表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/107

31話 スキルはわからないことだらけ

 ----(清見視点)----


「あの……リコちゃんママ……、バスグリンちゃんは、今地上ですか?」



 皆が、「えっ」とか「あっ」という顔になった。俺の言いたい事がわかったようだ。



「そっかぁ、バスグリンちゃん、どうなっちゃうのかしら」


「とりあえず呼んでみる!」



 そう、テイムしている魔物だが、スライムは地上に居てもよほど離れた場所に居ない限りは、地下10階層まで螺旋階段を飛んで(転がって)降りてくる。


 コアラパンダやウリ坊などの中型魔獣は、地上部で待機している。過去に地下1階の螺旋階段へ向かう通路で詰まってしまう事件があったため、下で『集合』がかかっても地上で待つように言い聞かせている。


 リコちゃんママがひと言、名前を呼んだ後、皆は静かに待った。


 テイムが空間スキルに紐付けされているのなら、空間スキルが消えた時点でスライムはリコちゃんママから解き放たれたかもしれない。


 もしも、解き放たれたとしたら、形はどうなるんだろう?魔物はテイムされた瞬間に多少の形態変化が見られる。

 例えばスライムはテイムされる前は、掴みどころの無いドロドロ状態だ、それがテイムと同時にボヨンボヨンとある程度の形になる。コアラパンダは、テイム前はコアラに近い状態だったな。


シュルンッ!


 待つこと1分ちょいで、何かが横をシュッと通ったと思った次の瞬間に、リコちゃんママの手の中にはバスグリンちゃんが居た。


 バスグリンちゃんのままの形態だ。溶ろけていない。ボヨンボヨンだし、緑がかったグレー……、いや、だいぶ綺麗なグリーンになっているな。他人のスライムを気にして見た事がなかったが、前からあんな色だったか?



「空間スキルが無くなっても仲良くしてくれるみたい」



 ほっとした表情でリコちゃんママは手の上のバスグリンを撫でていた。



「スキルが消えても仲良くなった魔物はそのままなのね。良かったわ。うちのバブル君も郁未が可愛がってるから居なくなったら大変」



「空間スキルとテイムは、実は無関係という事でしょうか」



 いつの間にかギルドからの人が周りに増えていた。深夜だったが、スキル消滅検証でギルド職員の夜間作業がずっと続いていた。絹田3佐……あ、もう3佐ではない、ギルド長を見たのは久しぶりだ。


 俺が仏間か自宅にこもっているのもあるが、ギルドはギルドでいつも忙しそうだからだ。

 ギルドからの情報は兄貴か、ドドクサコンビが持ってきてくれるから俺からはほぼ出向かなくなっている。



「あちらはどうでした?」



 2キロ離れた場所に置かれたリコちゃんママの風呂場。スキルが消えたと言う事は、再生物資は……。



「はい。物資の再生はありませんでした。事前に中身を抜いておいたシャンプー等の容器はカラのままでした」


「そうですか……」



 リコちゃんママが少しだけ寂しそうな顔をして俯いた。4年前、ママさんとリコちゃんと一緒にこの世界に来たバスルーム。

 それが終了した。

 戦場を一緒に生き抜いた戦友が亡くなった……そんな感じだろうか。


 だが、次の瞬間に顔をあげたリコちゃんママは、晴れやかな表情になっていた。



「ありがとうございました。重い荷物をやっと下ろせた感じ、かな。ギルドの方にも色々とお世話になりました」


「いえ、こちらこそ、物資をありがとうございました」



 絹田ギルド長が頭を下げるのと同時にギルド員達も一斉に頭を下げた。リコちゃんママも再び頭を下げた。

 他のママさん達も一緒に頭を下げていた。慌てて俺も頭を下げた。なんかよくわからないが、『THE日本人の礼儀作法』に違いない。



「ところで、スライムはテイムのまま、なんですね」



 そう、絹田ギルド長が再びその話を出してきた。



「命令をしても今までどおりに?」


「ちょっとお待ちください。バスグリンちゃん、ジャンプしてみて」



 リコちゃんママがそう言うバスグリンはその場で地面からボヨンと飛び上がった。



「ふむ。一度テイムすると空間スキルが消えてもそのままなのか。空間スキルとテイムは無関係なのか?」



 何故か俺に問いかけるようにこっちを見ながら絹田ギルド長が話すんだが? 俺に聞いても俺は知らんよ?



「しかし、ギルド長。空間スキル持ちのみがテイム可能なのは事実です。関係はあるかと思われます」



 多分ギルドの中でも、絹田さんさ……じゃなかった、ああ、面倒くせー。絹田さんの部下なのかが、何故か俺を睨みながら言う。いや、俺、何も言ってないよね?



「テイムをするという行為が空間スキルと関係しているのかもしれないな。既にテイム済みの魔物はそのままなのだろう」


「つまり、空間スキルを失うとテイムするという行為は今後は不可能と言う事ですか?」



 あのぉ、上司と部下の会話なのに、何故ふたりとも俺から目を離さずに会話をなさるんで???



「おそらくそうだろう。今後のテイムは不可能だと思う。なぁ、清見君」



 あ、とうとう俺を名指しした。これ、俺が何か言わないといけない流れ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ