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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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42話 スラマジック

 ----(清見視点)----


 飛行機カフェがオープンして地上が賑わっているある日の午後、地下の俺の自宅も賑わっていた。

 何故かうちにマナママ、リコママ、郁未ママ、コタママが集まっている。


 普段から子供達が集まる事は普通にあった。だが、今日は何故かママさん達も集まって井戸端会議をしていた。

 俺は特に呼ばれてはいなかったので、子供グループに混ざっている。



「あ、こっちこっち。大島君」


「最近忙しいみたいだけど大丈夫?」


「ええ。今日の午後から明日は休暇になりましたので」


「ごめんなさいねぇ。休暇なのにわざわざお呼びしちゃって」



 大島氏はママさんグループに招かれていった。…………あの?大島氏に用事があるなら大島氏の自宅に集まれば良いのでは?

 もしくはママさんの中の誰かのうちに集まるとかでもいいのに。何でうちなんです?



「清みん、ちわっす。上は賑わってるってな」


「あ、うん。でも俺はあんま……ほぼ関係ないから……」


「そうなのか。ポヨンさん達は機体カフェにバイトに行ったりしないのか?」


「あら、来てくれてるわよ。交代で2体ずつ、かな?」


「そうそう、バイトリーダーじゃないけど、魔物リーダーみたいになってるわよね? 喧嘩してる子の仲裁してるし」



 えっ!

 俺、全く知らないんですが。ポヨン君…………いつの間に。


 別にいいんだよ? ポヨン君は俺の持ち物じゃないんだ。友達なんだ。友達がバイトするのにわざわざ俺に断りをいれる必要はない。

 ないけどさぁ、バイトしてるって教えてくれてもよくない?



「友達ならさ、バイトしてた事、内緒にしなくてもいいじゃん?」



 俺はポヨン君を顔の前まで持ち上げた。ポヨンさんは喋らないが、心持ち、しょんもりしたように見えた。



「俺の事……友達って思って、ないんだ」



 俺もしょんもりと項垂れた。マジそんな気分なんだよ。付き合っていると思ってた彼女に彼氏が居た!みたいな気分。

 いや、俺、彼女居た事なかった。


 俺の両手に挟まれた状態でポヨン君がウニョンウニョンと動いた。と思ったら、どこからか木のカケラみたいな物を取り出した。



「あら、それ、カフェの無料券!」



 俺の尻や膝に居たパミュンちゃんらも、その木札を掲げて俺に差し出すように突き出していた。



「それ、バイト代よ。きっと清見君にプレゼントするために内緒でバイトをしていたのね」



 俺は手の中のポヨン君、俺の腰回りに居るパミュンちゃん、ふるふるさんを見た。

 なんだか照れたような、けれど自信ありげに差し出す木札。俺はソレを受け取った。ちょっと涙が出そう。



「ごめんな。みんなを疑ってごめん」



 俺はスライム達を抱きしめた。



「ちょっと待ったあああああ!」



 大島氏が突然大声をあげた。



「感動の場に水をさして申し訳ないが、言わせてくれ」


「うん?」


「ツッコミどころが満載なんだが!」



 え?どこが? あ、プルン君が居ない事かな? プルン君は地上で見回りか食事か、あ、もしかしたらカフェでバイト?かも。



「その木札、今、どこから出した?」


「ん? これ?」



 木札には『フリードリンク』と書かれてあった。飛行機カフェのドリンク券だな。あ、パミュンちゃんのには『デザート』と書かれている。これもあそこで使えるのか。

 どこが出した木札かって、ギルドだよな?



「発行元はギルドじゃない?」


「違う違う、そう言う意味じゃない。今、ポヨンさんは、ソレを、どこから出した?」



 え? どこから出したっけ? ポケット? いや、スライムは裸だ。服は着ていない。

 わらび餅色だが、実はポケットが付いていたりするのか?

 俺はポヨン君を撫でくりまわした。



「ええと? ポケット……は、ない、みたい? ツルツルモチンとしてる」


「スライムは自分の体内に物を収納出来るのか?」


「…………さあ?」


「あれじゃないの? ほら、なんていったけ、あなた達がよく話しているファンタジーなやつ」


「そうそう、収納ボックスだっけ?」



 いや、収納ボックスは仏間の押入れにあるやつだ。俺らが話す異世界ファンタジーに出てくるのは、無限収納ストレージとかアイテムボックスだ。


 大島氏が俺を見た。俺は顔をふるふると横に振った。



「知らない。今、初めて知った」


「4年近くも一緒に暮らしていたんだろ? 見た事はなかったのか」


「ないないない」


「あ、ああ! 私あるかも」



 郁未君ママが声を上げた。



「ほら、スライムさん達ってよく地上でカニを獲ってくるじゃない?」



 カニ……蜘蛛だな。俺が唯一美味しいと食べられるやつ。大型の蜘蛛で茹でたり焼いたりすると真っ赤になるとこも蟹に似ている。味は極上の蟹だ。

 俺が好きなのでポヨンさん達はよく獲ってきてくれるみたいだ。


 食糧は基本、まずギルドへ。そこから住民(各町会)へと配分されるのだ。それがわかっているので、ポヨン君も直接俺の元に持ってきたりはしない。持ってこられても捌けないからな。



「それでね、前に一度、地上のギルド小屋の近くにスライムが居るのを見かけて、清見君のところのスライムだなぁって見ていたら、突然背後にボンっと蟹の山が湧いたの。一瞬、上から生きてる蜘蛛が落ちてきたのかとびっくりしたんだけど、すぐに小屋から出てきたギルド員が台車に積んで運んでいったわ」


「蟹の山……。どのくらいの数か覚えていますか?」


「ううん、パッと見ただけだから」


「あの蜘蛛の魔物は胴体のサイズだけでも平均すると40〜50センチだ。それが数匹としても結構な量だな」


「数匹かなぁ。もっとあった気がする。2メートルくらいの小山になってたから」


「とすると、その量をスライムの体内に保管出来ると言う事か」



 うーん、アイテムボックスかストレージね。ファンタジーっぽいけど、そうなのかなぁ。



「収納と言うよりさ、ゆっくり溶かして食べるけど、その前に吐き戻したって事はないかな」


「リスの頬袋みたいに?」


「それだとサイズが合わない。30センチ大のスライムに2メートルの小山の蜘蛛だぞ?」


「あ、そっか。どっちにしても、体内に謎の収納空間があるって事か」


「それ、大島君がギルドで聞けば早いんじゃない? だってよく食糧を調達してくれてるから、それを受け取ってるギルドは見る機会も多そう」


「確かにそうですね。そうか。もしかしたらギルドでは普通に知られているのかもしれないな」



 そうなのか。飼い主と言うか家族の俺も知らなかったけど。まぁ別に知らなくても今まで困らなかったからな。



「うちの子にも何か預けてみようかしら」


「気をつけないと食べていいのかと思って溶かされちゃうからね」


「そうねぇ。食べても問題ないものを渡してみようかな」


「清見君はどうやってたの?」


「いや、俺、やってません。渡してません」


「そっかそっか。ごめん」



 やっていたらこんなに驚かなかったぞ。ところで、大島氏は何で呼ばれたんだ?



「それで、ご相談というのは?」


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