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アビリティ・ファイティング  作者: 倉 奈ノ佳
一章 the new hero
12/35

#12 登山の落とし穴

 翌日、早く起きてバスで登山口付近まで来た。


「今日の登山は三人のガイドの方が同行する。右から桃木花さん、九段成美さんと乃愛さんだ。全員女性だがベテランだからな、くれぐれもナメないように!」


女だから、ねぇ…その考えも古いと思うけど…


「月森中の皆さん、初めまして。リーダーの九段成美です。登山は一本間違えれば事故に繋がるので、気をつけて下さいね。」


ナルシェが仕切るのか…やっぱカリスマだなぁ…あれ、でも初対面の人間大勢って大丈夫なの?勿論、ナルシェの精神的に。




「はぁ、はぁ…結構大変ですね…」


ナルシェが先頭、ノメアは中間、筆花が後ろについている。そして、僕の班は一番後ろで登ってます。ちなみに先生達は後ろにはいません。


「ふぅ…私もここ最近は登ってないから、体力が落ちたのかもねぇ…」


「大丈夫ですか?俺まだいけるッスよ」


夏樹や武田は余裕そうだ。流石男子…あ、自分もか。一方女子(筆花含む)はキツそうだ。筆花も元人間だからな…


 元々山頂に行く予定だけど、山頂付近まで来るとコース変更になったらしく、六合目辺りの開けた所で昼食を済ませる事になった。


「何かあったんだろーね…」


「山だと天候によって危険になったりするのよ。だからじゃない?」


成程ねぇ…ところでナルシェ達は?


「あ、静羅ちょっと見て!先生達と成美さん、盛り上がってるわよ」


なーにやってんのやら…この後下山もするでしょ…


「じゃ、そろそろ登山再開にしましょうか…成美さん?」


「…あ、分かりました。」


ん、何かあったのかな…


 登山を再開して数分…急に前の生徒達が慌て出した。


「先生、何があったんですか?」


「成美さんが、これ以上は登頂するなって。今すぐ降りろって。成美さんは事情ですぐに降りられないみたいで、乃愛さんについていけって」


何だって!?二人は残るって事かな?


「いや、水篠と透月は呼ばれてる。お前ら学級委員だからかもだけど…乃愛さん、この二人は本当に残すのですか?」


「全員で行くと混乱しますし、連絡を取らないと。」


「あ、じゃ二人共気をつけてね。」


班員達は降りていった。


「さて、私達は行きましょう。ナルシェの事だから何か異変を察したのかもね」


 山を登って行くと、ナルシェが何か叫んでいるのが分かった。


「奴らが意図的に岩を落とそうとしてる。生徒を巻き込むのかっつーの。」


それは駄目…止めなきゃ!


「そこの穴にいるみたい。攻めるわよ!」 

 



穴を塞いでいた岩は、ナルシェが突きで壊した。


「…何故分かった!」


「んなどうでも良い。生徒を巻き込む理由はねぇだろって話だよ。」


何となく予感はしたけど、やっぱり戦闘に入ったみたいだ。


「うわっ、危ないわね」


この間一人で戦った時とは全然違う。僕は全ては避けきれなかった。筆花は何とか避けていたけど、大分疲れているみたいだ。


「筆花…大丈夫?」


「大丈夫よ。…『一筆舞』」


筆花はサッと筆を取り出して、巨大化させて振った。今時普通は山に筆持ってこないでしょ…


「足場が不安定だな…『サイクルフレア』」


これは補助魔法だけど、遠くまで追う必要はなくなる。


「『メガライトニング』!」


「桐生、ちょっとこの剣に熱を加えてくれ。」


あ、合体技的なやつか。えっと…こんな?


「サンキュ。行くぞ、『ヒートスパイラルソード』」


ただでさえ強い技に熱を加えたら…ダメージがデカい!おかげで敵は諦めたようだ。あれ、今いつもより本気だった?


「お疲れ…筆花、本当に大丈夫なの?」


「大丈夫よ。戦えてたでしょ……」


筆花が急に倒れた。


「おい筆花?…熱出したみたいだ。桐生、どうにかしてくれ!」


「流石にそれは無理だよ!早く降りよう!」 



 

 僕達はすぐに下山した。筆花はナルシェがおぶっていった。


「水篠、透月サン、大丈夫だった?筆花サンは?」


「僕達は大丈夫だけど、筆花は熱出したみたい。そっちは?」


「こっちは全員無事だったぜ。でも何で俺呼ばれなかったんだ?」


「戻る時聞いたら、登山道で氷出されると滑って危険だからって。」


「何だよそれ。…やっぱ、ご主人様らしいな。」


とりあえず閉会式が始まった。


「えっと…予定と大分変わってしまいましたが、怪我人が出なくて幸いです。今日はありがとうございました。」

 



 次の日、帰りのバスでは凄く盛り上がっていた。


「いやぁ、楽しかったなぁ。」


「ねぇねぇ、結局林って2日とも女子の部屋行ったんだって?」

「そうだけど、大変だったんだぞ。先生に見つかって叱られたし。」


「そりゃそうでしょ。気持ち悪いわよ。」


うわ、本当に行ったんだ…


「私は、昨日の山登りが思い出深いです。ハプニングもありましたが、空気も気持ちよかったし、エキサイティングでした。」


「そう?私は大分疲れたけど。」


僕も、昨日は疲れてすぐ寝付けたんだよな。


「…ね、水篠はどうだったの?」


「うん…疲れたけど楽しかったよ」


何とか終わって良かったー…。

どうも、杏歌です。目ヤニが凄いです。

現実ではまだ6月、こっちは夏休み、なんですね…。時間の流れって…。

まぁ、林間学校編は終わりで、次からはまた日常に戻ります。こいつらの夏ってイベント多いな…。

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