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■第6話 Side:メイ

■第6話 Side:メイ


 

 

遂に当日になってしまった。

 

 

 

結局あんまり細かい計画を立てずにその日になってしまったけれど、まぁ、

しょうがない。


午前の授業中に、色々考えようと思っていたのだけれど、ぼんやりしてたら昼に

なった。いつも通り、お昼ごはんを食べて紙パックの野菜ジュースをストローで

飲んでいたら何故か突然緊張しだした。 

なんだろう、心臓がバクバクして苦しい。

 

 

ジャージ姿で夏祭りって、いいのかな?

カッコ悪いけど、オオムラ君、イヤじゃないかな?


どうしよう、どうしよう。

今から家に、服、取りに戻ろうか。 早退しようかな。

でも早退なんかしたらお母さんからお祭りに行く許可が下りなくなっちゃう。

今日の部活は休もうか。

でも、休まないのだけが取り柄の私が休むのは、ちょっと。


どうしよう、どうしよう。って思ってたら、なにも解決策はないまま放課後に

なった。

 

 

ぁ、オオムラ君。 やっぱり早い、もうグラウンド来てる。


私が、ボールがいっぱいに入ったバケツをよろよろ持って移動していたら、

『マネ、俺やる、俺!』 そう言って、バケツを受け取ってくれた。

 

 

 

  (やっぱ、やさしい・・・ オオムラ君。)

 

 

 

バケツは任せちゃったので、他の仕事をしようと手に取るとオオムラ君が慌てて

駆けて来る。


『それも俺がやるから!』

他の仕事に手を伸ばすと、『それも俺が!』

 

 

なんだかよく分からなかったけど、今日のオオムラ君はいつにも増して親切で

カッコいい。


なにもする仕事がなくなった私は、ただただそのオオムラ君の姿を眺めていた。

その姿はあまりにカッコよくて、眩しくて、私は目を細めた。

というより、目を瞑った。

 

 

 

 『マネージャー!!!』

 

 

 

そう叫ぶ声が聴こえると同時に、おでこに激痛が走った。


空高く舞い上がったフライが、私に向かって落ちてきた事なんて、オオムラ君の

ことをうっとり考えて目を瞑っていた私は知る由もなく。

 

 

真っ先に駆け付けて私の肩を揺さぶるオオムラ君が、やっぱりカッコよくて、

私はちょっと見惚れてしまったけれど、そう言えばこの後は夏祭りなんだった。


やっぱり、私ってみんなから言われるようにドジっ子なんだな、なんて再確認。

 

 

おでこを冷えピタで冷やされたジャージ姿で待合せ場所に現れる私に、オオムラ

君は驚くだろうか。

まぁ、いいか。

 

 

 

夏祭りは、あと3時間後・・・

 

 


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