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ストッパーと言われている空さんが来てから穏やかな日が続いている。表にも出勤している幸一さんから聞く話では色々と有るらしいが概ね平和だとか。
一族の守り強化しながらも他の一族と手を組んで居るので、ある程度は安心しても良いんじゃない?と言うのが彼女の言い分である。
その言葉通り、たまに一族の保養地に行って英気を養っている者もいる。弱小一族が。とか言われ無くなったと喜んで居る分家も居るので私の幼少期とは違った時間をこの子は過ごせるだろう。
最近、元気の無い奥勤めのドクターにどうしたの?と聞くとすこし困った顔をしてから「そう見えますか?」と聞かれたので頷くと。ため息をついてから情けないと項垂れている。
「うちの母が死にましてね。大往生の90歳ですから仕方がないと判っているんですが、逝く前にどうしても猫さんに会いたいと言いましてね。今は大事なときだからと言い聞かせていたんですが・・・」
「猫さんにと友達だったの?」
「ええ。同じ末端分家ですから交流が合ったらしく私の子供の頃は良く警護の穴を見つけては遊びに行ってましたよ。母に言わせるとザルと言うか枠な警備体制。だったみたいで、来たときにちょくちょく罠を掛けて居ました」懐かしそうに話してくれる目には涙が浮かんでいる。後悔を感じているのであろう。
「まだ元気な時に連れて来れば良かった。猫さんに子が出来たと聞いて自分の事のように喜んで居たのに・・・」
シンミリしながらも駄目ですね。患者に迷惑を掛けてしまっては、母に叱られてしまう。そう言いながら退室しようと席を立つドクターに声をかけたのは蛇さん。
珍しいことも在るんだな〜猫さんに以外に興味を持つなんて♪と見ていたらあれが呼んでいる。お前もこい。と言われて連行されました。え?。幸一さん?
渋い顔をして付いて来てくれましたけど
猫さんにの部屋には居るといつもと違う一角が出来ている。白地に菖蒲の着物が掛けれて居る前に黒毛の犬が寝ている。ペット?にしては何か。違和感を感じて見ているとビックと起きて猫さんの背中に隠れてドクターをジーっと見ている犬。
ドクターも少し見てから「母さん。母さんなのか!!」驚きながら駆けつけるとやっとわかったのか!!という具合にベシベシ叩かれている。
「怜。いい加減にしなさい」しかる声がして振り向くと初老の男性が犬に話しかけてナデナデしている。
「言っただろう。椎には直ぐにわからないって。しかも、何故犬に。いや。犬好きなのは知っているがこれでは、君を抱けないだろ?」しかりつけている内容が・・・
「いや、そいつは夜は人にも成れるみたいだぞ。俺は見ていない。猫と一緒に着せ替えしていたみたいでな。初老に睨まれて言い訳じみた事を言っている。蛇さんが面白いじゃなくて、何で呼ばれたの?
「ああ。この子が日中だけ警護に当たってくれるのよ。人見知りだからさ。顔見せ。仕事は完璧にしてくれるから大丈夫。夜は、旦那さんか息子さんが連れて帰ってくれるから大丈夫よ」さ、御挨拶は?
猫さんに言われてトコトコと近寄ってから前足を膝に乗せてペコッと頭を下げ、テコテコと初老に近づきクンクンと鳴き始める。
何だ、甘えたさんだな。と抱き上げて居る初老の男性。
「妻がお世話になりました」と抱っこしたまま帰った人を見てあれっと幸一さんを見ると
「執事長だ」と呟き疲れている。こんな昼間にとは思ったが、上司命令ならば仕方がないと思うよ。と言うか、ドクターって執事長の息子さんなんだ。
「両親がすみません」と言いながらも元気になったドクターを見て良い気持ちになった。
それからと言うもの、私と猫さんにの部屋には犬の怜さんが朝来て旦那陣をさくっと出勤させてから私達の負担になる陣を壊したり改善したりと小型犬が活躍をしている。尻尾ひとふりで精鋭を伸す小型犬。
玩具を持ってトコトコ来て遊んで!!と言われて遊んでいると体の歪んだ魔力が改善したり。自分が寝たくなるとベットに上って催促したりと自由に振る舞っているように見えて私達の健康管理をしてくる。
今日はいつもと違って、外にいくの!!とリードを持って寝起きの私達のをせっついている。
「出れないのよ」説明をしても行くの!!の姿勢が変わらず仕方なしにリードを持って二人で着いていくと表の庭についた。どうやって?と聞かれたらわからないって答えるしか無いが、気づいたら来ていた庭。縁側に座って落ち着いているとバタバタと煩い。どうしたのかね?と猫さんと顔を見合わせていると「やぱっり」との声。
視線を向けると困り顔の執事長。
「お二方が居なくなったと聞いて驚きましたよ。犯人は、怜だろうと思ってお気に入りの庭を回って見たら案の定。こんな騒ぎを起こして」困った妻ですね。帰ったらお仕置きですよと縁側に寝そべっている怜さんを抱っこして叱ってるが、怖くないからね。その顔
ごめんね。とばかりにクンクンと胸板に鼻先をつけて居る怜さん。尻尾はブンブン振って嬉しそうだ。
「どういうルートで?」聞きながら地図を出している。地図に前足をトントンしながらルートを教えている。たまにワン。と吠えるとああ。と納得して何やら書き込んで居るけど・・
さらにぐるぐると唸ると成る程。良い子だ。と撫でられていますが、さっぱりです。
「やっぱり長年連れ添って居るだけ在るわ。怜の思惑を解って居るのね」と密談中の一人と一頭を見て猫さん。説明してもらっても?と聞くとああ。そうだったわ。と教えてくれた
「怜は人見知りで他人の悪意には敏感なの。そのお陰でなのか、術や技術の穴を見つけて掻い潜ることが上手なの。で、その特技を活かして遊びに来たときに出会ったのが」顎で執事長を示している
「で、今日のルートを教えつつ罠を仕掛けて置いたところとスパイを伸した又は、見つけたところを」ちらっと怜さん方を見ている。そんなそぶりしていなかったのに凄い!!と感心して視線を向けるとバカっプルが・・・・
説明を終えたのか安心した顔で膝の上で寝ているワンコ。それを蕩けるよな顔でナデナデしている青年・・・
青年?誰ですかこの美青年は。もしかすると。恐る恐る猫さんにを見るとあきれた顔で戻ってるぞーと忠告している。そうですか。すみませんね。久し振りに妻の空間で、ゆっくり出来ているのですから良いでしょ。このくらいの特役。とワンコを抱いていた筈なのに猫さんと同世代の女性を抱いているし。しかも、相手が寝ているのを良いことに色々と撫でてるし。特に腹部辺りを・・・・
「うん?」と違和感を感じて起き出している人に大丈夫。と安心させつつ寝ることを促してるし。何が何やらわかんねー。
困惑した顔をしている私を見て察しが悪いですよ。と青年にしかられるがマジで分かんないから。
「ここ私の領域。術や技術の穴スポットで関係者以外立ち入りー」ふわりとアクビをしてから教えてくれたのは、女性で目覚めのキスをもらっている。しかも濃厚なやつ・・・・あー。女性が怜さんで美青年は執事長ですか?すみませんね。察しが悪くて。それを見て、怜を見たこと無いから仕方ないよ。慰めの言葉を余越ながら怜さんに近寄り元気ーと握手している
「本当に魂だけで舞い戻ってきたんだね。体は使役さんを使って居るんでしょ?何か違いは?」質問しているけど凄いこと聞いてますよね?魂だけで舞い戻ってきたとか・・・・
「そう?母さんも皆戻ってきてるからそんな感じは無いかな。体は使えないからスペアを用意してたから違和感無いし」特殊かな?と旦那である執事長に聞いている。
いや、特殊だからさ・・・・
「そーなんだ。だから他家に狩られるんだー」間の抜けた返答をしてるも「ま。返り討ちにしてさらすけどね♪序でに旦那も特殊だからさ♪うちの子達の伴侶は強いよ♪」庭に声をかけている。ワタワタと外に連絡をかけていたりしている人が居ますが・・・
「特休くれるかな?」ワクワクしながら聞いている怜さんてって・・・
「そうですね。猫さんとが御子を産んだらw家族旅行が出来るように下見も兼ねて行きましょうね♪」執事長のいい笑顔見るの久し振りだわ