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召喚士はロリをうむ  作者: 狸 一郎
10/25

10話 作戦は……

 「起きてくださいパパ!」


 この可愛らしい声はノゾミ?

 俺はノゾミの声によって起こされる。


 いつの間にか座ったまま寝ていたらしい。

 フェルはいつの間にか起きて、どこかに行ってしまっていた。

 フェルならばある程度の知能があるので大丈夫だろう。


 「おはようノゾミ」

 「おはようございます! じゃなくて、長老様から呼ばれていますよ?」


 その言葉に俺は寝ぼけていた脳のスイッチを切り替える。

 多分、俺のことと、この村のことについての話し合いだろう。


 「わかった。案内してくれ」

 「じゃあコウたちが案内するよ! ねぇアイ?」


 私を頼って感満載のコウと、それに流されて頷かされているアイが案内してくれるようだ。

 俺はノゾミとフェルを呼んで長老の部屋へ向かった。


 今いた部屋から、出て右に曲がって、真っ直ぐ行ったところに長老の部屋はあった。


 「ジーちゃん! ボウたちを連れてきたぞ!」

 「ありがとうコウ、アイ。お前たちはどこか遊んで来なさい」


 長老の優しい声で彼女たちはこの部屋をでて、庭に出て駆け回っていく。


 俺たちは長老の前にひかれた座布団に座る。


 「すまないな、急に呼んでしもうて」

 「別に構いませんよ。で、話はお互いの情報ですよね」


 長老は俺の推測を肯定するように首を立てに振る。

 話すこと、それを頭の中で整理する。

 ──だがここで1つ問題なのは、自分が異世界人で、なぜ追われているのかを隠すことが重要だ。


 「俺はボウ。職業は召喚士だ。で、ノゾミにフェルだ。今俺らはワケあってある村に追われているが、この村には危害が及ばないと思う」

 「そうか。まあ、そのワケについては追求しないでおこう」


 物分りのいい人だ。

 俺は長老に感謝して、彼の話に耳を傾ける。

 彼は少し顔を強張らせて、語り始める。


 「この村は別に人間が嫌いというわけではないのじゃ。ただ、獣人は力が強いということで、奴隷などにうってつけらしい。そのせいで奴隷刈りなどがこの村にやって来ることがあるのじゃ」

 「その場合はどう対処してるんだ?」


 そう、この村にはまだ住民がいる。ってことは連れてかれてないということになるはずだ。


 「どうにか交渉して先送りにしてもらっているが、いつ痺れが切れるかわからない状態じゃ」

 「そいつらはどのくらいの頻度でやってくるんだ?」

 「前までは1ヶ月くらいという頻度だったのじゃが、最近は何日に1回とかのペースになっておる」


 ということは今日現れてもおかしくない状況ということだ。

 滞在させて貰っている以上、何か役にたつことをしたい。


 「じゃあこの村に滞在させてもらっているお礼に、その問題、俺たちに解決させてもらえませんか?」

 「そんなこと。これはワシたちの村の問題じゃ。そんなに気を使わんでも……」

 「いえ、やらしてください。俺にいい考えがあるんです!」


 そう、俺は1つ考えを思い浮かべていた。


 それは、

 俺が奴隷商人を成りすますという作戦だ。


 この作戦が、別に上手く行くとは思っていない。逆に成功する確率はかなり低いだろう。


 だが、この作戦の本領ていうのは、バレることにある。


 まず、真っ先考えなければならないのは村人たちの安全だ。

 だから、俺は成りすまし、相手の敵対心を俺に集めておく。

 そこから戦闘を始めることにより、最大限、村人への被害を減らせるという作戦が本当の作戦だ。


 多分俺ら3人なら、多少人数が多くても十分相手に出来るだろう。


 その俺の作戦を俺以外の人に伝える。


 「それはかなりの無茶な作戦だな。ワシはお主らがどれほどの力を持っているか知っていないから、成功率というのがわからんな」

 「大丈夫だ。俺はともかく、ノゾミとフェルはかなりの力量を持っているからな。だが、この作戦で不安なことは、もし村人の方に敵が行ってしまったらと言う点だ。そこまで俺たちはカバーできないかもしれない」


 そう、俺たちは3人。そして相手の人数はわからないし、人間なのでかなりの知識を持っている。

 この知能、それが厄介な部分だ。魔物とは勝手が違う。


 だが、そんな不安は長老の発言で吹っ飛んだ。


 「大丈夫じゃ。ワシらはこれでも獣人種だ。力だけなら負けんよ。そのくらいは自分で守ってみせる」


 流石だ。

 誇り、それは自分の力の強さを示す糧であり、自分を表す象徴だ。

 こんなに彼らの誇りが強くて安心した。


 「じゃあそこは頼みます」


 俺は立ち上がり、ノゾミを見つめる。

 ノゾミはそのきれいな目を俺に向けてくる。


 「じゃあ、開始だ。作戦名は、獣耳は渡さない、だ!!」

 「はいパパ!!」

今回はどうだったでしょうか?


これからまた、戦闘がはじまっていきます。


楽しみにお待ちください!

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