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黒の管理者  作者:
第二章
20/50

4.

 

 

 ヴィンセントが自身の執務室に戻ると、そこにはルーカスがソファに腰かけて待っていた。

 

「遅かったな?」

 ルーカスがニヤリと笑いながら部屋の主を見る。

「ご用であれば、こちらから伺いましたのに……」

 彼は溜息を吐いて、あえて無愛想に返事をした。

 

「……ヴィンス」

「なんでしょう?」

「お前、あの娘をどうするつもりだったんだ?」

「どうするつもり、とは?」

「“王家の森”で拾った後、匿って、その後、どうするつもりだったんだ? と訊いているんだ」

 ルーカスはいたく真剣な眼差しを送っている。

 

「もう少し調査して確証が付き次第、それ相応の対応をするつもりでしたが……それが何か?」

「ふん。で、あいつはどうなんだ?侵入者なのか?」

「どうやらそうではないようです。本人が言うことを信用するならば、異世界からきた、と。何者かに召喚されてきたようです」

「召、喚?禁忌の術じゃないか!」

「はい。突然白い光に包まれて、気付いたら“王家の森”にいた、と。当初は、言葉も通じませんでした。今は魔道具でどうにか会話はできますが……」

「一体、誰が……?」

「わかりません。時間を見て調査を進めていますが、まだ手掛かりらしきものは何も……」

 

 重く垂れこめた空気が部屋に漂う。

 

「それに、彼女について心配事が。アートのことがあり、保護を拒否されました。ゆくゆくは……とは思っていましたが、今はまだ、この世界で一人で生活していくことは不可能と思われます」

「アート、か」

「レンもアートと同じ考えのようです。私がもっと早く話していれば、こんなことには……」

 自責の念に駆られ、思わず握り締めたヴィンセントの拳が、ブルブルと震えていた。

「……何か方法がないか考えてみよう。あいつにはまだ、監視が必要だ」

 そう言ってルーカスは立ち上がり、ドアノブに手をかけた。

 

「そうだ」

 ドアを開け、部屋を出ようとしていたルーカスが、ぴたりと立ち止まる。

「ヴィンス。あんまり自分を責めるなよ?全部が全部、お前のせいじゃないからな?」

 左手をひらひらと振りながら、彼は執務室を後にした。

 

 


 

ちょっと短めでしたが、いかがでしたでしょうか?

男の子たちの、内緒話(?!)。

ご意見・ご感想、その他諸々、お待ちしてます♪


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

そんなあなた様に、茹だるように熱い感謝を。



                              諒でした。

 


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