やっぱり運と名前って関係してるんだなぁ。


「でも意味を重視してるんだと思うな。人徳のある子に、順調な人生を歩んでほしい…そんな願いが込められてるんじゃないか?」


僕はそれを聞いて思わず泣き出した。ただでさえ体調不良なので、頭痛が悪化しそうだが、気にしない。辛くなって、耐えられない。ナルシェはなだめてくれる。


「ごめん…僕、嬉しくて寂しくて…。」


「いいんだ。私ら、少し似てるんだな。…あ、とりあえず治さないとな」


名前って凄く重要なんだ。その人の運そのものを表すものなんだ…。




「…んで、桐生は休んでる間に宿題やった訳か。ご主人様泣かせに行っただけにも思えるなー」


「まぁまぁ。俺はフツーに聞いてきたけどね。二人は終わったの?」


「私も親はいないけど、直接聞けたわよ。霊媒師の人に頼んだの。」


「桐生も透月サンもわざわざそこまで…俺まだ聞けてねぇよ!」


いや、放課後聞きに行けばいいじゃん…。でも、今回分かった事がある。名前は運を表すので大事だということ。当たり前のようだけど、名前も貰えずに死ぬ子供もいる。そういう子達がいない世界にしたい。

杏歌です。体育祭の後筋肉痛で痛かったです。

さて、今回はストーリも重要だったと思います

岳「今更名前出すとか…なんか代わりにないの?」

「本当わるかったって…あ、次回以降登場頻度増やすよ。一応戦闘にも出してみるよ。」

岳「え、本当?能力技使えないけどさ、俺目立つの好きだから嬉しいな。」

「ふぅ…あ、そろそろ切りますね。閲覧ありがとうございました。」

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