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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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68話 光が丘へ①

 ----(大島視点)----


 陽が昇る少し前、バスの中では今日の計画が話し合われていた。



「ここから先はどこを通っても森の残骸は避けられないと思います。なるべく直進をしますが、進む道はドライバーであるおふたりにお任せします」


「多少回ってもニッポンへ着けばいいのよね」


「はい」


「どうせなら、ここからこっちへ」



 ギルド員が広げた地図の上を指差す。



「タウンを確認しに行きませんか?」



 地図の上、指差した先には『光が丘』の文字。地上にあるふたつのタウン、『光が丘パークタウン』と『ニュータウン浦安』。

 光が丘は近くに迷宮もない、ただ地上に集まった空間建物の集合体だ。


 『浦安』は確か踏破済み迷宮のそばに移動したと聞いた気がする。真上ではないがそこそこ近いと聞いた。地下が整ったあとに真上の集落を移動させる計画だったか。


 それに比べて『光が丘』は後ろ向きだ。現在場所から離れたがらない避難民が半数以上だとか。

 残り半分は後から光が丘に来た避難民で、すでにニッポンへと移動済みと聞いた。


 自分の家、あの時の空間のまま、そこに居る事でまた元に戻れると思っているらしい。本当にそうなのかどうかは誰にもわからないが、そんな噂が流れてしまい固執してしまったそうだ。


 『浦安』はここからするとニッポンより向こう側だ。だが、『光が丘』は、ニッポンへの方角より少し逸れるが、そっちへ進むとタウンに辿り着く。



「地図はあっても実際の地上がこれか……」



 どちらを向いても荒れ果てた大地。台風……いや、ハリケーンが過ぎ去ったあとのようだ。



「方向的にはあっていると思います」


「そうだな。細かい地形はもう当てにならない。方角で進むしかない」


「陽が登ったら光が丘へ舵をきりましょう」





 走り始めた。

 黒い壁、スタンピードはもう全く見えない。完全にバラけたのか、それとも目視出来ないほどの遠くまで去っていったのか。

 バラけたとしたら厄介だ。あの数の魔物が地上へ解き放たれた事になるのだ。



 光が丘方面へと走り始めてだいぶ経った時、バスがスピードを落とした。横を走るミニバンも同じようにスピードを緩め、そしてやがて止まった。


 遥か前方であるが黒い塊が目視出来た。


 壁ではなく、一点に黒い塊。光が丘のあるあたり。

 そこから先は静かに移動しつつ様子を窺う。近づくと黒い塊は山のようにも見える。


 もちろん予想通り、黒い山に見えたのはタウンに群がる魔虫の群であった。

 よく見ると魔虫だけでなく魔獣も群がっている。



「あの中に突っ込むのは……」



 ミニバンとバスは一旦停車した。



「もう少し近づけないか?」



 最近ギルドで無線機を作り使用しているのだが、距離が足りない。無線機は一応、光が丘と浦安に駐在するギルド員には渡してあるそうだ。


 長谷川さんのミニバンに俺とギルド員2名が乗り込み、ゆっくりと近づいて行く。

 ギルド員は気力スキル(スライム持ち)の河田(こうだ)さんと物理攻撃スキル:宗佐(そうさ)さんだ。

 後部座席で宗佐さんが光が丘へ無線機で連絡をとってみている。

 バスはその位置で待機していてもらう。


 


 近づけば近づくほど、魔物でひと塊りになった元集落が目に映った。



「……これは」


「いやでも、俺らもあの魔物の津波をやり過ごせたんだ。マックも仏間も無事だったぞ? 空間スキルなら大丈夫なんじゃないか?」


「けど、あんなに溜まったままじゃなかったわ。通り過ぎたじゃない? なんであそこは溜まったままなの?」



 あぁ、こりゃ、やっちまったか、やられたか。

 清みんの言うとおり、静かに死んだふりをしていれば過ぎてくれたのかも知れない。

 けど、攻撃か反撃したか、逃げた人で騒ぎになったか。『ここに餌がある』と知られたか。



「何でやつら、あそこに溜まったままなんだ?」


「まだ生きている人が居るんでしょう。やつらからしたら餌がある」


「としたらやっかいですね。やつらいつまでもあそこにいますよ?」


「なんでわかる?」


「だって、木の上でいつまでも餌を待つやつらですよ?」


「無線機は?」


「もう少し寄せませんか?」



 長谷川さんがゆっくりとバンを進める。バンは俺の防御で包んであるのだが、外が見えるように透明にしてある。

 ただ、見える事が仇となり、桜さん達の進みが悪い。多少の敵には向かって行くコアラパンダであるが、あの量の魔物には足がすくむらしい。



「ここまでね。これ以上は桜さん達が無理」


「大丈夫です!何とか拾えます!」



 俺は助手席から後部座席のギルド員を見守った。雑音まみれだが何とか向こうと繋がったようだ。


 向こうと繋がる。つまり、光が丘に駐在するギルド員は生きている。



「……そうですか。………………どうぞ…………」

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