14話 覚醒の時
すみません!
これから何回か、ボウとノゾミを行き来します!
わかりにくくてすみません、
俺たちは激しく剣をぶつけ合っていた。
周りに響くのは剣と剣の音だけだ。
俺は右に振り、剣を戻して防御、など、多彩な動きで予想もできない動きをしていくが、彼はあっさりそれを受け流していく。
剣術S、それはとても楽なもので、持った途端、最善な動きが頭の中に浮かび上がってくる。
だが、それでも彼を捉えきれるか定かではない。
ただ今言えることは、彼が剣士ではないと言うことだ。
それはどこから言えたのか、それは彼の使い方は完璧だ。だが、彼には攻める技が無かったのだ。
剣士には魔法使いのように、特殊な技を持っている。
例えば、剣と剣をぶつけ合ったときに相手を跳ね返すとか、剣に力を加えることで攻撃力が高まるとかだ。
だが、彼は何もせず、俺と同じようにただ剣を使うだけだった。
俺は彼との間合いを少し取る。
「あんたも剣士じゃないんだな。それなら俺と互角じゃないか?」
「もってことは、君もやっぱり剣士じゃないんだな? だったらこの勝負は経験の差ってことだな」
彼はそんな言葉を不気味な微笑みを浮かべながら放つ。
そう、この勝負は剣術に対しては、経験というものが、勝敗の要を握る。
ってことはだ。この勝負は彼にあるということにある。
だが、それ以外にも彼には決定的な自身があるのだ。
それは彼の能力ってとこだろう。
まだ、わかっていないが、この軍団の頭領になるほどだ。それほどの力なのだろう。
だから、今俺に見える勝機というのはゼロに近いものだった。
この状況を打破する方法、それは新たに召喚するか、この第二の魔法、付与魔法を完成させるかだ。
だが、どちらも望みが薄い。
だが、この状況を打破するには……
「でも、君、戦えそうにないオーラを出していたのに、案外戦えるじゃないか? さっきまでのことは撤回させてもらうよ。だが、まだ私の思っている強さには届いてないかな?」
「じゃあ届かせてあげますよ? 真の強さはここからだ!」
はったりだけは聞かせておく。
それで相手は少し、俺の能力っているのに警戒してくるだろう。
だが、それは俺も同じだ。
だから俺はその能力の発動の前に殺る!
俺は前へ、前傾姿勢で踏み込む。
それに対して、彼は防御の構えを取る。
チャンスだ!
これによって彼のそばに行くときに余裕ができる。
俺は彼の目の前についたとき、地面にある砂を掴み、彼の顔面に投げる。
それを回避するために彼は剣を振るい、砂を風で退かす。
今だ!
俺は持っている剣を彼に突きつける。
俺の敏捷性、剣術のステータスはかなり高い方だ。
これは殺った! その時だった。
「いやー、それは浅はかな考えだよ」
彼は俺の視界から一瞬で姿を消す。
いや違う、彼が消えたのではなく。俺がずれたのだ。
「何だと!?」
俺は一瞬パニック状態になり、次への反応が遅れる。
俺がコールの攻撃に気づいたときにはもう遅かった。
俺は必死に体をよじってかわそうとするが、彼の剣は俺の腹部を捉えていた。
被害としては軽症だが、血の量が多い。それが服について段々と多くの部分へ広がって行く。
早く決めないと、俺の血が持たねー。
俺は一旦、死にそうなほど痛い腹を抑え、彼から間を取る。
もし、コールの能力が相手と自分との場所を入れ替えることなら、自分と相手との距離が空いてしまえば効果が薄れるだろう。
俺は頭をフル回転させる。
付与魔法。
それは何かに付与させなくては効果を発揮しない。
だがらその効力は、自分にも、仲間にも、魔物にも、相手にも発揮しなかった。
なら何に反応するんだ?
俺のそんな思考の途中、警戒を怠ってしまっていたらしい。
俺は前から来るコールに気づくのが遅れてしまった。
「捉えた!」
彼の言葉が、俺の耳に入るとき、俺はとっさに足を躓かせて転んだ。その行動で彼の攻撃をかわし、俺は、草むらに飛び込む。
くそ、今のでまた傷口が広がってしまった。
このままじゃやばい!
──その時だった。
俺はある仮定を思いついてしまった。
それは、
『この能力は生命にかかるのではなく、それ以外にかかるのでは?』
と。
そして、もう一つわかってしまったことがある。
それは、コールの能力は俺を目視しておかないと使えないということだ。
見えているものとは、場所を交換することができるが、そうでないとできないらしい。
だが、これはあくまでも予測だ。
もし、できるのだったら、何度も場所を交換して、相手の位置を探ればいい。
なのにしてこないということは、俺の予想はかなりの信憑性があるはずだ。
俺はこの希望に全てをかけて、願いを込める。
力よ! 今目覚めろ!
俺は木の影から飛び出し、彼の注意を俺に持ってくる。
「さあ、これからが勝負の始まりだ! さっさと勝負をつけさせてもらう!」
「ふっ! 何か吹っ切れたようだね。ここから私もギアを上げていくことにしよう」
俺たちは互いに剣を握り直し、目の色を変える。
「さぁて、後半戦の開幕だ!」
どうだったでしょうか?
真の能力はまだ、仮定です!
次の話はノゾミパートなので、2日後に公開かな?
よろしくです!