これは友達?
『ごめんごめん!』
待った?』
『俺も今さっき着いたとこ。』
拓人さんが海外に行ってしまってから
3ヶ月が経とうとしていた。
わたしはというと、ここ最近休みの日は椿と出掛けるようになっていた。
今日で3回目の2人でお出かけ。
これってデートなのか、、?
紗江子に聞かれた時にわたし自身もよく分からなかったけど、周りから見たらやっぱり〝デート〝に見えるよね?
『俺さー今日好きなショップがあるからソコ行きたいんだよね』
『あっいーね。
椿の洋服っていつもデザイン良いなーって思ってたから行ってみたい!』
『まぢか。
それは喜ぶわー』
『??
えっ喜ぶって誰が??』
『あー
なんでもねっ。』
なんか椿は前とは変わらないような感じだけど
でもちょっと変わったような気がする
雰囲気が柔らかくなった…
みたいな??
『とーちゃーく』
『あっ!
ここのお店、紗江子が前に話してたよ。』
『ふーん。野村さんも知ってたんだ。』
車を駐車場に止めて私達はお店へと入った。
『よっす。』
『おーっ椿久しぶり!
どんくらいぶりだよ?!』
『半年ぶりくらいか?
つかお前こそ忙しそーぢゃん?』
『お陰さまでなー。
椿には負けるけどなっ。』
あれ??この2人友達なんだ??
『…中学の頃からのダチで
柏原 陸〈かしわばら りく〉。で、ここの経営者。
んでこっちが、咲坂 菫。…まー最近よく遊んでる…的な?』
『ちょっとー
よく遊んでる的なって紹介の仕方』
『わりわり。…
他に何て言えば良いか分かんなくてさ。』
『菫ちゃんか!初めまして。
なんか前に会った時、椿から聞いたことあったよな?』
『そーだっけか?』
『まっいーや。
よろしくね!』
『はいっ。こちらこそよろしくお願いします!』
『なにその堅苦しい敬語は!』
『そーだよ。
俺ら全員タメなんだから気楽に話そうよ!ね?』
『えっ…タメだったんだ!
椿より全然大人っぽくてそんな感じしなくて。』
『おまえなー!』
『まぁまぁ。みんな仲良くしよーぜ!』
それから店内の洋服を色々見て椿は何点か買っていた。
わたしも可愛いアクセがあったからそれを購入。
お店の雰囲気は大人カジュアルって感じで
20代30代でもペアで着れるデザインの物も沢山あった。
『椿は良いとして
すみれちゃんまで買ってくれてありがとね。
遊びに来てくれただけでも嬉しいのにさ。』
『なんで俺は良いんだっつーの。』
『だってお前は常連中の常連でいつもの買い物だろっ』
『あいあい、そーですかー』
『また買いに来るねっ!』
椿とわたしは柏原くんに手を振り
駐車場へと向かった。
『柏原くんて、椿と対照的な感じだね!』
『だな。むかしっから周りによく言われてたよ。』
『それがまた良いんだよね、きっと。
何か2人の掛け合い見てたら楽しかったし。』
『そりゃどーも』
『それに…椿の仲良い友達に会わせてもらえて嬉しかったなぁ。』
『なんで??』
『だって椿の事昔から知ってる人とか会って話した事とかなかったし!』
『いや…
それはそーだろ……
そんなん出来る状況ぢゃなかっただろ。』
あっ
そっか
そうだよね……
拓人さんと付き合ってたしそんな時に紹介できるわけないか、、
『……ごめんっ。
わたしっ……』
『謝るなっつーの。
別に気にしてねーし。』
『………うん。』
わたしってほんとバカだ
軽率なこと言ってごめんー……
私達はそのあとランチして
車でドライブをしていた。
『あっ。
確かこの辺りに美味しいパンケーキ屋さんがあるんだよ!』
『おまっ…
今さっき昼食ったばっかぢゃね?』
『あのお店では食べたいデザートなかったから
今からデザートタイムでいいぢゃん!
ね?』
『…いやまぁ、全然良いんだけどさ
普段から結構食うの?量とか』
『うん。食べるほうかな。
仕事の時は食べる時間よりもゆっくりしたい時間を優先するけど、休日は美味しい物とか結構食べるよ!』
『へー。意外だよな。』
『えっなんで??』
『女ってやたら痩せたいだのこれ食ったら太るだの言ってるイメージだからさ。
店の客でも多いよ、そーゆーこと言ってンの。』
『あー。
確かに分かるけどね。これ食べ過ぎかな?とかはやっぱり思うかなぁ。
でもわたしは食べちゃうんだよね。』
『その細さのお前が世の女子にそんなん言ったら
殺されるぞ』
『私だって食べ過ぎたらめちゃくちゃお腹周りとかお肉付くんだよ?!
ホラ、二の腕とかもだいぶプニプニでしょ?』
椿がふざけてわたしの二の腕の内側を指でつまんできた。
わたしは自分で言っておきながら内心恥ずかしくてどーしよーかと思っていた
『おっまぢだ。』
椿は笑って言った。
『ちょっ…ちょっと!
〝まぢだ〝は失礼でしょ!』
『はいはい。
ほら着いたぞー。』
たまにわたしを子供のように扱う時の椿は
同い年には見えない雰囲気になる
急に大人っぽく感じるんだよね
店内に入り店員さんに席へと案内され
メニューを開いた。
『ねー、椿は何にする?』
『んー…』
『ちなみにコレ、どうかな?
甘すぎなそうだし男の人でも抵抗なさそう!』
『ぢゃ、それだな。』
『えっ…
いいの?他になにかあればそれでも…』
『俺はお前が2番目に食いたいと思うやつならなんでもいいよ。
それにシェアして食ってもいいし
なんならすみれが2個とも食ってもいいしさ』
わたしは椿の言うこと1つ1つに
ドキッとしている自分がいた。
まさか…
ね。
そんなわけないよね…
つづく。