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頑張れ!笑顔なPKくん!  作者: ミスタ
4/33

第4話:開幕

はっじめっるよーーーー

 あと、ストーリーを聞くだけか。

「最後に一つ、聞いていってください」

「どうぞお構いなく」

「ありがとう御座います。 それでは」

そういうと目が白く光り、部屋が白い光で塗りつぶされた。


”神々は常に万物の上にいた だがそれは闇の手で覆された

それに反逆したもうものありて 光はともされた

世界は一つとなり そして5つに分けられた

北に秩序と裁きがあり 神々はそこに眠った

西に再生と破壊があり 闇はそこに君臨した

南に怠惰と増殖があり 万物はそこに潜んだ

東に孤独と信念があり 反逆者はそこに幽閉された

中央に光と希望があり なにかがそこに降り立った

あなたが何をするのか どんな物語をつむぐのか

新しい夜明けか 哀しい日没か

困難な自由か 簡単な隷従か

しかしどんなものでも それは世界を変えるもの

あなたがその地に降り立つとき 約束の地は閉ざされる

魔王が永久に眠るとき 約束の場所へといざなわれよう

目を開けよ 敵はそばにいる

手を伸ばせ 希望はそこにある

固く立て 仲間の絆がある限り

 未 来 を そ の 手 に ”


 声が途切れ、しばらくすると視界に色が戻ってくる。


 目の前に広がっていたのはファンタジーの世界だった。

魔法のように不思議であり、それでいて秩序が存在している。

幻想的でありながら、この手に確かな感触を覚える。

いや、確かなというレベルじゃない。

むしろ…痛い。

感動のあまり手を強く握ってしまっていたのだが、結構じんじんとする。

そんなところまで再現しなくてもいいだろうに。

それはともかくタロットを探したいのだが、どこにもプレイヤーがいない。

えーと、とにかく広そうなところに出よう。

しかしいけどもいけどもプレイヤーらしき人に会わない。

困っていると横から出てきた女性キャラにぶつかってしまった。

「「すみませんって、ああNPCか。 つい慣れで謝っちゃった」」

ん? 今この人NPCって言った? そんなメタ発言していいのかな?

仮にもファンタジーなんだからゲーム用語は謹んでほしい。

「<この子、お使い系クエストかな?> ねえキミ。 何か困ってるの?

お姉さんが助けてあげよっか?」

おお、これがお助けキャラというやつか。

困ったときに来てくれるなんていいシステムを組むじゃないか。

見直したぞ、ミラ。

というわけでありがたく使い倒させていただこう。

「ああ、すみません。 ちょっとタロットっていうプレイヤー、

って言ってもわかんないか。 そんな名前の人を「今、プレイヤーって言った?」」

探しているまで言わせずにせりふがさえぎられた。

「は、はい」

「まさかキミって、プレイヤー?」

「もちろん」

もしかして今まで勘違いをしてきたんだろうか?

いままで俺はプレイヤーには頭に体力ゲージやら、タグやら、

最低でもユーザーネームはあると思っていた。

でもそんなしるしなんて一切ないんだとしたら。

もしかしたらタロットにしばらく会えない可能性すらある。

こんな名前の判別どころか、PCとNPCの区別も付かないようじゃ、

くそっ、どうしようもねえじゃねーか。

「ねえ、ここであったのも何かの縁だと思うから、

フレンド登録しとかない?」

何かどうでもいいプレイヤーが迫ってきてるが、そんなことはほっとけばいい。

というのも酷だからここはきっぱり断っておこう。

「ごめんね、最初のフレンド登録はさっきのタロットって人に決めてるの」

「ん? 呼んだか?」

「そうなの。 そのタロットさんに会えるといいね」

そうして通りすがりのプレイヤーは、雑踏の中に紛れ込んでいった。


 しかし思いつかないや、合流する方法。

どうにかして合流しないとな。

一応ログアウトしてリアルで風貌とかを確認した後ならいけるが、

それだと今日はキャラを作っただけで終わってしまう。

それは一介のゲーマーとして断じていやだ。

「お前もっちもチーズさんか? 久しぶりだな」

そんなことを考えてると見知らぬ、いやとっても見知った顔だよ。

「タロットなのか。 会えてよかったよ」

「俺ももっちもチーズさんにあえて良かったぜ。

今、人を待ってるから付き合えねーが今度一緒に飲みにいこーぜ」

どうやら無駄にもちもちしていておいしそうなプレイヤーと勘違いしているらしい。

「だれだよ、そのもちもちしたやつ」

「え、じゃあお前。 誰?」

「人形。 普通はアンノウン」

そしてタロットの顔が驚愕と認識困難がない交ぜになった表情に変化する。

まあ、それも仕方が無い。 なぜなら

「なあ、アンノウン。 何でお前

…ショタになってるんだ?」

見目麗しい美少年<自称>推定年齢七歳になっているからだ。


 確かに俺は姿とかをあまり変えるなといわれた。

だがそれがどうした。 やっちまったもんはしょうがない。

少し動きづらくて人にぶつかったりはしたものの、

しばらくすればなれるだろう。

「確かに俺も銀髪にしたりとかはしている」

ああ、そのせいで始め見たときは分からなかった。

「だがそれはやりすぎだ」

「てへ」

「てへじゃねえ。

…もしかしてスキルも変なのばっかとったりしたんじゃねえだろうな」

「いや、オールランダム」

「ならよし」

基準は分からんが認可はされたらしい。


 そしてその悲劇はその数秒後に起こった。

後に電子の監獄、未来の呪縛、そしてなにより悪意の露出と呼ばれた、

New World ~未来をこの手に~ のデスゲーム化であった。


 それを知ったのは広場に集めさせられたわけでも、GMが出てきたりとかはしていない。

ただ一通、運営からメールが届いただけだった。

俺は突然頭の中から”運営メールが届きました”という声が聞こえた。

「タロット。 メールってどうやって開くんだ? 教えてちょ」

その言葉にもはやあきれ返った口調で返された。

なんだよ、俺はお前と違ってβーテスターじゃないんだよ。

初心者なんだよ、知らないことだらけなんだよ。

「あぁん、ステータスって呟きゃ分かるだろ。 それ便利だから覚えとけ」

言われたとおりステータスと呟くといくつかの欄が広がったので、

その中からメールと言う欄に触れる。

一応初心者ガイドっていう欄もあったから後で見ておこう。

そうすると一件だけメールがあったからそれに触れ、開く。

なんか一件しかないってサ ビ シ イ ナ。

それはともかく内容はっと…。


読んでいく内に大変なことに巻き込まれているのが分かる。

「おい、どうした?」


周りから悲鳴や驚愕、恐怖の声が次々とあがる。

「冗談じゃないわよ」「嘘だろ」「なんなんだよ」「意味ワカンネーシ」「おぅまぃごっど」


「何があったつうんだ?」

「…デスゲーム化した」

「なんだって?」

「このゲームがデスゲーム化した」

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

「このゲームがっっっ、ミラがっっっ、デスゲームになったってことだよぉぉ」

「それじゃあ、もしかして…」

「ああ、そうだよ。 もしかしてじゃなくてもそうだよ」

「ふざけるな、ふざけんなよぉぉ」

「「違うネトゲができねえじゃねーか。

ログインってのは連続でしてこそなんだよ。」」


この二人のゲーマーらしい、そして馬鹿らしい叫びは、

周りの人に「こんな非常時に何考えてんだ?」と思わせ、

事態の沈静化にある程度役立ったという。

”キャラ紹介”

トオリン

ただの通りすがりの女性プレイヤー。

基本的に楽して稼ごうとしか考えていない。

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