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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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23話 久しぶりの仏間

 ----(清見視点)----


 空間スキルの話はそこで一旦締め括った。兄貴が。


 しかしこのメンバーで集まるのが久しぶりだったのか、そこで解散にはならなかった。各自子供は預けてきているのもある。

 この世界へ転移して苦労してきた初期メンバーだ。デスエ人と出会い迷宮の地下へ移り住んでからはそれぞれの生活がスタートしたからな。



「今日は久しぶりにゆっくりさせてもらおうと思ってぇ」


「あ、うちもうちも。お泊まり保育に申し込んだわ」


「園は若い人達が頑張っているから私もゆっくりできるんです」


「私も先生達からたまには休めと言われちゃって。それに何かあっても直ぐに呼びにきて貰えるし。そうだ!久しぶりに地上の仏間で私たちもお泊まり会をしましょうよ」



 えっ?えっ? 仏間で大人のお泊り会?女子会か? 俺らおっさんは? えっ、俺らも?



「あ、兄貴……」


「おう。うちも裕理は郁未君達と一緒にお泊まり会だな」


「そ、なんだ」



 って、え?え? じゃ、兄貴も俺もお泊り会に参加の方向?



「なんか久しぶりですよねー。このメンツ。この世界に来て3ヶ月目くらいでしたっけ? シショーと合流したの」


「そうそう。その前は機体に篭ってた。それ以前は大島さんのボックスに入って森を彷徨ってたんだよなー」


「あ、今日は大島っちは?」


「大島さんは今、迷宮に潜ってるはずっす」



 俺たちは地上へと移動した。



 少しした時、通りから女の子の大きな声がした。



「こんにちわー! 部活終わったー」


「こっちだと思ったー。お邪魔しまーす」



 仏間は半分ガラスの障子が一面なので、それが誰かは直ぐにわかる。杏と紬だ。

 小学生だったふたりも今ではもう中学生。とは言え、そんなに多く中学生がいるわけではない。こじんまりとした人数で日々勉強や運動をしているそうだ。


 今も部活終わりと言ってたな。人数が少ないんじゃ部活も限られるんじゃないか?



「おう、杏、紬、お疲れさん。入れ入れ、シショーの仏間だけど」


「あ、ミチお姉さん、先に来てた」


「私の方が終わるのがはやかったから先に来ちゃった」



 そう答えたのは倉田さん。ドドクサと同じ高校だった女子だ。そうか、確か倉田美智さん。3人は今、一緒に住んでいるそうだ。



「ふゆお姉さんも居るー。今日はこっちにお泊りだよね?」


「着替え持ってきた。パジャマも」



 ふゆ? 紬に笑顔を向けたのは鮎川さんだった。俺ら兄弟とこの世界で最初に合流した女性だ。

 鮎川さんはふゆというのか。冬子かな?



「清見君、布由です。布に理由のゆうで、ふゆ」



 そ、そっか。いつも鮎川さんと呼んでいるので知らなかった。兄貴は知ってたのかな? たまに鮎川さんとふたりで居るのを見かける。


 そうしている間に日が暮れてきて、ママさん達はキッチンから夕飯を運んできた。

 それとアルコールも。俺はジュースで。



 よくわからないが乾杯をしてみんなで賑やかな夕飯になった。裕理が居ないのが少し寂しい。


 けど、俺の気持ちに気がついたポヨン君がテーブルの下から俺の胡座の真ん中へと乗ってくる。

 尻側に何かが触れたと思うと、フルフルさんだった。プルン君とパミュンちゃんも近くに寄ってくる。



「相変わらず清見君は、子供達に囲まれていないとスライムに囲まれているわね」



 え、そうですか?そんな事ないとおもいますが? 俺はいつも仕事(修繕する服)に囲まれていますよ。



「あ、清見兄貴、今日の午後から明日一日は修繕受付は断る貼り紙しときました」



 うおい。勝手に。いや、ありがたいけどね。


 クサ達は修繕受付小屋でバイトをしてくれている。ママさんらも交代で入ってくれているみたいだ。

 俺はもっぱら仏間で仕事をしているので小屋へはあまり行かない。



「清見君の修繕屋さんは人気だもんね」


「いや、人気とかじゃなくて、俺しかいないから……」


「そうねぇ。回復持ちが最低でもあと4〜5人は欲しいわね」


「橘さん、どうなんです? ギルドで回復スキル持ちの話とかきかないですか?」


「どうだろうな。俺は知らないけど、圭介や秀の方が知っていそうだな」



 兄貴がドドクサに話をむけた。



「あ、俺の情報によりますと、回復のスキル石は入手したらしいっす。デスエのギルドに出した依頼から」


「そうなんだ?」


「たぶん、ニッポンギルドの誰かが習得したかもだけど、経験値がある程度上がるまで、修復は清見兄貴に回ってきそうですね」


「幾つでたの? スキル石」


「そこまでは……」


「どこで働くのかしら? ここで清見君と一緒に?」



 え、嫌だな。知らない人一緒に仕事……。



「聞いてないな」



 兄貴と目が合うと首を横に振った。



「大丈夫っすよ、シショー。うちは民間だけど、ギルドは公営だからきっとギルドに店舗とか出来るんじゃないっすか?」



 ドドとクサがうんうんと頷きあっていた。


 そうだよな。ギルドで入手したんだからあっちで店を出すよな。

 良かった、知らないやつと同じ空間で一日中作業とか気づまりで3日保たない気がする。



「民間もなにも、今ってほとんどギルドの依頼だけどな」


「そうなの? 橘君」


「個人が直接持ち込んだら大変な事になるから必ずギルドを通しての依頼になっているはずだ」


「あ、だから修繕クーポン持ってくるんだ」



 ドドクサだけでなくママさん達も大きく頷いている。



「クーポン?」


「ええ。クーポンと言っても紙が貴重な世界だから小さな板片で作られたクーポンね。そっか、私達が受付でそれを貰うから清見君は見た事がなかった?」



 知らない、クーポン券……板?



「ギルド配給のソレがないと修繕は受けられないっすよ、シショー」



 そうだったんだ。って事は、毎日囲まれている修繕する数々の品、アレみんなギルドがクーポンを配給してるって事か?



「……ギルド、クーポン配り過ぎじゃない?」


「あれでも少ないって苦情が多いのよね。衣服は摩耗が激しいからもっと頻繁に修繕してほしいって」


「ちょっとした破れや穴は最近はみんな自力で直してるものね」


「え……自力って、みんな回復スキルで?」


「違う違う、針と糸。昭和はどのお宅のお母さんも普通にやっていたわね」


「そうねぇ。穴を隠すのにアップリケを縫い付けたり」



 看護師長さんと園長先生は昭和を生き抜いた熟女だ。俺は掃除は得意だが料理と裁縫は苦手だった。そこは兄貴が得意なので気にした事がなかった。



「私もここに来てからやるようになったわ。前は苦手で何でも直ぐに買い替えちゃってのよ。だって安いし何でもすぐに手に入るじゃない?」


「百均も品揃えは良かったし、西丸屋」


「私も! お世話になったわぁ。あと地元のリサイクルのお店」


「破れた服を縫って子供に着せるとか、あの頃だと虐待を疑われちゃうしね」



 た、確かにそうかも?



「今は普通よねぇ」


「だってこの世界にはダイソも西丸屋もないじゃない? それに周りも縫って補修した服なんてそこら中普通よ」



 あれ? でも、裁縫道具とかどうしてるんだろう?



「針と糸って……」


「空間スキルの再生で増やしているのよ」



 看護師長さんがにっこりと微笑んでこちらを見た。

 それは……病院の?…………病院の針と糸。



「ああ、ほら。ソーイングセット持ってた女性もいたし、飛行機の荷物から出たのもあったわね」



 俺が固まったのを見てトイレママさんが慌ててフォローをしていた。

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