41話 カフェ
----(清見視点)----
俺はいつも午前中は地上の仏間で修繕作業、午後は週一で園児を連れた外散歩、それ以外は地下の自宅でまったりしている。
最近はギルドもママさん達も大島氏や兄貴も、何かに向かって大忙しだ。
何かに。そう、空間スキルの経験値マックス及び魔物のテイムだそうだ。
俺はすでに経験値100になっているし、魔物もスライム4、ウリ坊5の合計9体を持っているので、今回は放置されている。
良かった。これ以上魔物を増やせとか、修繕屋を9時5時にしろといわれたら押入れに籠るところだ。
もちろん兄貴や大島氏、ママさん達からヘルプ要請が来たら出来る事はするつもりでいる。あくまで、出来る事、ね。
実は昨日あたりから仏間の外が騒がしい。
どうやら飛行機の魔物カフェ……正式な店名は何だか忘れたが、触れる喫茶店みたいなのがオープンしたらしい。
いつもは仏間の外にある仏壇への参拝は午前中までなのだが、カフェオープンに伴い、参拝も15時までに延長したそうだ。
そのへんの仕切りはギルドで行っている。しかも機体カフェの無料券を配布している。うちの仏壇(外)横で。いいけどね。
実はプレオープンの時にドドクサと3人でお邪魔したのだ。
機内がオシャレ空間になっていた。そして、座席の上の荷物入れのカバーがオープンになっており、そこに色々と居た!
初めて見る魔物。機内の前半分がモフモフコーナー、後ろ半分はツルッとコーナーらしい。まぁ、爬虫類っぽいやつだな。
しかも、ちゃんとテイマーが躾けているのでよっぽどの事をしない限り噛んだりしないそうだ。
ハムスターに噛まれた事のある俺は、それは信じていない。奴らは噛みたい時は噛む。
色々と注意事項が壁に貼られている。それとこの部屋に居る子達の名前や特徴とかポスターもある。
俺らは3人が並んで座れる場所を見つけてそこに腰掛けた。
「あら、清見君。いらっしゃい」
「こ、こんにちは」
リコちゃんママが店員さんとして俺らのテーブルに来た。前の座席の背にメニューが貼られていたので、それぞれ飲みたい物を注文した。
少しして飲み物が運ばれてきた。飲み物と一緒に小さな包みを渡される。
「オヤツです。あ、あなた達のじゃないわよ。魔物ちゃん達のオヤツ。近くに来たらあげてみてね」
おお、そんなサービスもあるのか。もしかすると、そのうち有料になるかもしれないな。
とりあえずミルクコーヒーを頼んだので飲もうと手を伸ばすと、カップの後ろから顔を覗かせた白い物体がいた。
なんだ、コレ。可愛いけど何だ?すごく小さいな。毛量の多いハムスター? わからないけどオヤツの包みを開けて何かの塊を摘んで差し出してみた。
顔を近づけてクンクンした直後、両手で掴んでバリバリと食べ始めた。バリバリと。歯が…………うん、凄いな。小さくても魔物。
えっ、もっとくれ? はい。全部どうぞ。
横を見るとドドも何かの物体を撫でていた。
「オープンしたら30分の入れ替え制になります。お手元のアンケートに記入をお願いします」
慌ててアンケートに目を通して記入した。大毛量ハムはオヤツを食べ終わるとさっさとほかへと移っていった。
俺が行ったのはプレ日のみだが、機体カフェは順調のようだ。ドドクサの話によると、保育園も凄かったらしい。
少し前まで幼児が居なく閑散としていた保育園であったが、今は小型魔物とテイマーで賑わっているらしい。
「郁未君ママさん達も今まではスライム一体だったけど、そのうち小型魔物をテイムしに行くと言ってました」
「シショーは行かないんですか?」
「えー、俺はいい。ポヨン君達もいるし、うりゆ君らもいるから」
「そっかぁ。俺らもテイムしたいよなー」
「だよなー。気力スキル石欲しいなぁ。清見兄貴、たまには迷宮に付き合ってくださいよ」
「えー、やだよ。修繕無い時はゆっくりしたい。ギルドで買えないの?」
「今、全く買えないですよ。デスエも気力スキルの有用さに気がついちゃったから石が出てもこっち、ニッポンには回ってこないっすよ」
「こっちのギルドも、ギルド員がスキル習得に使うだろうし、もう自分で出すしかないんだよなー」
「ママさん達のスキルがマックスになったら、迷宮に入るかもしれないからその時についていけば?」
「兄貴ぃぃぃぃ!最高っす」
「シショー!ついていきます!」
いや、俺、行くかわからないけどね。




