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頑張れ!笑顔なPKくん!  作者: ミスタ
8/33

第8話:覚醒

PKとしての始まりがここに

「僕が…P…K…」

俺は人を殺してしまったのか。

「そうだ、君は人殺しだ」

この手で人の命を奪い、

この手で人の人生を奪い、

この手で人のその後を奪い、

この手で人のタマシイを奪い、

この手で…殺、

人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した

人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した

人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した

人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した

人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した人を殺した


なのに、なのに何故なんだろうか。

今、俺の心にあるこの感情は、

心の奥底からわきあがってくるこの感情は、

心のどこかで目覚めを待っていたかのように、

俺がその感情に気付くのを待っていたかのように、

俺がこの手で人を殺すのを待っていたかのように、

ああ、この気持ちは


        タ  ノ  シ  イ  ナ


なぜ、今まで知らなかったのだろうか?


こんな楽しいことがあるなんて


こんな面白いことがあるなんて


こんな気持ちになるなんて


こんなことがあるなんて


こんな場所で


こんな時に


ああ…



    本当にぃ、”殺人プレイヤーキル”っっって、たっのしい~な♪


「どうだい? 

人を殺した感覚は、

恐いかい?

怖いかい?

自分が惨めだと思うかい?

だが君がそいつを殺したのは間違いなく事実なん…」

「ありがとう」

「だよ。 君が殺し、

って今なんていったんだい?

恐怖のあまり自我が保てなくなってそうやって笑っているのかい?」

なにやら勘違いしたセリフを吐いているが今はどうでもいい。

今、心にあるのは感謝と殺人衝動と喜びだけだ。

「なら安心しなよ。

君も同じところへ送ってあげるからさ」

そう言いながらコピーされた銃をこちらに向ける。

それを横目に俺は屈み見知らぬプレイヤーの剣を握りしめる。

「スマイルパワー、それが僕のスキルだ。

僕はそのスキルを使うため戦闘中はずっと作り笑いを浮かべてきた」

「へぇ、だから勝率を上げようとそんな笑みを」

「だけど今は作り笑いじゃない、

本当に楽しくて愉しくてたのしくてタノシクテたまらないんだ。

だからもう一度言おう、ありがとう。

そして僕のために死んでくれ」

俺は言葉を言い終わった瞬間、

ドッペルゲンガーに向かって剣を前に出し突撃する。

もちろんそれを迎撃するまでに何発か体に超高圧水圧銃が撃たれ、

俺のHPは削られていく。

だけどそんなのは微々たる物だ。

確かに俺のHPや防御力は攻略組の中でも最下層に存在するだろう。

準探索組の中でも中ほどにすらいけはしない。

だけど今装備しているのは水属性の深海用ダイバースーツ。

もともと超高圧の水中でこそ真価を発揮する装備だ。

だからこの程度で死にはしない。

だから減っていくではなく削られていくなのだ。

そして剣を刺し、抜き、また刺し、抜き、また刺して、抜いて、刺しては抜いて

なんどもなんどもなんどもなんども

息絶えていようが、断末魔を叫ぼうが、命乞いされようが、

ひたすらに、一心不乱に、

心の中を嬉しさと狂気で埋めながら、

自分と同じ形をしたものを殺した。


 でもモンスターじゃなんか微妙だ。

やっぱり殺すならプレイヤーに限る。


 それには今の攻略組が邪魔だ。

俺には現実世界で殺す実力は無い。

だから俺が満足するまでこの状況デスゲームは続いてもらいたい。

やっぱりそのことも含めてほんと攻略組って邪魔だな。

よし、殺そう。


 そうと決まったならば、それに合わせたスキルを手に入れるか。

さてこれから忙しくなるぞ。

攻略組が今まで集めたスキル習得クエストの情報を確認せねば。

そうして俺はドロップ品を回収し、

剣や死体を片付けて、ホームへと帰っていった。

ちなみに噂は真実であのコールタールのようなものが、

MPを消費する際、代わりに消費されるようになるらしい。

俺はそのときもう一つの噂を、

つまりステータスを確認していなかった。

まあ、早いか遅いかの問題に過ぎないのだが。


 結局ステータスのことを思い出したのは寝る前だった。

タロットにコールタールもどきをあげ、

踊りだしたタロットを殴って落ち着かせ、

今度からは自分でとってこいよと言って、

ドッペルゲンガーがいる場所と能力を教える。

まあ、タロットは格闘家だから、

装備をコピーされて困るということはあまりないはずだ。

コールタールもどきの対価として夕食をおごらせた後、

満腹になって寝に行こうとしたとき、

唐突に思い出した。

「そういえばスキルってどうなってるのかな?」

ホームのベッドの中から這い出て、ステータスとつぶやく。


#人形 男<Lv83<+55>>

Str:420<+280> Vit:42<+280>  Int:42<+0>

Min:42<+280>  Dex:42<+28>   Agi:840<+56> 

MP:42<+0>     Luk:210<+56>

スキル:New死の雰囲気<1>、一方的な攻撃<1>、状態異常発生上昇<10>、隠蔽<10>、

New死の感覚<1>、付与魔法<10>、製作<料理><8>、

New惨殺<1>、製作<薬><7>、New快楽殺人<1>、PK<黒>

装備:武器:無し

   防具:寝間着 防御3


なんじゃこりゃ?

えーとNewってのはなんなんだろうか?

それに<>付けでステータスが異常に上がってる。

もしかしてこれって

プレイヤーを殺せばそのまんまが入ってくるって事か。

なにそのチート、強すぎじゃね。

いや、不可抗力で殺した奴が異常に強くなっているって話は聞かない。

だからコレにはなんか理由があるはずだ。

まあ、その前にスキルのほうをを確認してみよう。


<HR>死の雰囲気 エフェクトより派生。 ダメージに応じて血や内臓が飛び出たりする。

また死が近づくような雰囲気を纏い、カルマレベルの半分以下のレベルの敵ならば、

威圧し恐慌、及び硬直状態にすることが出来る。 本プレイヤーによって

最初に取得されたため一度だけ特典が与えられます。

<取得条件:人型モンスターの内臓を抉り出し、恐怖を与えることにより取得>


<HN>一方的な攻撃 ノックバック効果上昇より派生。 攻撃により相手は硬直及びノックバック、

行動の簡易キャンセルが付与される。 全ての敵対し有効。 全ての攻撃に対し有効。

<取得条件:一方的に100回連続でダメージを与え続ける>


<HN>死の感覚 感覚強化より派生。 戦闘中、五感が強化される。 攻撃した際触感がさらに強化される。 相対している敵の痛覚を強化する。

<取得条件:PK系統を所持していると取得>


<HR>惨殺 連撃強化より派生。 攻撃するごとにダメージが増していく。

また攻撃箇所が治療しづらく、移動によりダメージが発生するようになる。

人の判別が出来なくすることが任意で可能。 相対する敵の痛覚が大幅に強化される。

本プレイヤーによって最初に取得されたため、一度だけ特典が与えられます。

<取得条件:人型を判別不可能になるまで切り刻むと取得>


<HR>快楽殺人 スマイルパワーより派生。 戦闘中笑っているとステータスが

大幅に強化される。 内心からだとさらに強化される。

人型の敵に対し決闘を除きステータスが大幅に上昇される。

笑顔を向けることにより硬直状態を引き起こすことが任意で可能。

死体ならば任意で笑顔にすることが可能。

<取得条件:笑顔で人型の敵を殺すと取得>


PK<黒> PKを行ったものうちより危険な人物にセットされ、次の効果を持つ。

兵士型NPCはあなたの危険さを読み取り逮捕しようと試みる。

一部のモンスターからは共感を得る。

治安系、心眼系等はあなたにたいして何らかの感覚を得る。

プレイヤーを倒した時、心核が破壊されていれば、

カルマレベルとして相手のレベルステータスを取得できる。

このカルマレベルは死ぬ、牢屋に入る、改心する等の行動で消滅する。

相手の持ち物は理由が無い限り全てドロップできる。

改心クエストの難易度は自動的に最大に引き上げられる。

牢屋への入所期間に制限が無くなる。

対プレイヤー戦時ステータス、ダメージなどが上昇する。

モンスターからの共感はカルマレベルに比例する。

カルマレベルのステータスは任意でON・OFF可。

死の系統等の効果を任意でON・OFF可。

<取得条件:以下の条件全てを達成する。

PKを行う、惨殺する、PK技能を複数所持する、PK時罪悪感ゲージに異常なし>


 いいじゃないか。

さあ、俺の時代の始まりだ。



~そのころどこかの城で~

「よくぞ我を倒したな、小さき者よ。

汝のその強さ、その絆、その思い、

その小さな身に入ったものだ。

感服、感服。

ならばついでに我が力も受け継いでゆけ。

並の者なら耐えきれんだろうが、

汝ならば必ずや克服するだろう。

ゆめゆめ悪道に落ちることなかれ。

さらばだ、小さき勇者よ」

「じゃあな、地竜王ベヒモス。

あんたと戦えて私も嬉しかったぜ」

「それはそれは嬉しいことをいってくれる。

だがもう別れの時が来たようだ。

振り返らせてくれるな」

「ああ、あんたは私の心に生き続ける。

振り返らせたりなんかしないさ。

…それで何を託したっていうんだ?

SRスキル竜王の血統<地>。

ステータスを全て10倍にし、

地属性に関するものからダメージを受けず、

任意で竜化する事が出来る。

ありがとな、ベヒモス。

あんたから貰ったこのスキルで、

必ずやみんなをこの世界から解放するんだ」

そういって彼女は小さい体に似合わぬ巨剣を担ぎ、

城から去っていった。

”キャラ紹介”

AU(英沢 優子)

SRスキルを10手に入れた幸運な女の子。

プレイヤーとしても異常なほどの才覚を有しており、

努力しなくてもほとんどの分野で一流となれる天才である。

普通の人とはスペックがかけ離れているが、

仲間や絆、友情をことさらに大切にし、

決して他人を見下したり、見捨てたりしない。

背が低いことがコンプレックスで、

2メートルを超える巨剣を担いでいる。

それで余計に小さく見られているのに気付くのはいつの日か。

始原の魔将スタータイガーをソロ討伐。

それ以降表舞台には出ていない。

現在全プレイヤーの中で最も強い子<レベル897>。

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