25話 祝福の距離②
----(清見視点)----
「あ、でね、俺が今言いたいのは……」
どうも、俺は上手く言いたい事がまとめられなくて申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
けれど、ママさん達は辛抱強いのか急かさずに聞いてくれる。
「でね、その検証はそのままだったんだ。うちから5mを離さずに物資を再生させる。これはちゃんと自衛隊にも共有した。あの、畳とかシーツ再生もそうなんだ。夜中の祝福再生じゃなくて、傷を付けるやつ。あれも、5mを越えると傷がついたまま再生しない」
「あ、それ。清見君に言われてうちらも物資再生は空間内、もしくは空間の周りって聞いたわね」
「そうですね。病院のベッドも傷を付けて外に置くけど、傷のある部分が5mを越えると再生はしなかったわ。それで病院周りに線を引いてたのよ」
おお、流石、看護師長さんだ。病院は人が多いし伝わりづらいからな。
「つまり、今回の経験値100は、距離が延びると?」
うわ、兄貴、早いよ。先に答えを言わないで。
「ああ、そういう事?」
「それは検証済みなの?」
「あ、あの、ですね。ええと、検証もしました……けど、ソレ以前に、経験値が10を超えた時に、気になってやってみました。あの時はもう、ニッポン街は出来ていたし、水には困らないからいいかなって……」
「なるほど。それで?」
「うん。経験値10ごとに、距離が1m延びた」
「じゃあ、100で10メートルまで祝福空間が拡がったってこと?」
「あら、違うわよ。最初が5メートルだから15メートル?」
「15メートル……結構広いわね」
「ただ、経験値100以上は距離は変わらなかった」
「そうなのか。でも、ま、祝福の空間が拡がっただけでもいいんじゃないか?」
「そうなんだけどね……。俺は、100以降は……、もしかしたらソレ以前もかもだけど、スキル消滅の猶予時間が延びたんじゃないかとも思ってる。ただそれは検証出来ないから、あとは自衛隊……ギルド任せかな」
「スキル消滅時間かぁ。それっていまだに誰もどこも解明出来てないやつよね」
「バスとフェリーはいつの間にか消えてたからねぇ」
バスママさんもフェリーママさん今日は来ていない。実はそこまで親しくないみたいだ。
あの頃、避難民がどんどんと増えていったし、仲良しのママさんグループが別だとあまり関わりもない。
ミニバンママさんは別のママさんグループなのだが、子供の翔洋君が保育園で機体ママさんとこのコタ君と仲良しなのだ。
子供散歩のグループは一緒だ。なので外でも割とよく顔は合わせる。が、今夜は来ていない。転移当初の集まりって聞いて遠慮したのか。
「ねぇ……………………、お風呂っている?」
風呂ママさんがグビっと缶ビールを開けてから放ったひと言に皆が無言で注目した。




