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きゅうわー 歩く私と青空と始まり

今回は、もう一人の主人公、ヒーローにしてヒロインな風花さん視点です。

わずかな、ノイズをはさむことなく目の前にリアルな世界が映し出される。


場所は、始まりの街アレクセイ、その広場にでんと鎮座する転送ゲートの前だった。


とっとと、いきなり覚醒したものだから、目の前のプレイヤーとぶつかりそうになった。


目の前の人ごみを避けて壁際によりながら、ふと笑いがこみ上げてくる。


こんなに、人が多いアレクセイの光景を見るのは何年ぶりだろうかと、ふと思ったのだ。


学生プレイヤー達にして見れば、もうほとんどアレクセイに用があるもの達はいないだろうし、わざわざ、残るような物好きも少ない。


私に元気をいつもくれる彼女のように、この街を拠点にして動いている学生プレイヤーはほとんどいないのだ。


ん?惚気じゃ無いぞ!


ごほん、例外といえば、彼女がバイトしている「ウイッチコンツェルト」の店長ぐらいだろうか?


まあ、今に限っていえば、初心者プレイヤー相手に行商を行っている学生プレイヤーが、広場にちらほら見受けられるので、彼女達に限ったことではないのだろうが。


その、光景に目を細めながら、何と無く彼女を探しながら、私は歩き始めた。


なんだ?フレンドコールをすればいいじゃないかだと!?


こう、なんだ、こう何気なくあるいていて、たまたま出会えるのが嬉しいんじゃないか!


運命みたいで!!!


ごほん、ごほん...


妄想暴走でほてった頬を冷やすような気分で、私は少し歩調を速めた。


アレクセイの街を晴天の太陽の下、とことこと歩いていく。


そして、ふと頭を空に向けて微笑んだ。


「そういえば、こんな晴れの日だったな、彼女に出会ったのは」


え?フラグ?


じゃ無いよーーー!




そう、どこまでも透き通った青い空の下で、その風景に溶け込むように体育座りをして彼女は笑っていたんだ。


その姿は、まるですべてが青になったみたいだった。


どこまでも、包み込むような青空みたいに。






「へ?風花会長、自分のアバターがほしいの?」


私の前で、驚いた顔をしているのは、『ログセリオン』のグラフィックを担当しているグラフィック部の部員であり、私の親友でもある少女だった。


「いいじゃない、私だってまともにプレイしたいのよ」


やっと、β版の運営が起動に乗り、少し仕事も減ってきて、最近やっと自分でも遊んで見たいと思えるようになったのだ。


まったく、生徒会なんて入るものじゃないなと最近はよく思う。


生徒からの苦情は殺到するし、バグが発生すれば寮に戻る暇も無いし。


しかも、先輩達は次の副会長に私を推薦する気満々だし。


絶対、押し付ける気だよあの人達、副会長にされるだけならまだいいけど、いや、良くはないけどさ、そのまま、生徒会長にまでされたらたまったもんじゃ無い。


本当に、死んでしまうわ!


なんて、愚痴はおいておいて、最近やっと落ち着いてきて私自身プレイに興味がでてきたのは本当だ。


だから、GMキャラ以外の自分用のキャラがほしくて親友でグラフィック部の彼女と話しているのだが。


「ゴメン!私、まだ新ジョブ用のモーショングラフィックが上がって無いんだわー」


めっちゃ、謝られました!


ていうか、新ジョブの管理者は私なんですけど、遅らせてたのお前か!お前なのかぁ!!!!


「まあ、変わりに我が部の切り札に頼んで見るから、ね!ね!」


合掌ポーズで、頭を下げながら謝る親友、私としては、君が作れないことより、仕事が遅れているを謝ってほしいんだけど!


「とりあえず、私から風花のシャメわたして、そっくりに作ってもらうから!じゃ」


そして、びすぃい!!っと片手をあげると彼女は疾風のごとく走り去って行った。


「お願いだから、先に仕事を片付けて」


私の、悲しい声だけが廊下にこだましたのだった。






そして、次の日私の机の上にはハンドモバイルに差し込む型のUSBメモリが二つ。


ひとつは、昨日あの後、死ぬ気で仕上げたらしいグラフィックのデータ。


あのときの私は、今にも殺人を犯してもおかしくない形相だったと、後に親友は語っていました。


そして、もうひとつは、私のアバターデータだった。


私そっくりな顔立ち、長く黒い髪をポニーテールに結い上げた頭と少し切れ目がちな瞳、その瞳は右目は

黒で左目が悪戯なのか透き通るような青色をしている。

同じ髪型でめがねを外して鏡を見れば、それはまんま私だろう。


ただね...


なぜだ、親友よ、そしてこれを作ったらしい切り札さんよ、そして私自身よ...


このキャラ、どう見ても中性的な男じゃん。


そう叫びながら、私は性別設定の欄の男の部分を押し込んだ。


いうならば。


「おとこじゃーーーーーーん」


ぽちっとな、的な感じです、もちろん後悔してます。


そして、女なのにめがねを外せばカッコイイといわれてしまう、そんな私の男性キャラなオンラインライフが幕を開けたのだった。


僕視点の話が、題名がネカマな僕とーで

私視点が、-な私とーになる予定です。まあ、一二話は導入なので勘弁してください。


予定では、二三話、私視点で書くつもりです。


はあ、ただ、女の子視点は疲れる...。


僕視点は結構ぽんぽん出てくるんですけどねー。



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