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頑張れ!笑顔なPKくん!  作者: ミスタ
30/33

第30話:色欲

ハ ジ マ リ☆

 俺らはレアアイテムを失った悲しみを拭い去り、

戦場から立ち去った。

そして向かった。

恋情咲き乱れる花街へと。

…別にソッチ方面をやりに行くわけじゃない。

大体ああいうことをするより、

普通に殺った方が気持ちいいし。

まあ、魔王がやられたのなら、

他の魔王も狙われる可能性も高いし、

まだ友好的だった色欲の魔王のところに行ってみるだけだ。

ただ…ちょっと頬を赤らめてるタロットは、

置いていった方がいいだろうか?


 だけど何でこうなった?

前回ここに来たときとは違い、

魔王に会いに来たといったら、

別の道を案内されて、

豪華な道に来たはいいものの、

通り道を触手が生えたスライムが塞いでいる。

確かローパーだったっけ?

確かにエロゲーでよく出てくるから、

色欲の魔王の所にいること事態はおかしくないわな。

「だけど、邪魔だ」

退いてもらおう。

通路を完全に塞がれていると、

通れないんだよ。

「ふはっはっはっはっはっは」

なんだよ、

ローパーの癖に子供みたいな声を出してるんじゃなねえよ。

「ここを通りたければ俺の屍を超えていくッス」

よし、

元々魔物を殺すのがプレイヤーだ。

何の遠慮もなく屍にしてやろう。

ローパーというのは、

あっち方面でこそ強いが、

やわらかい触手を切れる攻撃力があれば、

基本的に瞬殺可能な雑魚だ。

それに俺と同じ痛覚を含めた、

感覚上昇系で戦意を無くすのを得意としているから、

俺にとって好都合だ。

俺はスキルで感覚系は遮断できる。

一瞬で終わらせてやるよ。


 そう思っていたのが十分前。

そしてさすが魔王の部屋の番人だと、

敵の強さをかみ締めている今。

俺の記憶では、

数十本ある触手からは、

見るからに気持ち悪そうな液体を出していた。

徹甲弾でさえ無理な勢いで、

まるで壁?そんなのあったのと言わんばかりに、

壁越しに撃たれるビーム射撃。

いや、途切れることが無いから、

もはやレーザー兵器というべきか。

しかも屈折、ホーミング、爆発も思いのまま。

逃げ場のなくなった俺が、

”君と僕だけの世界”を使っては解除することで、

無理やりビームの間隔をつくって何とか生き延びてはいるが、

それも時間の問題だ。

一応反撃として、

スナイが射撃をおこなっているものの、

ATフィールドにしか思えない力場に防がれて、

効果を発揮していない。

えーと、なんですか? あれですか?

体長が3メートルに縮んだ第五使徒か何かですか?

どうやって戦えと?

ロリチート連れて来い。

そうじゃないと戦いにならん。


 少しするとタロットが被弾した。

かすっただけなのだが、

それでも効果はあった様で、

一瞬大きく痙攣した後に、

動かなくなった。

そしてそれに気を取られていると、

俺たちも全員被弾してしまう。


 そして俺たちの冒険は終わった。


 と思ったのだが、

ちょっとした快感が溢れたぐらいで、

特にダメージは無かった。

「もしかして喰らっても大丈夫なのか? これ」

「どうやらそのようだね」

それを見てローパーは慌て始める。

「う、嘘ッス。

そんな事あるわけないッス。

アスモデウス様の体液を混ぜて撃ったビームッス。

無機物ですら興奮して溶ける代物ッス。

どんな不能野朗も女性もイチコロのはずッス。

ありえない、ありえないッス」

ああ、確かに、

インベントリの中に入っている人形やアイテムでさえ、

頬を赤くして悶えていたりするのだから。

なにこの上海、カワイイ。

まあ、愛でる時間は後にしようか。

「違う、違うんだよ。

そもそも前提条件そのものが違ってしまっている」

「何が違うって言うんスか?」

俺たちは興奮をしなかったわけじゃない。

ただ最高ですらない興奮では、

絶頂すらしない。

「「「「たかがその程度の快感が、

殺す快感に勝てると思うな」」」」

まあ、その方程式は、

俺たちのような一部のキチガイにしか、

当てはまらないのだが。


 ビームを撃たないローパーはただのローパーだ。

瞬殺されて溶けていくローパーを踏みつけながら、

俺たちは重厚な扉を開ける。


 そしてすぐに扉を閉める。

「何ですか? ウワァア」

不用意に扉を開けたスナイは俺と同じ運命をたどる。

扉の先は、

あまりにもドきついピンク。

そしてむせ返るほど濃厚な香り。

いまだに頭はクラクラして、

状態異常めまいがステータス欄に記入されている。


 調理用のマスクと作業(PK)のときに使うお面で、

なんとかまともに動けるようになった。

ガスマスクを装備したマッドも行動可能だが、

後の二人は脱落した。

仕方ないのでタロットのそばに寝かせておいた。

「あらぁ、久しぶりねぇ。

もしかして私とイきたいのかしらぁ?

…そんなわけはないわね。

おおかたバアルンの事で来たんでしょ。

一応相手の考えてることぐらいは、

仕事柄分かるしねぇ。

一つ言っておくわぁ。

必要なことはもう既にまとめてある。

受け取りなさい」

言ってる最中に書類アイテムがプレゼントされた。

「本当はぁ、

受け取る代わりに、

私と気持ちよくなりましょ♪

って言うつもりだったのよ。

でもねぇ…もうそんな時間はないわぁ。

後ろに隠し通路があるから、

そこから早く逃げなさぁい。

私は色欲の魔王にして女王よ。

興奮している連中が、

この町に近づいて来るのがよく分かるわぁ。

逃げる時間ぐらいは稼いであげる。

後はそれを読んで、

私の意志を、

バアルンの意志を、

リーちゃんに託してチョウダイ☆

ヨロシク♪」

言い終わった瞬間、

タロットとアッシー<後で聞き出した>、スナイを格納した、

ローパーが俺たちを通路の中へと押し込む。


 俺たちが町から少し離れた場所にある、

小さな池から顔を出したとき、

俺たちをそこまで運んでくれたローパーは、

少しずつ体が消え始めていった。

「もうこの様子じゃアスモデウス様は長くないッスね。

最後にあんたらに会えてよかったッス。

俺の生まれてきた理由を理不尽な強さで蹴散らすことなく、

知恵と力と謎現象で立派に立ち向かってくれたッス。

嬉しかったッス。

あんたたちも、

ちゃんと彼女ができると

い い ッ ス ね~☆」

その言葉を最後にローパーは消えていった。


 その最後の一言はウざいと思う。

”キャラ?紹介”

スーパーローパー

ローパーが色欲の魔王の力を取り込むことで、

いろんな意味で凄まじいビームと、

愛なき攻撃は全て防ぐシールドを手に入れた。

決してATフィールドではない。

若いときにkの色欲の屋敷に来たため、

何故か若者言葉を好む。

ホモは大好物である。

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