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黒の管理者  作者:
第一章
3/50

0.

 

この度は、お立ち寄りいただきありがとうございます。

完結目指して頑張りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

 


 

 

 ……ミツケタ。


 王宮の一角で、黒に近い灰褐色の髪の男が、クク、と喉を鳴らす。

 手には、仄明るく光る球体。

 それに映る映像を覗き込み、男は(いにしえ)の言葉で綴られた術を唱え始めた。

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 もう間もなく日が沈んでしまいそうな、午後六時を少し過ぎた時間。

 鴉の羽のような黒髪をポニーテールにした少女が、商店街の歩道を一目散に駆けていく。

 

「あぁ、もう、こんな時間。早く帰らないと、お父さんのご飯の支度がぁ……」

 少女は泣きそうな顔で左手の腕時計をチラチラと覗きながら、スピードを落とすことなく、住宅街への曲がり角を曲がった。

 

 刹那、薄暗い路地にもかかわらず、周りの景色が一気に白く変わる。

 

「えっ?」

 

 辺りに薄暗さが戻ったとき、そこに、少女の姿はなかった……。




 


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