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龍が降り立つ

作者: 桐原 弘太

龍はまだ降り立ちません

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」


町は埋め尽くされた。


「こっちにも来た!」

「自衛隊は何をしているんだ!!」

「もうとっくに食われたよ!!」


店・家・車から飛び出て、走りながら奴らとの距離をとっていく。


しかし


地面からはい出て来るもの、空から舞い降りてくるもの、塀や家を倒壊させながら進んで来るもの、

あらゆる手法で人間へ襲いかかって来る。


「見ろ!!奴ら共食いを始めやがった!!」

「共食いじゃない!!でかくなっても自然の摂理にはかなわないだけだろう!!」

「それよりも早く逃げねえと、やばくなるぞ!!」


そこには、ネズミとコオロギの死闘が繰り広げられていた。

しかし、コオロギは全長五メートル以上、ネズミにいたっては二〇メートル以上であろう。

そんな怪物が路上で食物連鎖のおきてに従って死闘を繰り広げている。

近くにあった看板、街路樹はなぎ倒され、車も紙みたいにひしゃげている。


「くそ!!なんだって言うんだよ!!昨日まではこんなカイブツいなかっただろう!!」

「俺にキレられても困るよ!!そんなこと言っている間にもカイブツは―――――――」

大通りから離れた脇道にトラックが横転して道をふさいでいる。


「なんだよ……俺達いつ死亡フラグ立てたんだよ……あんまりだろう!!まだ家のローンだって残ってんだよ!!家には俺の大好きな嫁と一〇歳になったばかりの子供だっているんだよ!!ここを通らなきゃいけないんだよ!!」

空に向かって吠える、そう言うのはやりたくなかったがここまで来たら仕方ないだろう

スーツ姿の男は冬の冷たく冷え切ったアスファルトに泣き崩れた。

道路は、「知ったことか」と言い放っているようだった。


「おい、見ろよ!!そんなこと言っている場合じゃない!!」

隣にいる部下は空を見ながらそんなことを叫んだ。

泣き崩れたスーツ姿の男が顔を上げると、目の前の横転したトラックの上に

巨大なカマキリが降り立ち、仁王立ちになっていた。


そして、トラックから飛び降り、二人の前へとゆっくり近づいてくる。

頭までの高さは隣にいる部下と比べても三倍以上はある。

「あ、あああ、ああああああああああああああああああああああああああああ」





「な、なんなんだ……これは……」


遠征して駆け付けた自衛隊のある一人の隊員の日記にはこう書かれていた。


潮風のほかにも生臭い匂いが町中を包んでいた。

いたるところに赤い水たまりができ、塀には赤い字で遺言のようなものが書かれ、

無造作に肉片が飛び散っていた。

全長七、八メートルはありそうな虫やネズミやトカゲの死骸が家の屋根の上や、道路に転がっている。

まるで映画の中にいるような光景だった。

もし、これが映画のセットではなく、本当に現実ならば、

我々はどう対処すればいいのだろうか。日ごろの訓練だけでは足りないのは目に見えていた。

初投稿です。

へたくそですが、温かい目で見てください。

よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 巨大生物というシュールな設定は、とっても惹きつけられました。 最後の「日ごろの訓練では足りない」というフレーズに人間の無力さが出てて、良いと思いました。 [気になる点] もうちょっと動き…
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