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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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78/107

78話 いつの間に

 ----(清見視点)----


 ニッポンの地上部、地下1階へ向かう通路がスタンピードの魔物によって壊されていた。

 俺たちどうやって地下10階まで降りればいいんだ?

 やっとニッポン街まで戻ってこれたのに。みんなを連れて戻れたのに。


 けれどギルドの人に言われてうりゆ君達を連れて案内されたのは、岩壁に『M5』とかかれた場所。



「行き止まり?」


「右側に進めます」



 大きな岩壁で行き止まりかと思いきや、右に穴(通路)、穴に入ると左に穴、左に入ると右に穴。

 なんだ、これ? 行き止まりに見せかけて右に左に、右に左にとカクカク進める。


 ミラーハウスの岩版か? ミラーハウスは通路と見せかけて行き止まりの鏡なんだけど、これはその逆版。

 行き止まりと見せかけての通路。誰をまこうとしているんだよ。まく前に自分が壁に激突しそうだ。


 通路自体はそこそこの広さはあるのでうりゆ君達も通れる。たぶん……10回以上カクカクしたら直線の通路に出て、そこを進むと広い場所に出た。



「清見くん、テイム魔獣はここで待機させてください」


「はい……わかりました。……あの、ここって安全ですか? 外から……魔物入ってきたりは」


「大型は無理ですが、中型以下は侵入可能ですね」


「ええっ! そんな……」



 そうだよね、通路はカクカクしていたけどドアは無かったし、入ろうと思えば入ってこれちゃうんだ……。

 そうだ!



「うりゆ君、もしも変なのが入ってきたら食べちゃって。ウリッシもうりいも、うりまちゃんもうりりちゃんも!」



ピッピ!

ピギュアー


 うんうん。ちゃんとお返事出来る良い子たちだ。



「で無理はダメ。小さくても強いやつがいたら闘わない。その時は必殺技だよ?」



プププー!

ピピップ!



「怒ってもダメ。うりゆくん達が強いのは知ってる。でも命大事が優先だからね」


「あの、ウリ坊ズさん達って必殺技を持っているんですか?」


「うん。必殺死んだふり。うりゆ君、強いやつ来たら死んだふりだからな!」



「え……必殺って、必殺……必ず殺すじゃないんだ? 必ず殺されてるでもいいのか?……ぶつぶつ……それだと逆必殺技に……ぶつぶつ」



 大広間に案内してくれたギルドの人がなんかぶつぶつと呟いていた。

 けどそれどころじゃない。俺はこのあとどうすればいいんだ? 出来れば兄貴や裕理の無事を確認したい。

 螺旋階段へ行く通路が塞がったって言ってた。



「あの、俺はこのままここで待機ですか?」



 背負ったリュックにポヨン君達は入ってもらってるし、仏間は病院横に置いたし、俺に出来る事はもう残っていない。

 皆はどうしたんだろう。



「あの……みんなは……」


「避難されてきた方は8番から螺旋階段へ向かい下へ降りられているはずです。自分らも急ぎましょう」



 急かされてその広間から通路へと出た。さっき通ってきたカクカク通路へは戻らず、普通に一本道の別の通路を移動する。

 駆け足に近いスピードで移動するその人を見失わないよう後ろを走った。ただただ背中を見つめて走っていると道は螺旋階段のある通路に合流した。


 いつもの通い慣れた螺旋階段だ。あー帰って来たんだという安心感に包まれた。

 が、ゆっくり包まれていられる時間は貰えなかった。



「清見君、ここからはひとりで進んでいただけますか? 自分は確認業務で地上へ戻りますので」


「あ、あ、はい……、ありがとうございます。お気をつけて……」



 あっという間に通路の奥へと消えていった。俺の案内だけでここまで一緒にきてくれたんだ。申し訳なかったな。


 さて、と、螺旋階段を見た。ここが地下1階の螺旋階段のスタート地、大きな深い穴の壁沿いにへばりつくように階段が続く。現在は照明を設置してあるので結構深いところまで見える。



「おかしもちですよー、押さない、駆けない、壁際を移動してくださいー」



 声が聞こえた穴の下の方を見るとマックからの避難民達だろう、ざわつきながら階段を降りていく団体が見えた。

 子供を背負ったギルド員達も混ざっている。

 あっちの穴が地下2階、地下3階が向こうで4階があそこで……。


 避難民達は地下5階へ差し掛かるあたりか。……うん、追いつけない。俺は俺で頑張ろう。


 ふぅふぅはぁはぁ


 階段はさぁ、上るより下るほうが大変なんだよ。足を滑らせないように常に気を張っていないとならない。

 この4年でだいぶ慣れたと思ったけど、いつもの散歩気分とは違うから余計に辛さを感じる。


 ふぅふぅはぁはぁ


 あ、ベンチ。休みたい。でも今日が初めての避難民さん達が頑張っているんだ。休んでる場合ではない。だが追いつきはしない。




 結局俺が地下10階まで降りた時には、避難民達はもう居なくなっていた。

 10階の階段から通路を通り街へ行ったのかと思ったが、それは違ったようだ。



「清見さん、お疲れ様です! 皆さん、最下層の15階へ避難しています」



 そこに立っていたギルド員に言われた。


 えっ……15階? なんで?

 ニッポン街って10階だったよね? 俺が留守にしていた間に15階まで掘り進んだん???


 と言うか、俺(の足)はノンストップで10階まで降りてきてもう、命(脚の)尽きている。

 ガクガクで立てません。


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