はちわー ネカマな僕と天使な僕だと?
はちわー だべだべー
「まあ、すごくはあるけどチートじゃないよー」
店長をなでなで、アイテムボックスを探して見たら、昔やった何かのクエストイベントのぺろぺろキャンデーを見つけたので、店長はそれをほおばっている。
おおー、かわえー
「店長のジョブは、魔道系は何でも作れるけど、普通の武器は作れないし、強化もできないからねー」
おお、何なんだこのほっぺは、まるでマシュマロのような、しかしその弾力は確かムニムニとはじき返すような玉の肌、この絶妙なほっぺたはー!気持ちが良すぎる。
「な、なるほど、それはまたなんとも極端な話ですね」
と、しーちゃんさんは頷いている。
これは、アレかアレなのか、この絶妙な感触とくらぶべくものといえばもう、アレしか!
「ところで」
どこか、納得行かないと行った顔でみーちゃんさんが話しかけて来た。
「どうしたのー?」
ほう、まさか、口の中に飴を含んだまでも、その頬は弾力を失うことも無く、いまもつやつやと輝いているとは!
「ふうかさん、さっきからしゃべっていることとぜんぜん違うこと考えてませんか?」
ばれただと!偽装は完璧だったはずだ!
「何のことかな?」
気のセイだ、考えるな!
「まさか!」
急にしーちゃんさん、とみーちゃんさんがはっとした表情をする。
まさか、ばれたのか、僕が店長ほっぺたに至福の表情を抱いていたのが!
「やっぱり、私達は迷惑な存在だったんですね!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、もう近づきませんから許してください!」
しーちゃんさん、みーちゃんさん、あなた達やっぱり双子でしょ。
そっくりだよ...。
そのご、おろおろするしーちゃんさんに、魔法使い用のローブ一式と、魔力の腕輪、反魔法の護符を押し付けて落ち着かせるまで30分くらいかかった。
「こんないいもの受け取れません!」
ようやく、立ち直ったみーちゃんさんが受け取りを拒否されました。
「いいのいいの、しーちゃんさんにもあげたから」
その言葉に、しーちゃんさんの姿を見て初期装備じゃないことにようやく気が付いたようです。
「しかし、私は」
しかしも、案山子もありませぬ!
「せっかくフレンドになったんだから、受け取ってくれないかな?」
そういって、おもいいっきり微笑んで見ました。あれ?顔を赤くしているんですけどなぜ?
「...はい、ありがとう...ございます」
何で、お礼の言葉が尻すぼみに?
良く見たら、みーちゃんさんの後ろに立っていたみーちゃんさんも顔が真っ赤ですよ?
なぜ?
と、店長を見ると、まだはぐはぐとぺろぺろキャンデーを舐めていました。
かわえーーーーー!リスみてーー!
「さてと」
と、ようやく満足したらしい店長の手を握ってとことこと歩き出す。
「ふえ?どこに行くのじゃ、ふうか」
必殺、幼女の上目遣いアターーーーック!ふうかは1500のダメージを受けた。
「いままのままじゃ危ないですから、ペルソナアイテムを買いに行きますよ」
僕の言葉に納得が行ったのか、店長がコクコクとうなずいている。
ええ、それはもう。全身を使ってうなづいている。
「うむ、買い物に行くのじゃな」
ええ、そうですねまあ、間違ってはいないです。
まあ、とりあえず、っと僕がかけていためがねを外して店長にかけてあげる。
僕は魔女っ子帽子を深くかぶっていれば早々顔は見えないしね。
さて、行きましょうか。
カランカラン、と鐘の音を聞きながらお店を出て行く。
ふと、お店の奥を見ると臨時店番用のNPCが奥から出てくるところだった。
「おみせ、頼むね」
「はい、マスターをよろしくお願いします」
店番のメイド型NPCに声をかけてから今度こそ、僕らはお店からでて歩き始めたのでした。
「今の、見た」
「うん」
まだ、お店に残っていたしーちゃんとみーちゃん、その二人の顔色はもう赤いを通り過ぎて、熟れた林檎のようになっていた。
「めがねかけてても、可愛い子だなと思ってはいたけど」
「うん、外したら、何かもう」
「負けた気がする?」
「勝負にもなってない?」
そう、たまたま、店の奥を振り向いたふうかの素顔を見てしまった二人。
その顔は、しばらく赤く染まったままであったそうだ。
『何か、もう、アレかな、天使?』
ようやく、お店を脱出いたしました。
ネカマな僕の素顔を見てしまったお二人様、合掌。