第29話:防衛
総合PV10000突破。
感謝感激雨あられ。
ヒヤッフゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!
というわけで始めまーす。
ゴトーです。
床や壁に真っ赤な絨毯がびっしりと敷かれていくこの状況を、
一体どう収めたらいいのかを思考しているゴトーです。
それはさておき、
現在プレイヤーの大群が、
この町に向かって進軍中なのです。
ですが完全に舐めきっている4人を、
全員刺して斬って抉っているご主人様に、
このことを伝えた方がいいのだろうか?
この前タロット様と喧嘩なさっていたご主人を、
お諌めしたところ、
故意にではありませんが、
滅多刺しにされたので、
あまり近づきたくないゴトーです。
かといって言わないわけにもいきませんし。
…どうしましょうか?
~主人公Side~
さて町にプレイヤーが迫っているそうだ。
そんな話を暴れた4人に、
ついでにタロットとゴスとビキーにも正座させようとしていたら、
ゴトーから聞かされた。
「そうかそれならたぶん地下にいたほうがいいと思うんだ」
とある経験からそんなことを言い出す俺。
たぶん今回の予想は外れないだろう。
地下室にいる化物という名のお姫様を見て、
逃げ出そうとする四人を何とか押し込め、
あとはそのときを待つ。
というか、師匠が迎えにきたんじゃなかったの?
帰れよ、今にでも。
だけどそんなことを言ったら喰われる。
思うだけで終わらせておく。
いや、思うだけじゃ駄目だ。
家畜の安寧は要らない。
というわけで4人を前に押し出し、
生贄にして懐柔を試みる。
もちろん四人は抵抗する。
タロットと執事達は、
それを見てなんだか馬鹿にしているような気がした。
後から聞いてみたら、
小さい男の子が大人にじゃれているように見えて、
とても滑稽だった<笑>そうだ。
そんな風に地下でじゃれあっていたら、
地上で一陣の風が吹いた。
恐る恐る顔を出すと、
いろんなものが消えていた。
100年以上前におきた第二次戦争では、
一つの爆弾で町が滅んだそうだ。
今俺の目の前に広がる光景もそうだ。
ひざの高さより高いものは、
生物だろうが、城だろうが、
植物だろうが、悪魔だろうが、
ごく一部を除いて消え去っていた。
ごく一部というのは、
ズタぼろになったバアル様、
地下から這い出てきた俺たち、
プレイヤー諸君、
運のよかった悪魔達、
そして…、
城よりでかい剣。
あくまでイメージだ。
対比するのにふさわしいものが無い。
ちなみに城よりでかいのは間違いない。
だってねえ。
どんな城だって、
雲を突き破ってはいないでしょう。
そんな城なんて聞いたことが無い。
山と比べてどうかといったら、
富士山みたいに雲を突き抜ける山も、
数多く存在するからなんともいえない。
そんな剣が点を衝くように立っている。
この位置からじゃプレイヤーが小さすぎて、
判別は困難を極めるが、
あんなものを装備できるキチガイなんて一人しかいない。
AUだ。
さてバアル様を殺されたら、
パーティーの野菜成分が激減してしまうため、
なんとしてでも阻止しなくてはいけない。
俺たちは急いで駆け出す…ことはせず、
準備を整えてからビキーにのって、
タイミングを見計らって突撃した。
ただの特攻は馬鹿のやることだからね。
そして魔王軍とプレイヤー軍は、
俺たちが突入すると同時に、
乱戦状態になった。
ちなみに俺たちの中には、
例のお姫様も含まれていたりする。
ビキーに乗る際に後ろに座られ、
本当にビビッた。
排泄行為が再現されてなくて本当によかった。
そのかわり四人の中で、
狙撃専門とかって主張したスナイは置いてきた。
俺は突入した直後に、
適当なプレイヤーに”君と僕だけの世界”を使う。
理由はなんだか危ない気がしたからだ。
もちろんおれに危機察知スキルはない。
だけど走馬灯がはしったら、
それはピンチだということを示しているんじゃないだろうか?
哀れなそいつを適当に、
内臓を掻き出す感じで惨殺して、
その後に解除したら、
悪魔もプレイヤーも、
なんか違うものになっていた。
腐敗? 違う。
狂化? 違う。
暴走? 違う。
混乱? 違う。
猛毒? それもなんか違う。
今まで見たことも聞いたこともない、
他人を食い、
自分を傷つけ、
腕とかが泡立ち、
我先にと襲い掛かる。
「えーと、説明書には、
某ハザードゲームをとことん再現してみたそうです。
あっ、これ予防薬です」
確かマッドだったかな?
そんな感じの奴が俺の口の中に、
変な薬品を押し込んだ。
その薬品を嚥下したころには少し落ち着いた。
つまり俺の惨劇の夜の上位版って所かな?
しかし状態異常回復薬は効くみたいで、
なんともない奴が大多数を占めている。
しかし大丈夫な奴らだけを狙いすまして、
頭に銃弾が撃ちこまれる。
撃ちこまれた奴は、
次第にあたった部分から、
ポリゴンが剥がれるように、
ぼろぼろと落ちていく。
だけど少したったら、
高速移動しているアカベエに銃弾を全て斬られ、
効果をなくしていた。
だけどスナイはまだいいほうだ。
レベルが低く、
前準備が一切出来ない状況という、
罠師にとっては極悪な状況に放り込まれたトラップは、
流れ弾を受けあっさり死んでいた。
まあどうでもいいか。
だけど罠はいくつか作っていたようで、
時たま思い出したかのように、
棘に串刺しにされたり、
木っ端微塵になっている奴がいた。
何も情報を出さなかった、
四人の代表は、
アカベエよりさらに高速で動いて、
首を掻っ捌いていた。
傍目から見ると、
いきなりいろんなところで、
首から血を吹いて倒れる人がいるぐらいしか分からない。
一度だけ目が合った俺に、
首を掻っ切りながらサムズアップしてたから、
何とか分かったようなものだ。
俺やタロットも負けずに、
ゴトーたちの攻撃の一部に見せかける形で、
次々とプレイヤー達を屠っていく。
プレイヤーの人数は多かったが、
その分攻略組の割合が少なかったようで、
何とかばれずに狩り続けられた。
しかしそんな俺たちの努力むなしく、
脳内にアナウンスが響き渡った。
”暴食の魔王バアルが討伐されました。
これにより傲慢の魔王ルシフェルの城が開放されます。
これにより一部のクエストが解放されます。
これにより一部のモンスターが解放されます。
これにより一部の魔族が消滅いたします。”
そして数ヶ月間、
共にプレイヤーを殺し、
共にNPCも殺し、
共に料理を食べ、
共に笑いあい、
共に出かけ、
共に寝た、
ゴトーはどうでもいいけど、
ゴトーに持たせたまんまの、
金とか、アイテムとか、食材とかが消滅した。
ふざけるなよ。
あのアイテムのドロップ率めっちゃ低いんだぞ。
物欲センサーに阻まれながら、
頑張って取ったんだぞ。
返せよ。
アイテムとかを。
従者が消えたらせめてその場にドロップするか、
俺のインベントリに転送しろよ。
何で一緒に消えるんだよ。
”ステータス比較”
ネタばれになってしまうため、
開戦前のステータスを比較。
<>=カルマレベルで上がった数値
《》=ステータス上昇系で補正された数値
#人形 男<109<+4499>>
Str:550<+12000>Vit:55<+8000>
Int:55<+12000>Min:55<+4000>
Dex:55<+34000> Agi:1100<+8000>
MP:55<+8000> Luk:275<+4000>
#AU 女<9999>
Str:25000《974999》Vit:25000《974999》
Int:25000《974999》Min:25000《974999》
Dex:25000《974999》Agi:25000《974999》
MP:25000《974999》Luk:25000《974999》
何このステータス?
ただしノーチート。
途中で必要経験値激減と取得経験値激増、
モンスタードロップ率が、
常にモンスターハウス状態になるスキルをつけて、
レアモンスターを虐殺した結果です。
《》の補正は本来ならステータス上昇系は、
一人で独占せず、
いろんな人に分配され、
ここまでは上がらないはずだったのに、
未踏地をソロ狩りし続けた馬鹿がいたせいでこんな結果に。




