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最近やたらと人の腹部を撫でている幸一さん。気になったので聞いてみると「できた」と言われてびっくりした。子が出来ずらい竜族。出来たとしても妊娠期間が長いのが一般的。原因は妊婦の魔力らしい。子供が現世に出てこれるまで魔力がたまると出産になる。とびっくりして呼んでもらった医者が教えてくれた。

「まあ。影猫さんや猫さんは関係ない話なので、普通に十月十日とつきとうかで生まれてくるでしょうけど」といい笑顔で言っているが、私の魔力って底辺だった記憶があるんですけど・・・変なことを言うな。そう思っているとああと説明してくれたのは幸一さん。

「八重は、ここに来てから20年ほど経っているだろ。その間、魔力が勝手に増加している。今の魔力は、奥の姫たちより少し上ぐらいだろう」しっれっと話してくれるが、姫ってかなり高いよね?感情が揺れると災害を引き起こすとかいうくらいの魔力の持ち主だった気がするけど・・・

「なんで?そんなに魔力が強くなることしていないけど」

その質問に答えてくれたのは、帰り支度していた医者だった。

「あれ?あれだけの人を影に収納出来てなおかつ治療もできる。しかも、常に使役を出しているんですから魔力が増えるのも・・・」

「魔力ってそうやって増えるんだ。知らなかった」ぼそっと呟くと変な顔をしている医者と爆笑している幸一さん。

「無意識だな。とはうすうす気づいていたが、本当に無意識だったんだな。そのおかげで子供も安心して産めるから大丈夫だ」ギュッとしてくれて言われたので、そんなもんかと思ってしまった。

 妊婦になってから数週間。周りの環境を何とかしないといけないと話し合いがあったようで奥の環境整備が行われた。奥には魔力が多いものや力の強いものが常に居るため、妊娠初期の妊婦と胎児にはいい影響がないと判断されたようだ。本来なら影響がないスポットに移動してもらうとかになるが、今回は猫さん夫婦にも子が出来たので・・・。

その為に召喚されたのは、人間ストッパーと言われて居る子だ。子と言っているが、ちゃんとした成人女性なんだけど。なかなか本家の決定にも従わないし捕獲しようとすると指の間からなくなる水の様にいなくなってしまう。と言うくらい捕獲が難しい人なんだが、今回は祝い事だし。そろそろ転職したかったからと言うことで了承してくれた。と疲れた顔をして話しくれたのはメイド長である。

「あの方の部屋なんですが、いつも通り牢でいいと言っていまして。こちらでお願いして来てもらうのでそれは。としぶったら・・」はーっとため息をついてから

「いい笑顔で「いい部屋に入れられても安全じゃないでしょ?変なもの盛られて体が動かない所で意に合わない事されても私、困るし。そもそも、本家で過ごしたところなんて牢しかないし」と仰られてしまって」愚痴をこぼしながらオヤツを差し入れてくれる。

「あー。大切な人たちのために”狂った”からな。あの子は」とつぶやいたのは隣で話を聞いていた猫さんだ。何のことですか?と聞き返すと若人に聞かせるような話ではないのだけど・・・と前置きをしてくれてから話してくれた。

「あの子は、私がここに入るか入らないかくらいに生まれてた分家の分家。つまり私と同じくらいの分家。かなり末端の家に生まれたんだ。生まれてすぐに魔力も能力も紙より薄いと判断されたのに本家に引き取られたんだよ。変だね。とうちの旦那に調べて貰ったら他にも同じような条件の子が引き取られていたんだよ。本家にと言う名目で、中間の狂った分家に。それを当主に教えて救出して貰ったが・・・」話辛そうな顔をしてからお茶を啜っている。

「死にかけていたところを救出したんだよ。他の子供たちは安全な所に居宝なぜ?と安全にいた子供たちに聞いたらね。あの子が怖いことされないようにと逃がしてくれたと言っていたんだよ。狂ったものは、能力がないものが他の者の力を中和するんじゃないかと思ったらしくてね。その視点は間違っていなかったが、やり方が間違っていた。能力が皆無と言われた子供たちに薬を盛ったり有りえないほどの攻撃や魔力を。体から耐えれなくて血が出るような量の魔力を注ぎ込んだりしていたんだよ。死にかけると部屋に仕込んで居る力で勝手に体を治す。壊れながら治っていく。どれだけの苦痛を絶望を感じたんだろうね。精神が壊れるような環境であの子はいた。それを知らない本家の馬鹿どもが、壊れているからと表面はきれいで中身が劣悪な環境においてしまった。そのせいでね。本家は鬼門。安心が出来るのは牢だけと勉強してしまったんだよ」まあ。あの時は一番安全な場所って言ったら牢だけだったけどねと乾いた笑い声と痛々しい顔をしている。

「猫さんは悪くないと思っていますよ。あの時、温かいのは猫さんと蛇さんだけだったから」と部屋に入ってきたのは、両耳に幾重にもピアスを付けている女性だ。すげーっとピアスを見ていると。苦笑しながらピアスを触って「これだけ”お前は奴隷だ”と意思表示しないと私が怖い人が居るらしくてね。こんなものを付けていても心は縛れない。ついている効果なんてやろうと思わなくてもすべて無効か出来ると知ったらどんな顔をするんでしょうね」と笑っている。

あー馬鹿どもが。と外に殺気を降り注ぐと「止めてください」とメイド長から悲鳴を上げる。

「子供に悪影響だから。それに、私なりに色々と報復攻撃しているので、楽しみとらないでくださいね」そう言われたと思うと銃口が頭と腹部に向けられていた。

「英雄様は、血を少し抜いてきた方がいいと思うの。後、守りの猫さんも。献血してきますか?」心配そうに聞きながら腹部に向けられて居る銃口は下されていない。なんなら手伝いますよ?胎児ごと強制的にという意志をくみ取り殺気を降り注ぐのをやめると同時に銃もしまわれる。

「こんな人たちの魔力を調節するの嫌だから辞めても良いですかね」と後ろを振り振り向いて聞いている先には、頭を抱えている彼女が立っている

「空。決まったことだからちゃんと調節の仕事はして頂戴。それとピアスなんだけど、あなたが守りたい人以外はつけなくても良いよ。なんで30歳すぎて自分の事を制御できない馬鹿どもをあなたが守らないといけないの?誰か人質にとられているの?」

「えーと。そんなものないですよ。今は信を置ける者たちに守ってもらっているので。私が、お願いしなくても大丈夫な体勢も整いましたが、今外すと他の一般人の迷惑にかかるのでもう少しこのままの予定です。具体的に言うと後2時間くらい」

「2時間って。本当に具体的にだけど、仕事終わりきっかりにか。最悪だな」呟くと「年端もいかない餓鬼にこんなものを付けて自分は凄いんだ。とえばる者は死んでしまえばいいんだ」と言い捨てている。

「空。そういわれています。空ではなくカラだと言う意味かもしれないけど。まあ、あと数か月だけ視界に入るのを我慢してください」土下座してからじゃっと何処かに消えてしまった。

「ごめん。あの子も悪くない子なんだけど」困った顔をして言う猫さんと彼女。

「うん。そんな感じの子だね。どこに帰ったの?」

「あー。新しい仕事場の顔合わせだって言ってたな」どこだっけ?とメイド長に聞いている彼女。メイド長も少し考えてから有名な会社の名前を教えてくれた。

「凄いところだけど、優秀なの?」と聞くと

「派遣社員でしかも、工場だけだから」困ったわ。出来るなら縁側で休んでいてほしいのにと呟く彼女。あの子も彼女の守りたい人の一人なんだろう。あまり頑張りすぎないで欲しいんだけど・・・・

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