27話 スキルランク
----(清見視点)----
仏間で夜は更けていくが皆の話は尽きない。
この世界へ来たばかりの頃の苦労話から、今はこの世界の魔法の話へと変わっていた。
魔法スキル……そう言えば、ドドクサが集めたスキル情報に魔法系なかったか?
俺は仕事(修繕)で籠りきりだけど、ドド達は学校やバイトで習ったりしたのか?
「学校で、スキルとか魔法について習ったりするのか?」
ドド達はお互い顔を見合わせている。
「学校で教わったのは地球の知識ばっかだったよな?」
「そうそう。いずれ戻った時のために出来るだけ勉強しておくようにってさ。英語とか数学とか歴史とか物理とか。あとは、デスエの常識……とかかな」
「杏達もか?」
「うん、そんな感じ。あと運動とか」
「あ、魔物学とかあるよね。魔虫、魔獣、魔物」
「ああ、植物学授業もあったわね」
あれ……、なんかちょっと羨ましい。いや、俺30になったし今更学校なんていいんだけどね。
魔物学とか薬草学とかなら学んでみたいな。
『いずれ戻る時のため……』
やはり、ニッポンギルド(元自衛隊)では、それも考えているのか。
あれから3年半。
俺たち、戻れるのか?
そもそも、あの日何が起きたのかもわからない。
突然、異世界への転移。
空間スキル持ちは空間ごと転移してきたが、身ひとつで来た者達の話からすると、謎の黒い物体が空から人間めがけて降ってきたとか。
どこかの国からの攻撃なのか、はたまた宇宙人の攻撃なのか。
俺たちはこの星へ来たが、残った地球人は宇宙人を撃退出来たのだろうか。攻めてきたどこぞの国に勝てたのだろうか。
そして復興後、俺たちがここで生きている事に気がついてくれるにだろうか? いつか助けにくるのだろうか。
考えれば考えるほど無理な気がする。
俺はもう一生この世界な気がする。学ぶならデスエで、だなぁ。
地球の授業はいいや。
そう言えば、みんなはあれからスキルを増やしたのかな。スキル配給券とか貰ったな。俺は今は要らないから放置している。あれ、有効期限とかあった?
「ギルドのスキル石の配給券って有効期限あったっけ?」
「特には載ってなかったな」
「配給きたら直ぐにスキル覚えたから期限は気にしてなかった。シショー使ってないんすか?」
「うん。今は仏間と回復だけで手一杯だから」
「勿体ない。あれって他人へ譲渡可能でした?」
「譲渡禁止の記載もなかったな」
「清見兄貴ぃ」
クサが背中に縋りつく。
「やらんぞ。アレはいずれ裕理にあげるのだ。ところで、皆さんはスキル増えたんですか?」
聞けば全員『物理攻撃』はスキル習得済みだそうだ。元から物理攻撃を持っていた兄貴、鮎川さん、ドド、クサ、倉田、杏は、『体力』のスキル石を貰ったそうだ。
この3年でどのくらいスキルのランクが上がったのか聞いてみた。
「授業やバイトがあるからそうそう上がらんっすよ」
「だよねー。子供はダンジョン禁止だし」
「俺らも最近ようやく、勉強も兼ねてのダンジョンです。あれじゃ経験値は稼げない。大島さんは忙しそうで頼めないし」
兄貴は物理攻撃が(中)で、体力が(弱)までいっているらしい。
それと紬が体力が(中)、物理攻撃が(微)だ。
残りは皆、物理攻撃が(弱)、体力が(微)
それでも、俺らと居た間にかなり経験値を稼いだようで、他の者よりはランクは高いらしい。
ママさん達も全員、物理攻撃は(微)のままだ。ママさん達はダンジョンには行かないからな。
皆の会話からドドがまたしてもスマホメモにまとめていた。
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【スキル】
清見兄貴:仏間100、回復、(スライム、ウリ坊)
橘さん:物理攻撃(中)、➕体力(弱)
鮎川さん:物理攻撃(弱) ➕体力(微)
俺(小宮):物理攻撃(弱) ➕体力(微)
クサ:物理攻撃(弱) ➕体力(微)
倉田さん:物理攻撃(弱) ➕体力(微)
杏ちゃん:物理攻撃(弱) ➕体力(微)
紬ちゃん:体力(中)➕物理攻撃(微)
郁未ママ:トイレ100、(スライム) ➕物理攻撃(微)
璃子ママ:バスルーム100、(スライム) ➕物理攻撃(微)
愛菜ママ:ダイニングキッチン78、(スライム) ➕物理攻撃(微)
機体:機体49、(スライム) ➕物理攻撃(微)
園長:保育園52、(スライム) ➕物理攻撃(微)
看護師長:産科病棟100、(スライム) ➕物理攻撃(微)
なるほど〜。
「シショー、回復のランクって何でしたっけ?」
「あ、強で」
メモの俺の欄が修正された。




