45話 復活ボス
----(大島視点)----
加瀬家井戸端会議の内容をチームの班長に話すと、そこから上へとスルスルと話は伝わり、案の定俺は会議室へと連れて行かれた。
さらば、休暇よ。
テイム課とアニマル課によりケンケン轟々の会議の結果、地上からのボス部屋アタック作戦が決定した。
地上のライダーチームと迷宮探索チームがペアになり、幾つかの迷宮を攻める事になった。
「まずはボス部屋を綺麗にしろ」
「「「「はい!」」」」
「それから入口の状態を確かめ中の状態を確認」
「「「「うっす!」」」」
うちのチーム、探索チームBはどことも組んでいない。今回は待機なのか?
そう思ったがすぐに誤解であることがわかった。
「今回は、ここより遠めの迷宮がターゲットだ。普段、放置気味の迷宮だ。そこでまず1回目のアタックでボスを確認。ボスの種類、成長度合いなどを確認してから倒すように」
ふむ。ボスは成体だろうからまずは倒してよしと。ボスアタック1回目は種類を知るためか。
「倒したら一度入口から外へ、ボス部屋の入口がどうなるか確認。完全に閉じられるのか、それともオープンなままなのか。入れるのならば、中でボス誕生を確認してくれ。閉じられた場合は次の入場までの日数、時間を測るように」
「測った後はどうされますか?」
「倒してくれ。3度目が大島チームの出番だ」
は? うちは探索チームBですが? 俺が率いたチームじゃありませんよ! 久瀬さん!何で頷いているんですか!あんたが班長でしょうが!
「うち、大島チームは何をすれば?」
あ……久瀬さん、大島チームって言ったよ、この人。
「ボス部屋解放の前に、大島君には入口を壊してもらい、チームで中へ突入してくれ」
「ではボス討伐後に扉がオープン状態のままの場合は?」
「その時はもちろん、各チームはボスが幼体なら持ち帰り、成体なら討伐後に帰還してくれ」
清みんのうちでのママさん達の話、ボスの出産……か、どうかはともかく、次のボスが湧くまでの時間に何かしらの秘密がある、ウリ坊が成体の猪ではなくウリ坊でゲット出来た秘密があると、ギルドも考えた。
俺はボス部屋が密室だった時に無理にこじ開ける要員か。
「タイミングはどうしますか? もしも、成体になる前の幼体がそこに存在したとして、どのタイミングでボス部屋をこじ開けるのか。早すぎてもまだ生まれていないかもしれない、遅いと成体になった後かもしれません」
「そのための2回目のタイム測定だ。もしも、扉解放までに3日だった場合は、2日目に。例えば10時間だった場合は5時間後に突入してくれ」
「なるほど。ちょうど中間あたりですね」
「これだけ探しても見つからないウリ坊だ。もしかしたらもういないのかもしれない。今回の作戦は、居たら良いくらいの気持ちでやってくれ」
「そっかぁ、ウリ坊は絶滅危惧種だったかもしれないな」
「この世界の猪は幼体がいないのかなぁ」
「とにかく、命大事が第一だ」
「「「「はい!」」」」
今回向かう迷宮は少し遠めだ。同じ方向に6チームが向かうが、途中でそれぞれの迷宮へと別れる。
俺らチームB及びテイマーの山崎さんは、5つの迷宮の中間地点あたりで待機になった。
ボス部屋の扉がオープンなら俺らは帰還する手筈になっている。それぞれがボス討伐後に連絡係が俺らの元にやってきた。
ボス部屋は閉じられたそうだ。ちっ、俺らも参加か。
ボス部屋の復活は迷宮により様々なようだ。迷宮により、なのか、はたまた毎回ランダムなのかは不明だ。
ただ、最初に知らせが来た迷宮は『復活まで12時間弱』だったそうだ。その中間の時間に扉をこじ開ける。
いや、間に合わない。そもそも知らせがここに来るまでに4〜5時間は使っていた。
「ダメですね。そちらの迷宮は放置で。俺たちは他からの連絡を待ちましょう」
結果、ボス復活まで3日ほど要したのが2箇所、4日強と5日弱。
「復活まで3日がかぶっているな。まずはCチームに行くか。それから間に合えばEチームか」
「班長、CとEは厳しいっすよ」
「そうだな。余裕を持ってFチームを先に。それからAチームを」
「DとEは? 今回は放棄ですか?」
「いや、ボスの様子を伺いつつそこもクリアするぞ」
という事で、迷宮のボス待ち時間が迷宮によってまちまちだったのが良かったのか悪かったのか、結局ひと月ほどかけて行ったり来たりと5つの迷宮のボス部屋破りを行った。
俺はもっぱらボス部屋前の扉になりつつある壁をぶっ壊すだけであったが、テイマーは大はしゃぎであった。
何しろ、加瀬家ママさん井戸端会議は大当たりだったのだ。
ボス討伐後、復活前に飛び込んだそこに居たのは、魔獣の幼体だったのだ。
ウリ坊ではなかったが。
チームAが居た迷宮ではゴリラ、Cでは犬、Dでは熊、Eでは山猫、Fではヒョウが居た。
それも生後ひと月ほどのベビーだ。
テイマーが狂喜乱舞したのは言うまでもない。討伐チームの面々も踊り狂っていた。
「ぐはぁーっ! めっさ可愛ええぞ、こいつ!」
「待て待て待て、テイムするぞ! どいてくれ!」
「何で俺にテイムの能力がないんだあああああ!飼いてええ」
「やばっ、可愛い。持って帰ろう」
「ごらあ! 触るな! テイムが先だ」




