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 覚悟しておけよ。と言われて数週間。帰国後、体調不良です。あちらの気候と念入りに入れられていた術式が命をがりがりと削っていったみたいです。自分以外の力を付属されていたというのも体調を崩す要因らしいですが。気持ち悪~と私用のスペースでゴロゴロしています。隣では”猫”さんが一緒にいますが”猫”さんは、私の監視役としているし、気配が薄いので隣で読書しているくらいなら気になりません。

監視。と言っても本家には”猫”さん特性の暴走禁止・浄化の術式が織り込まれているので能力に飲まれることはない。可能性が高いというだけ。おとなしく寝ている私の側はちょうどいい読書スペースだ。と言って漫画から小説まで色々な本を持ってきて漫画大会を開いている。よく貸してもらっているので文句は言えないが。

「涼しそうなところで寝てますね」そう声をかけてきた人がいるが、”猫”さんに立ち入り禁止。と言われて何やら術を発動されています。弱っている人を守るための陣は自動的に発動する”猫”さんは、本家に籠る前は介護をしていた。と以前聞いたことがある。とっても懐かしそうに話していたので記憶に残っている。私は、そういう体験をしたことが無いので羨ましいけど、そんなに強くないから外はちょっと怖い。にやーにやーと影猫たちが私の周りで寛いでいる。本体である私が体調がすぐれないので、能力を発揮できずにいるためだ。影に戻れはいいのだが、猫型が気に入りのようでゴロゴロしている。ついでに、影獅子も一緒にゴロゴロしている。

「散れ桜」と珍しく”猫”さんが発語している。発語しないで術を発動できるのに・・と思っていると「危ないだろうが!!」と重鎮さんが、入ってくる。成程。重鎮さんに何か仕掛けたんだ

「人が寝ている場所に、うるさく入ってくる方が悪い。病人なんだよ。それもわからないバカは、鎌鼬で傷を作ればいい」と本から少し視線をあげて言っている。

「うるさい。化け物。お前なんかに用はない。出ていけ」と”猫”さんに暴言を吐いているけど、大丈夫なんでしょうか?

「出ていくのは、お前の方だ」そう言いながらご飯を持ってきてくれる”蛇”さんと幸一さん。

「起きれるかい?熱は少し下がったみたいだね」顔を見ながらそう聞いてくれる。体調が悪いときは甘えたいので、されるがままにしている。テーブルにご飯をあげて食べやすいように抱き上げてくれる。膝の上に乗せられておかゆを口まで運ばれる。恥ずかしいが、体調が悪いときは手を動かすのも面倒だったりするのでありがたい。

「ほら。飯だ」と隣に座り”猫”さんの前にご飯を置いている”蛇”さん。読書モードに入るとご飯を忘れることが結構多いので、それをわかっててご飯を持ってきてくれる。水分を取るのも忘れがちになるので、そこら辺は考えてお茶なりお水なりをペットボトルに入れて置いてくれていたりする。甘やかしは幸一さんと一緒だ。

「何をしているのだ?」と騒いでいる重鎮を無視してご飯を継続していると奥の長が出てくる。表を管理するのは表の長。奥を管理しているのは奥の長である。その上にご当主が居る組織形態です。わかりやすくいうと、表を守る執事長。奥を守るメイド長。裏を管理する”猫”・”蛇”だったりする。

「ああ。メイド長。今日のおかゆはちょうど食べやすいみたいです。ありがとうございます」とスルーを続けている。幸一さん。執事として表を守っているだけある。「おいしい」と”猫”さんも褒めているので”蛇”さんの機嫌も良い。”蛇”さんは”猫”さんを構うのが好きで、よく構いすぎて避けられている節がある。

「それはよかった。さて、ここに居る人物は誰が連れてきたのですか?許可を下して居ませんが・・」奥に入るときは許可が必要である。奥で生活している人はデリケートな人が多く、知らない人が入っただけで能力に問題が生じ者がいるから。

「誰も連れてきてはいませんよ。それと、この人は嫌いです」と”猫”さんが言い切った。私っよりも人の好き嫌いが激しい人だが、声高らかに宣言することは珍し良い。行動で示すことは多々あるけど。にこやかに接しながら本当は嫌いなんだ・・と言う感じの雰囲気を醸し出すのが上手なところを見ると、社会人になるには必要なスキルなんだろうと勉強になるが”猫”さん曰く、まだまだなんだそうだ。守ってくれる場所で、守るべきものを明確にしてくれている状況で少ない力を揮うのは大好きなんだよね。と話しながら使役の蝶を出しているのはとても幻想的でした。

「では、ここにこの人が居るのでしょうか。影猫さんは、体調不良なので面会は極力避けるようにとご当主様からの指示ですし。今日の面会者は一人しか許可してませんが・・・」

「用があったから来たのだ。端の者に面会するのに許可などいらな」

「いはずはないし。そもそも、そこに居る甘えたさんは一族をの守りでしょ?何を考えているのでしょうか?東はそんなに馬鹿になったのですか。それなら殲滅して私の畑にしてしまいますよ?」と重役の後ろから発言しながら近づいてきたのは、北のと呼ばれている遠い親戚で結構親しい友である。

「珍しい。出てきたんだ」驚きながら感想を言うとかなりいい笑顔で「連行されたんですよ。明けなのに。ふざけるなと思いましたが。そもそも、守りが二組婚姻を結んだだけで私みたいな端の者を呼び寄せるなんて、本家も奥も怠慢なんですよ」そう愚痴りながら入口に正座している。影猫が勝手に膝の上でゴロゴロし始めるのを拒否せずめでながら癒していく。その力が影猫から本体の私に流れれてくる。とても優しく極上の癒しの力が削られて減っていた命を癒し補充してくれる。これを出来るのは術者の中でも彼女しかいないだろう。

「お疲れですね。にゃんさん。どうだ?ここがいいのか?」と先ほどとは違ういい笑顔で猫と戯れている。にやーと気持ちよさそうに鳴いている影猫を見て何かを感じたのだろう小型犬くらいの大きさになった影獅子がすりすりとすり寄って行った。それに気付いた彼女が「うん。お前もか?」と猫をちょっと移動させて獅子も膝に乗せて撫で始める。膝の上で自分の使役が戯れているのはなんか変な感じだなそう思って見ていると彼女の髪に蝶が・・・”猫”さんの使役まで癒されに行った。

「何時もだが、凄い事になっているな」呆れている”蛇”さん。いつもなんだ・・・

「さて、何やら耳元でうるさい羽根音がしているのは、致し方がないので我慢しますが、ロリコンどもに聞きたいんですが、告白しましたか?ちゃんと了承してもらってから抱きました?」

「「つっつ」」男性陣が息を止めて返答に困っている。実は、私もですが”猫”さんも旦那様に抱かれたようです。昨日。

「どうして本家に居る男どもはそうなんですか。合意のもとで抱いた。嫁にした。と胸を張って言い得るように手順を踏めといつも口酸っぱく言っているじゃないですか。そもそも、竜族は子が出来ずらいのですから、ちゃんと契約を結んでから抱けと以前から忠告していたはずですが?ま、過ぎたことは覆せませんので。今夜でもちゃんと契約してから抱いてくださいよ。さて、私はこれから、二人の業務を肩代わりしますので、好きなようにラブラブになってしまえばいい。業務の邪魔をするならお二人でも容赦しないですからね。所定の場所でしてくださいよ。それ以外でしようとしたら鎌鼬を仕掛けますからね」そう忠告してから猫と獅子を籠に入れて頭に蝶を付けたまま何処かへ行ってしまった。

「いつになく、ご冠ですね」そう感想を呟いてからメイド長も彼女のあとについて行った。


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