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デスゲームからの異世界へ(仮)  作者: ていてい
序章 デスゲームからの異世界へ
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第四話 戦闘開始

ようやく戦闘が始まる!






中は真っ暗だった。俺は《スキル:暗視》を使う。すると、奥に巨大な人影が見えた。


「ココマデヨクキタナ、プレイヤーショクン。ワタシガ、マオウ、ダ。シッテイルトオモウガ、ワタシヲタオセバ、ゲームハクリアダ。サァ、ショクンノチカラヲ、ミセテモラオウ」


周りが明るくなり、姿を現したのは、巨大な人型のモンスター。三メートル近くあるだろうその巨体、足は馬の様な蹄があり、腕はゴリラの様に太く毛深い。頭には角が生え、目が赤く光っている。そして、視界の端に《Name:魔王》と表示されてあった。


やはりこいつが魔王。そして、こいつを倒せば………と、突然魔王が咆哮する。体を大きく仰け反らせ、カッと目を開いた。


ブレスか!?


「横に飛べ!」


ソレイユが大声で叫び、横に飛ぶ。俺達もすかさず横に飛んだ。それと同時に何かが横を通り過ぎた。後ろを振り向けば、逃げ損なった数人のプレイヤーが倒れていた。倒れたプレイヤーは立ち上がろうとして…………光の粒となって散った。


「っ!?………」


驚くしかなかった。


上位プレイヤーがたった一撃で……。今ので一体何人が死んだんだ……?


「嘘だろ……冗談じゃねぇーぜ」


隣にいたレインが乾いた笑みを浮かべる。他のプレイヤーも某然と光の粒が消えて行くのを見ていた。


「余所を見をするな!!」


その声にハッと気付いて再び振り返る。目の前には魔王が腕を振り上げていた。


しまった!間に合わな……っ


「カズヤ危ねぇ!」


ドンッとレインに突き飛ばされる。数メートル吹っ飛ばされた俺は慌てて受身を取り、顔を上げる。俺に当たる筈の魔王の拳はレインの身体を吹き飛ばした、


「レインッ!!」


俺がそう叫んだ時には、レインは宙高く飛んでいた。受け身も取れずにガシャン!と大きな音をたてて地面に激突する。


「レイン!!」


俺はレインの元に駆け寄り、ポーションの蓋を開ける。それをレインの口に持っていこうとしたが、レインはそれを止めた。


「ッ!!……」

「どうやらここ迄みてぇーだ………ありがとうカズヤ。お前と会えて良かったよ……。絶対、勝てよな……約束だかんなっ……じゃねぇーと、承知しねぇーから…な……」

レインの身体が不自然にブレて、その瞬間光の粒となって消えた。


嘘だ……嘘だろ……レイン。


「嘘だろ!レイン!!」


俺は必死に戦友の名を呼ぶが、応えは一向に帰ってこない。レインは俺を守るために死んだ。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」


なんで!?何故俺を助けて死んだんだレイン!魔王……許さねぇ…許さねぇ…絶対に許さねぇ!!


「マオオォォォォォ!!」


俺は武器を抜くと《スキル:オーバードライブ》を発動させた。手にもつ二本の剣、双刀が青色に光る。


「うおぉぉぉぉぉ!!!」


システムアシストが俺の体を加速させ、吸い込まれる様に双刀が魔王を切り裂く。魔王に赤色のダメージエフェクトがはしり、魔王は少し横によろめいた。


「はあぁぁ!!」


魔王の後ろに素早く回り込み、《スキル:スラッシュ》を発動させた。システムアシストによる素早い四連撃が魔王の背中を切り裂く。しかし、横から魔王の裏拳が飛んでくる。俺はかろうじてそれを剣で防ぐが、スキル発動後で態勢が整わず吹き飛ばされる。


「くっ……」


慌てて態勢を立て直し、HPバーを見ると三割程減っていた。直撃を避けてこれならば、マトモに喰らったら、まずかったかもしれない。


「そこの少年は一旦下がれ!一班、二班は注意を引きつけろ!三班、四班は攻撃!五班、六班は遊撃!七班、八班は待機だ!」


ソレイユが指示を出し、硬直の解けたプレイヤー達は行動を開始する。ソレイユは俺に目を向けると、すぐにまた指示を出すためか前を向いた。


「無茶しすぎよ!」


カナデが隣まで来てポーションを渡して来る。それを一気に流し込むと、体が楽になるのを感じた。HPバーも元通りになっている。


「馬鹿野郎が…死ぬつもりかカズヤ」

「シル……でも、レインが……」

「分かってる…そんな事は分かってるさ……俺だって仲間を殺されて腸が煮えくり返ってるんだ」


魔王を睨み突け、堪える様にシルの拳がグッと強く握り締められる。


「……でもな、カズヤ。俺達は街にいる何千人という命を背負ってここに来ている。勿論、死んでいった奴らの魂も……だから、俺達は絶対にこの戦いに勝たなくちゃならない。そのためには…みんなの……それこそ、魔王を倒すなんて、ここにいる全員の力が必要だ。だから、焦るな。生きて……帰るんだろ?」

わかってる、わかってたさ。けど、レインが死んだと思ったら、気が付けば俺は魔王に突っ込んでいた。けど………。


「シル………あぁ、そうだな」


そうだ。俺が1人で突っ走っても魔王には勝てない。皆の力が必要だ。それに約束したんだ、レインと。絶対に勝つと。


「そろそろ行けるか?カズヤ」

「あぁ……」


魔王を見る。魔王は強い。その力でプレイヤーをいとも簡単に吹き飛ばして行く。けど、こっちだって負けちゃいない。魔王のHPバーは既に四割程なくなっている。


「行くぞ!」


地面を踏み込み、俺達は魔王に攻撃を仕掛ける。


レイン……俺もお前と出会えて良かったよ。

だから………必ず、勝つ!!






一時間後に次話を投稿します

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