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恋あい気分②  作者: ハム子
2/17

見てはいけなかったもの…












『おはよー!すみれ。』


『あっおはよー。』


『あれ?なんか眠そうぢゃない?』


『うんー。

昨日あんまり眠れなくて。』












まただ。



わたしとすれ違いざまに

他の部署の同期達の女子がコソっと耳打ちしながら

横を通る


ここ最近で何回目になるだろう












『?すみれ?

なんかあったの??』


『うぅん。

……大した事ないから平気!』


『ほんとに?

遠慮しないで何でも言ってよ?絶対に。』


『ありがとう。

紗江子がいるから心強いよ!

ぢゃあまたお昼にねっ!』













拓人さんと別れてから女子の風当たりが強い。

会社の王子様的存在だった拓人さんと付き合い始めたときもやっぱり周りの目はあったけど

今は余計に厄介…。



きっと理由は…

拓人さんと付き合いながらも

椿というまた1人の男の存在をなんらかの形で知った人が

それを広めてわたしは〝ビッチ〝だと位置づけられたのだと思う。




まっ…

…別にいいけどね。…

















それよりも今日は仕事がはかどらないーー




今月入ってまだ残業してないし

少しして帰ろうかな。






わたしはパソコンに向かいながら

それなりに仕事をこなしていった。





紗江子ともお昼食べて





そのあとは紅茶を飲んで

一息つきながら

ただもくもくと自分のデスクで作業していた。




気が付けば

もう19時半をまわっていた。




もうこんなに時間経ってたんだ…。





スマホを見ると一件の新着メッセージが届いていた。











【お疲れ

いま何してる?】






今から10分前に来てたんだ。


わたしは返事をした。





【お疲れ様。

今残業中なんだー(_ _).。o○】





するとすぐ返信が来た。





【まぢか。

帰り、迎えに行ってやろーか?】


【すごい助かりマスm(_ _)m!

あと20分くらいで片付けしたり全部終わるから

会社一階の平面駐車場Aで待ち合わせで大丈夫?】


【オケオケ】


【ありがとう!

ぢゃあまたあとでね。】









わたしは一区切り付くところまで入力し終わり

身の回りの整理をしてタイムカードを切った。




エレベーター前で時計を見るとちょうど椿が下に着いてる頃かなーと思って立ち止まった時だった。




もうこの時間ぢゃ下の階に誰もいないはずなのに

うっすらどこかから明かりがもれているのが見えた。




あの角度だと……

第2事務室?……かな…?




事務室なら誰かいて当たり前かと思い

挨拶して帰ろうとエレベーターではなく

階段で下まで降りることにした。




わたしのヒールの音がコツコツと階段を降りる音が響いていた。

そして……

何となく変な胸騒ぎがした…










明かりが見える事務室のドアを開けた時、

わたしは意外な2人を目の当たりにした。









ガチャっ……












『あれっ……

2人とも…お疲れ様。……』


『咲坂っ…!おっお疲れ!……

おまえまだいたんだ?!』


『今日はちょっとまとめておきたい仕事があってね。

大ちゃんと南ちゃんは…?』


『私達も今仕事のことで話があってちょっと残ってたんだ!……もう帰るとこだよ!』


『…そうだったんだね。

2人とも気をつけて帰ってね!

ぢゃあ……お疲れ様。』


『おうっ…お疲れっ!』













私はドアを閉めた。


そのあとかすかに声がした。


きっとマズイとかなんとか話してる声だと思う…



だって南ちゃんの胸元のブラウスのボタン、

慌ててしめたのか一段間違えてしめてあったし


大ちゃんのあの慌てぶり。




きっと間違いないよね…

あの2人…………














場所がこの会社内でなんて大胆過ぎるでしょ!…














わたしは椿の待つ駐車場へと小走りで向かった。







椿は駐車場に車を停めて

外の喫煙所でタバコを吸って待っていた。








『よっす。

…なんか遅かったな?』


『椿!

早く車出して行こ!ね!』









わたしは椿の手を取り、車に誘導した。










『ちょっ……

どうしたんだよっ、何かあったの?』


『………うん。

イケないものを見てしまった気持ち………

……そうゆうのわかる?!……』


『えーー

いやっ…まぁわかるっちゃわかるけど

イケないものって……しかも会社内で………

となると……………』


『……………うん…。』


『そうゆう現場を見ちゃったと?』


『………………うん…。

完全に行為を見たわけぢゃないけど、服装がちょっと変だったのと明らかに動揺してたのっ…!』


『わあ………

見たくないねーそーゆー現場。』


『最悪だよ……』


『でも別にすみれに直接的に関係なくネ?』


『………ないこともないよ…………』


『……どゆこと……?

知り合い中の知り合いとか?』








わたしは若干言葉に詰まりながら言った。









『だって…………

…その男…、、あの大ちゃんだったんだよ……』


『………大ちゃんて……

あの………』


『そう……。

あの、紗江子の彼氏の……。』























大ちゃん、それは紗江子の彼氏である


大谷 将斗〔おおたに まさと〕だったのだ




























つづく。


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