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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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96話 ドベパッ

 ----(大島視点)----


 俺たちは僻地1の踏破済み迷宮の地上から穴に落ちた。恐らく3階ほど落ちたと思う。

 落ちた先は大量の魔物溜まりだった。


 そこから何とか脱出をして今は地下3階層の通路を走り回っている。出口である螺旋階段を探していたのだが、どうせなら、さっきの魔物溜まりから四方へ散った魔物を掃討しようと言う事になった。


 囮役が引いてきた魔物を俺の防御で踏み潰す、そんな計画であったのだが、俺らは走り続けている。

 それは、囮役のポヨン氏らが飛んでいってしまい、追いつけないからだ。



「ポヨンさんら、戻ってこないな」


「そりゃあ、『引いてきて』と清見君が指示する前に飛んでいってしまったからな」


「す、すみません」


「いやいや、清見君のせいではない。清見君の説明よりもスライムの行動の方が早かった」


「すみません……」


「あ、でも班長、ちゃんと食べ残しがほら、あそこ。清見君が『全部倒さなくていい』と言った指示はちゃんと理解してますね」



 進む通路の先に小さめの魔虫が数匹、蠢いていた。久瀬さんのスライムと桂さんが突っこんでいき、殲滅した。

 流石、物理攻撃(強)だ。格好いい。


 通路の途中途中に残されている魔虫でポヨンさんらが通った事がわかる。魔物は生きてはいるがダメージを負ったようにどれも動きが鈍かった。


 俺たちはポツポツ残されている魔物を倒しながら通路を走り回った。

 僻地1の避難民達が居た踏破済み迷宮は、階層の広さから、結構な大きさの迷宮だったのではと思う。



「たぶん、そこ左……」



 ポヨンさんのお残しと清みんのテイマーの勘だかがなければ完全に迷っているな。



「久瀬さん、僻地1迷宮のマップは無いんですか?」


「すまん」



 久瀬さんはボロボロになったハリセンをズボンのポケットから取り出して掲げた。

 あー……、さっき使ったんですね。ここのマップをハリセンにして。



「あっ! ポヨン君!」



 清みん声で前を向くと通路の途中にポヨン氏らが居た。



「おい……」


「戻ってきちまったな」



 ポヨン氏らが居る通路の先、そこは俺たちがさっき這い出てきた穴、地上から落ちた魔物溜まりの空間があった。


 俺の防御で全員でひと塊りになり、穴へ進む。

 が、通路にはみ出た魔物は居ない。ポヨン氏らが処理をしたのか。

 穴まで近づき中を見た。



「魔物はカラ。全部倒した。…………なんて事なかったですね」


「そうだな。残念ながらまだまだ居る。しかし、だいぶ量は減った」


「俺らが落ちた時に比べたら全然少ないっすよ」


「ぎゃわわわわっ!」



 俺の横から顔を出して穴を覗いた清みんが悲鳴をあげた。

 穴には(清みんが苦手とする)虫系が大量に蠢いていた。



「けどまぁ、残っているのは小者ばかりですね」


「魔獣や大きい魔虫はさっきのあれで通路へ出たんだろう。ポヨン氏らや俺らが倒したがな」


「バルサ◯っ! バルサ◯焚きたい!!!」


「清みん、Gは居ないぞ?」


「遠目だと全部G!!!」



 気持ちはわかる。そして、嫌な予感がする。



「これはもう、大島ブルで轢き潰すしかないな」



 ぐはぁっ!…………やはり、そうきたか。そう来る気はしていた。だが、精神的ダメージが計り知れないな。

 俺に『気力スキル』があったら、きっと今はマイナス表示されているはずだ。



 久瀬さんが申し訳なさそうな顔で俺を見る。桂さん、大乃木さん、七海倉さんが順番に俺の肩を叩く。

 清みんはこれ以上ないくらい目を見開いて俺を凝視している。……それ、どういう感情だ? 驚愕?憐憫?



「大島君、すまないな。頼む」



 俺は油切れのロボットのように頷いた。ギギギと音がしたかもしれない。



「全員、固まれ。降りるぞ」



 俺の周りに居た久瀬さんらがさらに接近した。が、元から俺の背後に居た清みんが慌て出した。



「あ、俺、俺、待ってます!」


「清見君ひとり残すのは危険だ。一緒に行動してくれ」


「いや、俺、いや、無理、え、ちょ」



 背後で誰かが暴れる清みんを押さえたのがわかった。俺は穴へと足を進める。もちろん防御ごと、みんな一緒に。



「ぎゃあああああああ!いやああああああ!無理ぃぃぃぃぃぃ」



 穴の中に清みんの声が木霊する。触れてもいないが魔虫が激しく蠢き、防御壁攻撃してくる。

 清みん……実は攻撃スキルも有ったりしないか?



ガリガリガリガリ

ガチガチ

ゴリゴリゴリ



「ぎゃあああ! リフtrくちょん!」



スパーン



 攻撃していたやつらが飛ばされた。しかしすぐまた防御壁は魔虫で埋め尽くされる。



「リフレクチョン!リフレクチョン!チョンチョン!」



ダババ、ダババ、ダバーっ


 飛んでいく。新しいのが来る。飛んでいく。来る。



「リリリク、リクレストン!」



ドベパッ

………ズリズリズリ



「リフ……っ、もごっ」


「清見君、ストップストップ! 詠唱止め!」


「リフレクしたら大島ブルで擦り潰せないっすよ!」


「班長、口より目を塞いだ方が……」



 清みんの口を右手で塞いでいた久瀬さんが、左腕で清みんの目を塞いだ。

 通りがかりの知らない人が見たら、吊し上げを通り越してリンチしていると勘違いされる図だな。



「落ち着け、清みん。大丈夫、防御内には入ってこない」


「見なくていいから目を瞑っておけ」


「そうだぞ、俺も虫は嫌いだ。見ろ、このサブイボを」


「そうそう。みんな嫌いだよな」



 久瀬さんが清みんの目から腕を外しかけた時だ。



ドンッ! ドンッドンッドンッ



 よりによって清みんから見える位置の防御壁に張り付いた魔虫。

 さらに悪いことにGによく似た、しかもサイズアップして30センチ程のソレが数体張り付いた。



「サン、バル、サァァァ◯っ!」



 一際デカイ清みんの叫びが上がった。

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