20話 王都への道のり3
俺たちは予定通り馬車に乗ってから2日後に怪鳥の谷という場所についた。その奥にはもう城が見えてきている。
コールが言っていたとおり大きな鳥が空を飛び交っている。
色は白く大きさは人間より何倍も大きい。
「コール、この鳥の種類は何なんだ?」
「これはウィングバードといって、かなりの飛行能力と俊敏性、そして優れた風魔法を持っている厄介なやつだ」
倒すのが難しそうだな。だが、それを想定して作戦はねってきたから大丈夫だろう。
てか、ほんと細い橋だな。人が3人で歩いたらギリギリだな。
「だが、よくこの橋を渡りながら馬車を運んだなー」
「それは私の魔法で運びました」
そうだコールの魔法は物体との位置の入れ替えだ何度も入れ替われば運ぶのは簡単なんだろう。
「じゃあ、その魔法でこの人数運べないのか??」
「多分運ぶことはできるんですが、この人数となると私の魔力では足りないので時間が掛かりますね」
ということは、自力で渡るのが1番良さそうだな。
俺がそんなことを考えていると、ザイはコウを肩車して吊り橋をスタスタと歩いていく。
「ザイ待てよ! そんなガンガン進むなよ!」
「こんな魔法くらいでビビってんじゃねーよ。こんなん躱すの簡単なんだよ」
そう言いながらザイは怪鳥が放った風魔法を簡単に避けていく。四方八方からくる攻撃をいとも簡単に避けていくので俺でもできるのじゃないかと思ってくる。
「ッボウさん!!」
俺はコールの声でギリギリ空からの攻撃に気づき躱すことができたが、地面にあたった魔法で吹き飛ばされるがうまく着地する。
俺はアイを抱えて走り出す。
「フェル、俺への攻撃を防いでくれ! ノゾミは俺が合図したらいつでも攻撃できるようにしてくれ!」
俺の言葉をノゾミは頷き、フェルは吠えて答える。
そして、俺たちは橋の上を走り抜ける。
『ピャァーーー!!』
鳥は鳴き声を上げると一斉に攻撃を仕掛けてくる。
橋の上を走っている俺たちは前に進むことしか回避方法しかない。止まれば人同士がぶつかって事故を起こしてしまう。
「フェル、ノゾミ頼んだ!」
「はい! 《エグスプロージョン!!》」
ノゾミの無属性魔法とフェルの風魔法で鳥たちの処理、魔法の相殺をする。
だが、それを通り抜けてくる攻撃が何個かある。危ない!!
でも俺はそれを想定していた。
右手を怪鳥の放った風魔法に合わせる。
「《付与;風 反転》」
俺の中から魔力が放出され放たれる。
するとその風魔法が放たれた方向に戻っていく。そして鳥を撃破する。
「あともう少しだ! 駆け抜けろ!」
もう、橋を渡りきっていたザイが俺たちに叫ぶ。
俺たちは最後の力を振り絞って走りきる。
そして、ギリギリだったが橋が壊される前に渡りきることができた。
だが、後ろを見るとまだ何人か反対側に取り残されている。
でも、そこに残っている人たちの表情は平然としていた。
俺たち渡りきった組は岩や木の影に隠れて攻撃を回避する。
「コールあいつらどーすんだよ!」
「それなら大丈夫ですよ。1往復くらいなら魔力は大丈夫ですから。皆馬車に入ってください!」
そうか、ひとりひとり運ぶとなると大変だが、馬車の中に入ればたくさんの人を一気に運ぶことができる。
取り残された組はコールの指示通り馬車に乗り込む。
コールは詠唱無しで魔力を一気に放つと馬車と自分との位置を入れ替える。
そして、また魔力を放ち、次は岩と自分との位置を入れ替えて俺たちに合流する。
「ではボウさん御一行を馬車に乗せて旅を続けましょう」
「いいのか俺たちが乗って? 戦力には俺とノゾミとフェルはかなり貢献してると思うんだが」
「それは大丈夫ですよ。ここらへんの魔物は厄介でないですし、よく訓練で使っているので」
「なら、遠慮なく使わせてもらうよ」
俺たちは馬車に乗っていた人たちと入れ替わりで乗り込む。
「あっ! ボウ待て! 少し話がある」
俺は乗り込む途中、少し悩みげのザイに呼び止められる。
そして俺達は歩きながら話すことになり、歩みを進める。
「なぁ、お前の能力は付与魔法だったよな。ならなんであんな芸当ができたんだ?」
「それは俺の付与は『生命がないもの』にしかはたらかないんだ。だから、あーいうのができる。まーどっちかっていうと付与より指示やプログラミングって言ったほうが近いかもしれない」
ザイはそういうのもあるのかと自分の頭を整理していっている。
「じゃあ、石を投げて大爆発しろ! とかはできるのか?」
「いや、それは不可能だ」
俺は道中、色々と実験を繰り返してきていた。
俺の付与の条件はこうだ。
1、『生命がないものにしか使えない」
2、『付与は1つのことしかできない』
3、『実現できものしかできない』
(補足:例えば石に爆発しろとかは無理。石を投げて、その方向を変えることなどは可能)
この3つが俺の魔法での条件だ。もっと探せば細かなことがわかるだろうが、ひとまずこれだけわかっておけば困りはしないだろう。
細かなことは王都についてから調べよう。
もう、王都は間近だ。俺の心臓が高鳴るのを感じた。
これで第一章は終わりです。
次からは王都編です!




