■第3話 Side:ソウタ
■第3話 Side:ソウタ
夏祭りのことが頭をグルグルして、もう眩暈がしそうだ。
母ちゃんが更年期で眩暈が云々ゆってたのバカにしてたけど、謝る。ごめん。
眩暈ってツライんだね、母ちゃん。 俺も若年期?障害とか、かもしんない。
どうする?
どうする?俺。
だって、もし行って、もしノコノコと行ったとして、見紛う事無く勘違い
人違いだったとしよう。
死ぬ。
俺、死ぬよ?
死んじゃうよ?
あれ?なんでオオムラが? みたいな半笑い顔向けられたら、俺、即死だよ?
ハズ死するわ。恥ずかしすぎて死ぬわ。
”死因:ハズ死 ” ちょっと、いやかなりダサい。
死因報告書?的なやつに、そう書かれんのかな。
もっと頭良さそうな言い回しになるか。
ならいいか。 いや、いくねーだろ。
でもさ、よく考えろ。ロダン作の俺。
ほんとに俺への手紙だったら、行かなきゃそれは相手の**さん(仮)を傷つけ
ることになる。
逆に、俺じゃなく細マッチョへの手紙でも、靴箱間違ってましたよって教えて
あげなきゃ細マッチョからスルーされたと思って哀しむかもしれない。
それは気の毒だ。
スルーって一番ツラいパターンだって知ってる。
小学4年の時、なんか知らんけど女子を怒らせてクラス全女子から無視されて、
俺、泣きながら家に帰ったことあった。思い出すだけで胸が痛い。
だから、やっぱ、俺は行かねばなるまい。
**さん(仮)の間違いを訂正する為にも。
**さん(仮)の間違いを訂正するのは、夏祭りの夜7時。
部活は6時半頃おわって、それから家に帰って着替えて、その後夏祭りって。
ちょっとタイトなスケジュールだけど、そこら辺どうなってるんだろう。
**さん(仮)はもし帰宅部なら時間的に余裕だろうけど、俺が野球部だって
知らないのかな?
知っててこのハード・スケジューリングだとしたら、かなりのドジっ子だ。
やはりドジっ子恐るべし。
ドラえもんでも準備しとかなきゃ、俺、着替えらんないよ。
青い半月ポケットが無ければ、俺、無理よ? あれ、白だっけポケットは。
助けてー ドラえもーーーん! このままじゃ、俺、ユニフォーム姿で人生初の
夏祭り参戦ってことになります。 もしかして**さん(仮)は、すげえ可愛い
浴衣とかで来てくれちゃうかもしんないのに。
俺、泥で汚れたユニフォームって。
助けてー クリーニング屋さーーーん!
今からじゃ真っ白にするのは厳しいですよね?
今からユニフォームをカッチリとドライクリーニングすんの、今日の午前中まで
に出せば明日の夕方には出来るって、そののぼり。
都市伝説かと思ってたけど信じていいの?
その前に、出したら今日の部活出来ないじゃん。
ダメじゃん。ドライクリーニング。
今後はもう、無意味な頭からのスライディングやめようね、俺。うん。
着替え問題発生、問題継続中、解決方法思いつかず。
続・ロダン作 ”考える俺 ”
夏祭りは、もう明日・・・