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召喚士はロリをうむ  作者: 狸 一郎
15/25

15話 ノゾミの望み

お久しぶりです!

これからは出来るだけ毎日投稿を目指していきます。

これからもよろしくお願いします!!

 ノゾミとザイはもう何回、剣を鳴らしあったのだろうか?

 それほどの打ち合いをしても倒れていなかった。

 どちらとも体力をかなり使い果たしていたところだった。


 だが、ノゾミとザイには決定的な戦力差がある、

 それは剣士と魔術師というところだった。


 ノゾミは決して接近戦が苦手というわけではない。

 だが、その苦手ではないといっても、本物の剣士を押しのけるほどの力があるわけではない。

 だからここからは距離を取ろうと、ノゾミは一歩引いて、防御に徹する。



 「どうした? 急に逃げ腰になった。もしかして体力切れか?」

 「そんなことないです。これも作戦です。なめないでください! 【ボム】」


 それは無属性魔法でもとても難易度の低い魔法だが、ノゾミほどの力の者になると、かなりの殺傷能力を持っている。

 ザイはノゾミの早い詠唱にも難なく合わせ、回避行動をきちんと組み立て、体を後ろに仰け反るようにして、被害を抑える。

 そして、ザイは彼女の力の強さを指摘する。


 「嬢ちゃんは高速詠唱までできるのか? それって何十年と訓練を積まないと普通はできないはずなんだがな」


 彼は引きつったような笑みを浮かべながら余裕そうな態度を示してくる。

 だが、ノゾミにはわかってしまった。彼が魔法才能には疎いことを……


 そんな時、一筋の光の糸が見える。

 それを手繰り寄せたら何があるのか?


 勝利?

 敗北?

 引き分け?


 そんなの全部否だ。

 その糸の先についているものは


 彼女の父、そのものだから──


 彼女はその糸をしっかりと手繰り寄せながら作戦もきっちりと掴みこんでいく。


 「そろそろ決着といかせてもらいます! 【バイキルト】」


 これは無属性の魔法の中にある唯一の付与魔法だ。

 そこまで威力が上がるとかではない、それに魔力を常時使っていなければいけないのが少し難点だ。

 ノゾミの膨大な魔力を持ってしても、ザイは危険と見なしたので今の今まで温存してきた。

 だが、もう道筋は見えた。それはノゾミの中でとっても可能性が高く、最も父親のそばに近寄る手段だ。


 彼女は気持ちを整え、ザイに突進していく。

 それが彼女の見つけた希望だ。


 「何を血迷ったのか知らないが、そろそろ俺も本領発揮させてもらうぜ! 【剛腕】」


 それは彼の固有能力なのだろう。

 ノゾミは魔力の動きをよく見る。

 彼は魔法才能には優れていないはずなのだが、彼の魔力は腕に集中的に集まる。


 だからこの能力は、無理やり魔力を移動させる能力だと仮定する。

 現に彼の魔力は他のところには必要最低限しか残っていなかった。


 ──だが、彼はそれでも今まで通りの様に立ち向かってくる。


 これが経験なのだ。

 ノゾミは剣にかける力を抜く。


 「そんな剣、軽いわ!」

 「はっ!!」


 二人はまた鍔迫り合いをするが、前のようにはいかなかった。

 ノゾミの剣は彼の後ろに叩き落されてしまう。


 「【ブレイブ】」


 ノゾミは剣をすぐに作り上げ、また彼の胸元へ突っ込んでいく。

 何度も何度も剣を叩き落され、そしてまた作りを繰り返し続けた。


 だが、なんどても結果は同じだった。

 10回目のその流れ作業を済ました途端、ノゾミは膝をついてしまった。

 彼の剣の重さに、手や、踏ん張った膝をやられてしまったのだ。


 そんな彼女の前にたち、ザイは彼女の聞きたくない言葉を告げてくる。


 「なあ、もう一度聞く。俺らと一緒に来ないか? それなら見逃してやるよ」

 「絶対嫌です! でもなんで勝手に勝ちと決めつけてるのですか? 勝ったのは私ですよ?」


 その言葉に彼は焦りを感じ、後ろを振り返ると、鼻先には無属性魔法で作り上げた剣が微かに触れていた。


 「ふふ、まさかだな……」


 彼はそんな光景に笑みを浮かべてしまっていた。


 ノゾミの作戦としてはこうだ。


 ⅰ まず、前提として彼には魔法才能が欠けていた。莫大な魔力が発した時には魔力の存在に気づくことはできるが、普通だと存在を完治するのが難しいと仮定した。


 ⅱ そして、作戦の内容としては、叩き落された剣が使えなくなったと見せるために、何度も何度も剣を作り直して、落ちた剣への意識を惑わせた。


 ⅲ 最後に彼は、私を絶対に殺さない。


 この3つを組み合わせることで、この結果を生み出した。


 だが、ここで引っかかる部分が、3つめの『彼は私を殺さない』だ。


 なぜ、それがわかったか。

 それは彼の言葉だった。

 何度も俺と一緒に行かないか? と聞いてきたのは仲間にしたかったのではないのでは? と疑問を抱いたからだ。


 「なんであなたは、私を殺す気がなかったんですか?」


 彼は図星を付かれたようにビクッという反応を見せる。そのせいで、剣が少し首に刺さる。


 「わかった! 全部話すからこの剣を下ろしてくれ」

 「わかりました」


 ノゾミは剣を消滅させる。

 それによりやっと解放差れた体の凝りをザイは解す。


 「まあ、長い話ってわけじゃないから、あいつ等のとこまであるきながら話そうじゃないか」


 そう言って、ザイは歩き出す。

 ここでやっと気づく。

 この森でとてもつもない魔力が2つも存在することに……


 パパ……


 早く逢いたい、逢いたい、逢いたい……

 そんな願望を彼女は抑えきれなかった。


 彼女は駆け足で、その後をついていく。

いかがでしたか?

今回で、このパートのノゾミ目線は終わりです。

次はやっとボウの決着です!

ご期待ください!

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