第27話:報酬
始めないとどうなるの?
さて、第二の拠点は確保できた。
そして集団に入った見返りとして、
あいつらが生け捕りにしたプレイヤーも十人、手に入った。
まあ、最初はPK集団を潰して、
その上でこいつらもやろうかなって思ったけど、
ちょいと数が多すぎて断念した。
俺のスキルはあくまでも対個人や、撹乱用の奴だからな。
対多数戦は苦手なのさ。
だからインテリの提案である、
我がPK集団に加入してくれたら、
活きのいいプレイヤーを10人提供するってやつに
ノリで承諾しちゃったってわけだよ。
別にそのまま逃げてもよかったんだけどさ。
こんな契約を結んだせいで、
さっきまでのよく分からない出来事がおこっちゃったわけだ。
さてと、それじゃあこいつらを解体しますか!
今は微妙にストレスが溜まっているから、
食材は取らずにそのまま殺していこう。
装備を人形からナイフに切り替えながらそう思った。
少ししたら用意が出来からゴトーに合図を出す。
「ゴトー、一人解放して」
「かしこまりました」
もちろん解放された奴は逃げ出そうとする。
だけど俺はすかさず”君と僕だけの世界”を使用する。
せっかくだから一人ずつ殺し方を変えてみようかな?
あんな思いをしてまで君たちを買ったんだ。
だから君たちには、俺を愉しませる義務がある。
それに君たちは食材じゃないから、感謝はしない。
ただ殺すだけだ。
まず一人目はスキルのほとんどを発動させてみよう
それから足の指を一本ずつ切り落とす。
10本全部切り終わると、腐っていくので、
その進行スピードより少し上のあたりを、
5cmくらいの間隔で切り刻んでいく。
そうすると右足と左足で進行度が違ったから、
いったん腰のところで切り落とし、
今度は手にも同じことをする。
やっぱり右腕と左腕で進行度が違ってくるから、
肩をいったん切り離す。
そしてダルマになったところで、
下から豪快に切り刻む。
作業が終わったころには、
骨付きのステーキがごろごろと転がっていた。
確かこういうのって陵遅刑っていうんだっけ?
二人目は腐らせたりはしないようにしよう。
目や鼻、舌とかをもぎ取って、
鼓膜を引っ張り出しておく。
そしてすかさず人体おままごとセットに装備を切り替え、
ピーラーで表皮を丁寧に削り取っていく。
そうすると理科室の人体模型のような感じになったので、
ぴくぴくと動いている筋肉を力任せに引きちぎってみる。
準備が大変だけどこれは楽しい。
三人目は装備を戻した後、
ぶら下げて適当に切り刻んでみようかな。
いや、適当なのはさっきやったから、
ここは解体でもしてみようか。
結果骨と内臓が綺麗に並べられた。
四人目はどうしようか。
うつ伏せにさせて背中に模様を描いてみた。
すぐに赤く染まって見辛くなったので、
ナイフを何度も刺して殺した。
五人目は腸を引きずり出して、
本体を引きずってまわろうと思ったけど、
どこかで引っかかったのか、
内臓が出てくるばかりで引けなかった。
残念。
六人目は潰した。
まずは耳や指、目みたいな柔らかいところを、
次に掌や、足の甲などに続いて、
最後に頭を勢いよく踏みつけて潰した。
足が汚れた。
後で洗っておかないと。
七人目は無駄に上がった器用値を生かして、
神経や血管をを上手く抉り出してみた。
最初は何本か切れたけれど、
やっているうちに上手くなっていった。
八人目はレベルが低く耐久値があまり無かったので、
絞ってみた。
いやあ、これは現実では出来ないからね。
腕とかを雑巾みたいに絞ったって痛いだけで、
こんな風に血とかが溢れてはこないもの。
耳とかをひねったりして遊んでいると、
そのうち悲鳴が途絶えた。
九人目は磨り潰した。
手とかをしっかりと握って、
ざらざらの地面に強く押し当てて、
そのままこすり続けると、
次第に削れていくのが分かる。
こんどゴトーに低空飛行してもらって、
ぶら下げたら同じ結果になるかな?
最後の一人も低レベルプレイヤーだった。
だから目の前に座って、
顔を合わせながら、
体を少しずつ摘まんで千切ってみた。
最初そのプレイヤーは、
罵詈雑言を浴びせかけてきたけど、
次第に命乞いに変わって、
僕を愉しませてくれた。
ふぅ、これで使い切っちゃった。
今回の報酬。
「さあてゴトー、帰ろうか」
「かしこまりました」
ゴトーはうなずくと、
俺を抱えて拠点へと戻っていった。
ちなみに後から知ったのだが、
それを見ていたプレイヤーがいたらしい。
さあて今回ピザだけは余ってるから、
それを食べようかな。
「タロット、晩御飯の準備が出来たよ。
おいで~」
…返事が無い。
ただの屍のようだ。
じゃなくて今留守なのかな?
そう思ったときにドアが開く音がする。
「おお、人形。
帰ってたのか」
噂をすれば影とやら。
ところで一つ疑問に思う。
「なあ、タロット」
「なんだ」
「後ろの人はお前の知り合いか?」
「いや」
タロットの後ろに4つの人影があるのだ。
ここの連中なら誰かの家を訪ねるときに、
食べ物を持ってこない奴はいない。
だけどそれらしきものは無い。
だとしたら部外者かな?
それに後ろにいる程度で、
タロットの感知能力を上回るほどの奴だ。
それなりの強さはあると見て間違いないだろう。
「じゃあ、殺していいのかな」
「「「「待って」」」」
なんだ、
声を聞いて思い出した。
さっきまでいた城で、
俺に挨拶して来た連中じゃないか。
一体何の用だろうか?
一応応接間に通してあげた。
俺は命乞いをしたりする奴ら以外には優しいのだ。
もちろん戯言だけど。
「で、何の用?」
一応用件だけは聞いてあげよう。
気に入らなかったら殺そう。
家の中だったらピースエリアを無効化できる俺が、
圧倒的に有利だ。
四人の中で一番背の低い少年が一歩進み出る。
「では代表して僕が用件を。
単刀直入に申し上げます。
どうか我らの盟主になって下さい」
「だが断る」
「「「「そんな」」」」
何だその盟主って?
誰がそんな面倒なものになるっていうんだか。
もともとこっちは裏方専門だというのに。
俺のコミュ障を舐めるなよ。
「だがその程度であきらめる僕ではない。
さあ!
これをご覧ください」
さあ、の部分までは勢いがあったのに、
次の瞬間へりくだった。
ナイフをちらつかせたせいだろうか。
それで何が書いてあると。
…よし分かった。
「盟主になってあげよう」
仕方が無い。
これはどうしようもない。
師匠に
”拒否権は無いので一緒に行動するのです”
って書かれたら、
怖くて拒否できないじゃないか。
「なあ、もしかして君たちも?」
「「「「ゴメンナサイ、
あのお方の話題は我々の中ではタブーです」」」」
その一言で顔を青くする四人。
共感する俺。
一人意味が分からないタロット。
こうして俺の拠点には新しく四人のメンバーが増えた。
”キャラ紹介”
…は今回ありません。
作者からのメッセージです。
ここまでの話を読んでいただきありがとう御座います。
今回仲間がタロットや執事達だけだと、
対処しきれない出来事が起こるかもしれないので、
メンバーを増やしてみました。
扱いに困ったら適当に殺して間引きしますので、
キャラが多くて困るということはありません。




