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幸一さんに改めて「私の妻になってください」とプロポーズされた翌日。朝起きたら何か変な感じ。体に感じているいつもの圧力と言うか縛りが無いなーと思いながら目を開けるとお風呂でした。

「おはよう」とキスをされてそのまま抱っこで入浴。このせいか。そう思っていたか、入浴後も何やら変な感じは継続している。何だろうーと思いつつもご飯を支給されて(椅子に一人で座られなくて抱っこのままですけど)いるところです。

「朝から何を考えているんだ?」

「あー。なんかいつもついている縛りが無いな。とね。これはこれで生活しやすいけど、慣れないから変な感じなんだよ」と説明すると。そうか。と言いつつサラダを口元に持ってきてくれるので、パクリ。

「それは、結婚したからだな」そう言いながら自分のご飯も食べている。器用だな。

「よくわからん。説明ー」要求すると卵を口元に持ってくるのでこれも、パック。

「わかりやすく言うとだな。竜族は子をなすことに時間がかかる。異種間なら余計にかかるし術力もかかるので、八重にかけていた枷を外して全てを子づくりに回している。と言うことだ。竜族の妻になるということは、子供に術力をほぼ取られるということと同じことだ。そのために夫となる者は全力で守るんだ」言い終わるとお茶で喉を潤している。ついでに私にもお茶をくれる。

「と言うことは、影猫は出せなくなるの?」との質問に

「いや。固有能力は関係ないから大丈夫だ。それに、技術として獲得している術も術力を違うところから調達すれば問題ないだろうし。今までのようにモーションなしで出来なくなるだけだろう。それに・・・」珍しく言いよどんでいる

「それに?」

「お前の友達である。彼女がここに幽閉になるから”猫”さんや八重の身柄は安全だろうから」

「はあ?なんで幽閉になるのさ」

「もともと八重が幽閉になるのはかわいそうだから。と奥を生活しやすい環境に術を変更したのは彼女だ。それに伴い、本家の基礎となっていた術の改善をしたのも。戦後の混乱に紛れて逃げてたのを今回の件で捕獲したんだ。製作者が居れば術の安定率も上がるだろう?それに、外に行けない八重や”猫”さんの事を思って行動できるのは彼女だけだろうから」

「は?一般市民なのに?」

「あー。彼女は当主と同じ権力を持つ人になったんだよ。乱用しない人だから大丈夫だろうが」

「そんなことないわよ」と言いながら入ってくる彼女はいつもの通りの恰好である。「八重は大丈夫みたいね。ならいい。蜜月が終わったら一緒に遊びにいこましょうね。ああ。付属品。蜜月終わり次第仕事を消化してくれ。だって。あなたにしか処理できない仕事があるみたいよ?有能も過ぎると毒になるのね」言い残すと去って行った。

「ねえ。ここって普通の人は入ってこれない空間だって」言ってたよね。でも、さっきの本体じゃなくて連絡用の術で作った分身体だよね?と見つめてみると。はーと困った顔をしている。

「どれだけの術と術力を使った伝言なんでしょう。しかも軽くいやがらせを兼ねているような気がするのは気のせいではないようですし。あー3年くらい蜜月で甘々な生活をしようと思っていたのに」とため息をついているが、3年って!!

「致し方ないですね。仕事をためると八重との時間が出来なくなってしまうし。1週間くらいしたら少しだけ指示だしに表に行きますか。ゆっくり蜜月も過ごせないなんて不幸だ!!」やさぐれ気味につぶやいている。手をほほに充てて大丈夫?と聞くと「大丈夫ですよ」と手のひらにキスをくれてから残りのご飯を食べることに。

 宣言通りに1週間いちゃいちゃしました。と言うかされました。いろんなことを。知らなくても良いこともされてしまいましたが、概ね平和に過ごさせてもらいました。

「面倒ですが、行ってきます。すぐに戻ってくるのでここで大人しく待っていてくださいね」言われながら下されたクッションが沢山あるソファーの上。同じようなソファーにはぐったりした”猫”さんがすでに寝ていました。

「行ってらっしゃい。早く帰って来てね」と送り出しましたが背中にはでかでかと行きたくないと書いてありました。不登校の学生か!!と突っ込みたくなったのは仕方がないですよね?

この部屋は1週間かけて彼女が作ってくれた託児所的な場所だそうです。蜜月中の竜族から番を離すなんてことは普通はできないらしいが、総力をあげて作ったこの部屋は作成者と伴侶以外は立ち入り出来ない亜空間となっているらしく、竜族も一応安心して預けることが出来る空間となっているそうです。

パっと見て普通の部屋なんですけどね。解析をかけようとしていも解析不能の文字が出てくるし。しかも、術力が一番いい感じの時と同じくらい感じられるので影猫を出して遊べる仕様になっているので、暇つぶしにはもってこいですよ。幸一さんの仕事が何時間くらいかかるかわからないので、暇つぶしがあるのはうれしい。

さて、暇つぶしの前に一度寝ることにしますか。ここで寝ると体調がよくなりそうな雰囲気ですので。

 目を覚ますも幸一さんは、お仕事中みたいです。先に起きていた”猫”さんは漫画大会のようで一心不乱に本を読んでいます。私も最近の術事情が分からないのでその手の本を読んでみたいとわ前々から思っていたのですが、私が技術を磨くと戦力拡大か!!と警戒されてしまうので出来なかったのですが、子供を育てるのに使う術ぐらいは獲得したいと思っているんですよ。いい機会なので、ここで勉強していきますか。本棚あるみたいだし。

本棚の中はすべて竜族のしきたりや子育てについての本が並んでいました。これを作った人と言うか彼女は、私が読むだろうと思って用意してくれたのだろうと思うとありがたい気持ちでいっぱいです。全ての本には”子供によって正確や接し方が違うので本は基本と言うか参考にするぐらいがちょうどいいですよ”と書いてある。どこかで彼女が聞いて記憶していた言葉なんだろうと思うが、とてもいい言葉だと思う。ついでに夫婦の欄には”歩み合いと落としどころを間違えなければ夫婦円満”と書いてあるが、これは彼女の母親の言葉なんだろうと思ってしまう。だって、彼女未婚で私と同じ年齢=彼氏いない歴。だから。

「余計なお世話だ!!ご飯だから来い」怒った声で呼ばれた。いつの間に来たのかな?とソファーのあった場所に行くとテーブルが出現している。

「食べな。それから寝な。体力を回復してから本でも読みな」ぶっきら坊だが優しい目をしてご飯を配膳している彼女。

「ありがと」

「気にするな。数少ない友達のためだし。ゆっくり食べな」席について食べ始めている彼女と”猫”さんと久しぶりにガールズトークをしながら昼食を食べる

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