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召喚士はロリをうむ  作者: 狸 一郎
9/25

9話 双子の獣人

新たな登場人物です!

楽しんで読んでください!!

 かれこれ何キロ歩いたのだろうか。

 それほど2つ目の森はでか過ぎたのだ。

 そして魔物も上位種が多く、森を通るのに苦戦し、かなりの日数をようしてしまった。


 だが、その中1つの希望を見つけた。


 それは人の気配がする小さな村だ。


 「パパー、村です! 行ってみましょう!」

 「ああ。そうだな、行ってみよう」


 ノゾミは俺の手を取り、村へとかけて行く。

 俺は促されるまま村に近づいていく。

 だが、フェルは余り乗り気ではないという表情をして俺らのあとをついてきた。


 村はとても静かだった。

 誰もいない。そんな雰囲気をかもしだしている。


 だが、俺はこの村に人がいる証拠を見つけた。

 それは匂いだ。


 人がいないのだったら、こんなにいいダシの匂いがしないはずだ。


 それにノゾミもフェルも気付いた。


 「おい! 誰か出てきてくれないか? 俺たちは別にこの村に害を与えようと来たわけではない!」


 何故、俺たちを拒むのか?

 多分その理由は人間への恐怖心だろう。

 それを取り除くことが、この村へ馴染むための課題だろう。


 俺の言葉はこの静かな村に轟くだけで、なんの返答も返ってこない。

 かなり重度の敵対心をもっているのだろう。

 そうなるとここは早く出ていったほうがいいのだろう。

 そんなときだった。


 「お主たち、ここに何しに来たのじゃ!」


 周りの家より一回り大きい家の中から、長老らしき人物が現れた。

 その人は眉間にシワを寄せて近づいてくる。

 だが、3メートルくらいのところで止まってしまう。


 「俺たちはただ、この村に少しの間、泊めてもらえないか頼もうと思ってるだけなんだが……」

 「まだ、信用ならんな!」


 どうしたらこの村の人に信じてもらえるのか。

 多分この警戒の仕方だと信じてもらえないだろう。


 だが、そんな時フェルが俺の一歩前に出た。


 「ワン、ワン、ワンー」


 フェルは何かを伝えようとしているが俺にもわからないし、相手にも……

 その時気づく、彼の頭には獣耳がついていた。


 そう、フェルは自分に近いものを悟って、人間の代わりに伝えているのだ。

 その言葉を聞き、長老らしき人は眉間のシワを和らげだ。


 「本当らしいな。しかもこの狼の信頼度。あなた方はとても良い方たちなのじゃろう」

 「俺達が良い人かどうかはよくわからないが、悪い奴ではないのは確かだ」

 「疑って済まなかった。……皆のもの、もう出てきて良いぞ!」


 長老の一声で、村人たちが一斉に出てくる。

 その人たちは皆、頭に獣耳をつけている。


 「ここは獣人の村なのか?」

 「ああ、ここは群れから少数はぐれた獣人たちで作り上げた小さな村じゃよ」


 確かに人数は少ない。

 だが、俺はこの村を一瞬で気に入ってしまった。

 なぜなら、この村の人たちは全員で家族というオーラが出ているからだ。


 俺はこの数日で家族という大切なコミュニティを知った。

 だから俺はここまで、この村を気に入ってしまったのだろう。


 「お主らは宿を探しているのじゃろ? ならワシの家を使ってくれ。そこなら空き部屋もあるし、お主らの話も聞けるからな」

 「ありがとう長老。じゃあ遠慮なく泊まらせてもらいます」


 俺たちは長老が出てきた家に案内してもらう。


 この村の家はどこも古風な造りで、とても風情があった。

 俺らが泊まる部屋はとても広いとは言えないが、今まで寝ていた地面に比べると、天と地ほどの違いだ。


 「パパ! 私、家に泊まるの初めてなので緊張します!!」


 そういいながらもフェルとゴロゴロとしながら遊んでいる。

 そんな姿がとても愛らしかった。


 そんな時、襖の間から覗いている耳を見つけた。

 俺は近づいて襖を勢いよくドーンと開けた。


 そこにいたのは、赤と青の毛を持つ、性格が正反対そうな獣耳っ子がいた。


 「なんでわかったのよ! 気づかれないように気配を消していたのにー! なんでばれたの!」

 「す、すみません……」


 赤の毛の子は、とても高圧的な態度で、青の子は怯えたようなとても静かな子だった。


 赤の毛の子の特徴は耳がピーンとして、毛がツンツンして短い。

 青の毛の子は耳が垂れていて、髪もサラッとしているが同じようにそんなに長くはなかった。


 俺は彼女の疑問を解いてあげる。


 「簡単なことだよ。君たち二人は風呂上がりだろ」

 「そうだ!」

 「だから石鹸の匂いが強いんだよ」


 まあ、それもあるが、決定的な証拠はフェルの目線だった。

 フェルの察知能力は天性のものだ。それを信じて間違いはない。


 赤の毛の子は、自分の体の匂いを嗅ぐ。

 青の子はまだ、おどおどしている。


 「わかんない!!」

 「す、すみません……」


 彼女たちはまだノゾミより歳は稚そうだった。

 やっぱり子供たちはかわいいなと、頬が綻ぶ。


 「なあ、君たち名前は?」

 「私はコウ!」

 「……アイです」


 赤の子がコウで、青の子がアイ。

 その子達は対を成すような態度をやっぱり示してきた。


 そんな俺達の会話を覗いていたノゾミは俺に近づいてきて、俺の影に隠れる。


 「俺はボウ。そしてこの子はノゾミで、あの狼がフェルだ」

 「ボウか。気に入った。人間ってこんなに面白いやつなんだな!」

 「ボウさん……」

 「ほらノゾミも挨拶してみろ?」


 俺はノゾミの背中を押して、コウとアイの前に出す。

 ノゾミは少し恥ずかしそうにモジモジとしながら自己紹介をする。


 「ノゾミです。よろしくお願いします」


 ノゾミは俺以外の人と話すのが初めてで、緊張しているのだろう。

 そんなモジモジと下を向いているノゾミの手をコウが掴む。


 「ノゾミ! そんなモジモジしてないで遊びにいくぞ!!」

 「えっ!?」

 「だってコウたちは友達でしょ??」


 そう言ってアイの手も掴む。それにアイもびっくりしている。

 ノゾミははじめは戸惑っていたが、直ぐに俺に向けるような笑顔を作る。


 「はい!! よろしくです。コウちゃん、アイちゃん!」


 彼女たちはフェルの元に行き、皆で遊び始める。

 コウはさっきと変わらず、テンション高めで遊んでいたが、アイは戸惑いながらも時折笑顔を見せていた。

 俺は離れたところから彼女達を見守った。


 可愛い彼女たちの姿を見て癒されるキモチもあるが、少しコウとアイに、ノゾミを取られたことに嫉妬してしまう。


 少しして、フェルは疲れたように俺の膝の上に戻ってきて眠る。

 俺はそんなフェルを撫でながら、彼女たちの笑顔を見つめ続けた。

どうだったでしょうか?

コウとアイ。

対を成す二人がこれからどうなっていくのかそれを考えると僕は楽しくていられません!

是非みなさんも楽しんで読んでください!

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