50話 異世界マック①
----(清見視点)----
びっくりした。荒地にマックを発見した。
大島氏に誘われて、仏間を出して地上を進んでいた。(車を出して、みたいな言い方した俺、ちょっと見栄はった)
大島氏が地図を見ている、俺は言われた方向へ進む。
今回は4泊5日の長旅らしい。俺はあまり遠出をした事がない。最初の半日は見慣れた風景。いつも子供達を連れて遊びに回っているあたりだ。
そこを通り過ぎて行く。森を突っ切って作った通りやすい道が八方に伸びている。
そこらを過ぎて辺りが暗くなった頃、俺らは一旦止まって一夜を過ごす。
翌日陽が昇り、また出発する。
「仏間は畳や布団があるから寝るにはいいけど、トイレと風呂がないのが難点だな」
「まぁね。普段はただの仕事部屋だからね」
「風呂はともかく、16畳の部屋は広すぎだろ。角にトイレとか付けられないのか」
「あるじゃん、あそこに」
俺は部屋の隅にある衝立を指差した。あの衝立の後ろには簡易トイレがある。
そう。今回泊まりがけの旅行に行くと話したら兄貴が病院の看護師長さんから借りてきてくれたのだ。
「そうだけどなぁ。結局事後は自分で処理しないとならないのがなぁ」
「大島氏、まだまだ抜けてないね。便利な日本の生活が、さ。普段は迷宮でもライダーで地上でも野糞なんでしょ?」
「逆に野糞の方がラク。土かけて終わり」
そんなくだらない話をしながら2日目が終わった。明日は半日ほど進んでそこから引き返す。
ギルドの偉い人が言ってた『良いお店』なんてなかったな。この世界って地下には迷宮の遺跡はあるのに、地上に遺跡は無いんだな。
「今日は適当に流してから引き返そう」
大島氏に頷き返して仏間を進めた。そんな時に見えてきた物体。黄色いM字がニョッキリ。
「あれ、どうみてもマックだね。マックもこの世界に転移してきてたんだ?」
「そうだな。4年経った今もあるって事は、持ち主は生きているかもしれんな。ゆっくり近づいてくれ」
俺はうりゆ君達にスピードを落としてあの建物に近づくように伝えた。
近づけば近づくほど、マックだ。紛う方なきマックだ。駐車場を挟んだ位置に仏間を停めた。うりり君が駐車場へとはみ出た。はみ出れたということは、『立入禁止』で締め出しは行っていないと言う事か。
気がつくとマックの窓ガラス越しに多くの人たちがこちらを凝視していた。
「あ……どぅ、も……」
「こんにちはー! 日本のかたですかあ?」
モニョった俺の横から大島氏が大きな声で話しかけた。




