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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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38話 テイム行き詰まる

 ----(大島視点)----


 テイム課の山崎さんを加えた俺たちのチームは、森で行き詰まっていた。



「そもそも、この森でぇ、可愛い生き物を取ってこいとか、無理もいいとこっすよ」


「ですね。上の方に居るのは大物ばかりだし、下の方は虫ばかり」


「目が五つ以上あるのは可愛いから外れるだろうか……」


「触覚がミミズみたいなのはNGですよね?」


「いや、お前、あれは虫じゃないか?魔虫……」



 本当に難しい。

 休憩タイムに桂さんがブリブリと怒っていた。山崎さんは、これまでにテイムした3体に餌付けをしながら撫で回している。とりあえず噛んだり吠えたりはしてこない。


 一体はカビたボール。山崎さんはマリランと名付けていた。マリモとケセランパサランの合体した名前だな。まぁ、細い手が可愛いと言えないこともない。



「マリランちゃんさぁ、ぱっと見サッカーボールサイズだけど中身は夏みかんサイズなんだよ。あとはこの絹のようなフサフサの毛。おしゃれさんだ」



 山崎さん、もうデレデレだな。テイム課は皆あんな感じらしい。まぁ一種の生き物好きというのか。

 もう一体が、ウズラサイズの鳥なんだが翼が小さい。飛べないので地面を移動するのだが、丸々としていて足で歩いて移動ではなく転がっていた。


 三体目はムササビに似ている。似ているが、ムササビってこんなだったか? てか、日本に居た時もムササビと出会う事はなかったからな。俺の知っているムササビは両手両足が体とくっついた毛皮のマントみたいなので木から木へ飛び移るってイメージだった。


 こいつは、完全に背中にマントを羽織っている。あのマント、どこにくっついているんだろうか。肩か首か……、めくろうとしたら山崎さんにピシャリと手を叩き落とされた。



「大島君、勝手にめくらないでくれ。君だって今着てる服を知らないおっさんにめくられたら嫌だろう?」


「あ、すんません」



 山崎さんは「ムゥちゃん、ごめんな?」と言いながらマントの上から撫でていた。



「半日で3体か……。森を変えた方がいいかもしれないな」



 久瀬班長がため息を吐いた。



「そうですねぇ。ここらは魔獣は少ないっすね」


「安全のためにかなり切り拓いちゃいましたからね」



 そうなのだ。地下都市ニッポンの地上部は、安全のために森を切り拓いた。

 それでも、この世界の植物は成長が速い。伐採しても一年以内にはニョキニョキと木が生えて伸びていく。


 ただ、新しい木は細い。細い木には大きな魔物、強い魔物は来ない。だが、魔虫は気がつくと存在している。

 俺たち地球人はこの星を丸ハゲにする気はない。ただ、自分達の街の上部の間引きは定期的にさせてもらっている。


 それと、他の集落への道としての部分だけ、森の木を伐採させてもらっている。


 今は地下都市での農業、酪農で、ようやく少しだけだが食糧が作れるようになった。しかしまだ地上の魔物から食糧も獲らせていただいている。なので、濃い森、深い森も近場に残してある。だが、そこは人間にはかなり厳しい。


 デスエの人達が、かつて地上にはいっさい出なかったのも頷ける。そういう森に入れるのはテイムしたスライム達くらいだ。俺たち人間が出来るのは、彼らが狩ってくれた獲物をこっそりと持ち運ぶ程度だ。


 俺たちが今回テイムしたい魔物は、虫系ではなく獣系でかつサイズは小型だ。

 伐採された新規の森に居るのは虫系、このあたりで残された深い森に居るのは大型の獣系。


 ここらでの活動は難しくないか?

 それは皆もそう思っているようだった。



「もっと遠方の、俺ら人間の手がついてない森じゃないと難しいですね」


「そうだな。手付かずの森の浅い区域、木の幹が太くなる前あたりに居そうな獣か……」


「かなりの遠出になりますね」


「けど、それはそれで本末転倒になりませんか?」



 テイム課の山崎さんに皆の注目が集まった。



「ほどほどの大きさ魔獣を、ただテイムする。それが目的ではないはずです」


「カフェ用の小型の魔獣を集めたいんですよね?」


「それは手段です。それ以前の目的を思い出してください」


「目的? だからカフェの……」



 いや、違う。



「空間スキル持ちのテイムを増やす。それが目的だった。その前に空間スキルをマックスにするために小型魔獣カフェをする、俺らは今、その魔獣を集めている」



「正解です。大島君。今回は確かに小型魔獣を持ち帰ればいい。今回の目的だけは達成する」


「けど、それが遠方のしかもかなり危険な森になると、空間スキル持ちの人達のテイムは難しくなる」


「そうなんですよ。なんのためのテイムなのか、もう一度考えた方がいい。ただ今回は小型魔物のための遠出もありかもしれませんが、それはそれだけのもの」


「うむ。確かに山崎さんに言うとおりだな」



 久瀬班長が少しの間考えてから再び俺らを見渡した。



「今日は午後も使い、あと何体かゲットして一旦帰還する。本部と目的について打ち合わせ後、遠方まで足を伸ばすかは追って決める」

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