表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デスゲームからの異世界へ(仮)  作者: ていてい
第一章 王国騒乱編
9/9

第九話 王族

遅くなり、すみません!

中々、思い通りに書けない……。

自然に人との出会いを書くのって難しいですね(笑)

ご指摘などがございましたら、どんどん言って下さい。



10000PV達成!皆さんに本当感謝です!





最後のオーガを斬り伏せ、双刀を仕舞おうとしたが、血が付いて汚れているのに気が付き、止める。ステータスを開き、アイテムストレージから適当に布を取り出すと、血を丁寧に拭き取った。自分の身体にも血が付着しているが、とても布で拭いきれる物ではなかったので、取り敢えず無視し、双刀を背中に収めた。


オーガの死体を見る。オーガの死体は光の粒とはならず、オブジェクトの様に地面に横たわっていた。血が大量に吹き出しており、地面を赤黒く染めている。


何も感じない。オーガの死体を見て、特別何かを感じたりはしなかった。生き物の命を奪ったというのに、罪悪感に囚われる事もなければ、吐き気を催す事もない。


何故だろう?昔は道端で死んでいる猫を見て、自分が殺した訳でも無いのに罪悪感で胸がいっぱいだった。それが今、感じない、感じられない。それは相手がモンスターだからだろうか?《ディヤヴォルオンライン》でモンスターを沢山殺してきたからだろうか?騎士達を助けるためにはしょうがなかったからだろうか?



それとも、俺が人殺しだからだろうか?



ふと、気付くと、騎士達が俺の方へと近づいてきた。


「どなたか存じませんが、助かりました。御礼を申し上げます」


そう言って騎士の1人が兜を脱ぐ。中は金髪に顔は30代くらいの男だった。


「いえ、ここにはちょうど通り掛かっただけですから、気にしないで下さい」


そう言って、他の騎士達にも目を向ける。彼らも兜を外し、こちらを見ていた。しかし、その目は決して好意的ではない。


なんか警戒されている気がする。まぁ、得体の知れない男が突然現れたのだから、気にするのも分かるが、仮にも助けたんだから、もう少し視線には気を使って欲しい。


男は騎士達の方を向くと腕を振った。それを合図に騎士達は馬車の方へと戻って行く。


「不快に思われたのなら、すみません………こちらが助けて頂いたのにも関わらず」


申し訳なさそうに男が謝る。俺はそれに首を振った。


「いえ、大丈夫です」


確かに不快には思ったが、それだけで腹は立たない。前までは、あんな視線を向けられる事は何回もあった。今更それにどうこう言うつもりはない。


「それで、あれはどうしましょうか?」


男がオーガの死体を見る。


どうしましょうか?って言われてもな…………どうするか。


《ディヤヴォルオンライン》の頃はモンスターはHPが0になれば、光の粒となって散っていた。けれど、ここではそうじゃない。斬り裂けば血が飛び散るし、死ねば死体も残る。素材だって勝手にドロップするわけじゃない。直接剥ぎ取らなければならない。どうする、とは恐らくそういう事なんだろうが、俺は剥ぎ取りの仕方なんて分からない。


「宜しければ、私どもで剥ぎ取りますが」


偶々か、顔に出ていたのか、男が苦笑する。剥ぎ取りなんて分からないし、ここはお任せしよう。


「それじゃぁ……お願いします」

「分かりました……おい!オーガの死体から素材を剥ぎ取れ!あと、討伐証明の耳も取っとけ!」


男がそう言うと、二人の騎士がオーガの死体を解体し始めた。


「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私は王国直属近衛隊隊長マルクと申します。この度はお助け頂きありがとうございました」


男……マルクは俺に向き直ると、胸に手を当てた。


王国の近衛兵の隊長か……。とすると、まさかあの馬車に乗っているのは王族か!?これはいきなり、とんでもない大物を当ててしまったかもしれない。


「俺は………カズヤです。さっきも言いましたが、ここには通り掛かっただけなので、お気になさらないで下さい……それと、敬語も止して下さい」

「……分かった。そう言って貰えると助かる。正直言って敬語って苦手なんだよなー……あ!カズヤも俺に敬語とか無しでいいぜ」

「は、はい…」


お…おぅ……いきなりフレンドリーになったなマルクさん。いや、確かに俺がお願いした事だけど、それでいいのか近衛兵隊長。



「ま、マリーナ様!?馬車をお降りになってはいけません!」


突然、馬車の方から大声が上がる。見ると、馬車から出ようとしている少女を騎士が食い止めていた。しかし、少女は騎士に何か言うと、すごすごと騎士は後ろに下がっていった。


少女はゆっくりとこちらに歩いてくる。よく見れば、かなり綺麗な装飾品を沢山身につけている。まさか………。


「マルク、私達を助けて下さった方は何処にいらっしゃるの?」

「姫様、こいつです」


バンッと俺の肩を叩く。いてぇーよ。


「まぁ!この方が!私、オーガを倒したと聞きましたから、もう少し大きな方を想像しておりましたけど……あ、失礼しました。決して貴方が小さいと言っている訳ではないのですよ?ただ、少しばかり驚いただけなのです!」

「は、はぁ……」

「あぁ……申し遅れました。私、王国第一王女マリーナ=ダンテルテと申します。先程は助けて頂き、ありがとうございました」


………王族とは思っていたが、やはり王女だったか。しかもちょうど、俺と同じくらいの歳だろうか?それにしても流石は王女、美人だ。ただし、胸は………うん、惜しい。残念だ。


「何か失礼な事を考えてませんか?」


しまった!つい目線が………。


「い、いえ。えっと……俺…じゃなくて、私はカズヤと言います。助けた事に関しては偶然通り掛かっただけですので、お気になさらないで下さい」


取り敢えず、無礼にならない様に丁寧に答えると、王女はニコリと微笑んだ。


「私からも礼をいうぞ、カズヤ殿」

「あら、お父様」


馬車からもう1人、40代くらいの男性が出てくる。お父様……と言う事はつまり、国王だろう。


「国王様にそう仰って頂けるとは、ありがたき幸せ」

「そう畏るな、カズヤ殿。貴殿は我が命の恩人だ」


そう言って国王は笑う。


「さて、カズヤ殿。良かったら私達と共に王宮に来てくれんか?改めて礼がしたい」


王宮……か。どうする?今、俺はこちらに来たばかりで、右も左も分からない状態だ。この話に乗る手はないだろう。しかし、この手の展開は必ず、面倒事が付き物だと言うのが相場だ。出来る限り面倒事は避けたい。が、この機会を逃したら二度はないかも知れない。ここは一つ乗っかるとしよう。それに国王の礼を断るわけにもいかない。


「是非」


俺の応えに国王は満足そうに頷くと、騎士達を呼び寄せる。


「お前、一足早く王宮に行って謁見の準備をさせろ」


騎士は頷くと、駿馬に乗り、先に走って行った。


「さて、私達もゆっくりと戻ろう。カズヤ殿も馬車に乗りなされ………とその前に、血を流さなければな」


国王の言葉に頷き、俺は近くをマルクに教えて貰うと、川で血を綺麗に流す。戻った頃には、オーガの処理の方も片付いており、俺は馬車に乗ると、ゆらりと揺られながら、王宮を目指した。






誤字脱字などありましたら、報告をお願いします


あと、評価や感想などをして頂けるとは嬉しいです!


次の更新は明日です

更新が不安定ですみませんm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ