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俺達YOEEEEEE?けど異世界満喫したいよね?  作者: くまの香


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104話 番外編 『スキル消滅②』

 ----(清見視点)----


 翌日から俺は仏間で生活をしている。

 元から修繕の仕事で毎日仏間に出勤していたのだ。地下15階に寝に戻らないだけだ。

 食事、トイレ、風呂は病院のを利用させてもらっている。


 病院で看護師長さんとも話したが、あちらも戦々恐々としていた。病院が機能しなくなったら大変だ。



「今後について見直す良い機会かもしれないわね」



 笑いながら言っていたが、本音は笑い事ではないのだろう。看護師やスタッフさん達がいつも以上に慌ただしく動いていた。

 消えてからでは遅いので、今から出来る事はしておくらしい。


 なるほど、と思った。

 俺も見習おう。…………でも、仏間の出来る事って何だろう?畳や障子はギルドが以前から毎日再生させている。

 俺の修繕作業はスキル『回復』からくるものだ。スキル仏間のために俺が出来る事って………ない、なぁ。



 そうして地上の仏間で生活をして3日目、仏間にドドクサが飛び込んで来た。

 今日はバイトの日じゃないぞ?



「大変ですぅぅぅ!」

「ししょおおおおお! また出ました!」


「えっ、何? 何が出たの?」


「いえ、出たって言うか、消えた!」


「消えた人が出ました!」


「出たの消えたの、どっちなの!」


「ス、スキル消滅者が、出ましたぁ!」



 俺は慌てて自分のステータスを確認した。

 うん。あった。

 まだある。スキル仏間。



「しかも、今回消えたのって、郁未君ママさんですよ!」


「えっ……」



 うっそ。郁未君ママのスキルが?



「スキル空間トイレが……」


「はい。空間トイレが」


「郁未君ママさん、1日何度もトイレに訪れていたのに、今朝確認したら消えていたって」


「かなり落ち込んでいたっすよ。誕生会も延期にするって……」



 そうか。今日は郁未君の誕生日で誕生会を予定してたんだ。ギルドの聞き込みとかもあるだろうしパーティどころじゃないよな。



「…………郁未君、いくつだっけ?」


「7歳です。蝋燭が無いので、ケーキに立てるのに割り箸の上を削って7の字にしてましたから」


「7歳……」



 郁未君の7歳の誕生日に郁未君ママのスキルが消えた。



「ちょっとギルドで聞いてきてもらえない? ちょい前にスキル消えた都バスの、子供の歳と誕生日」


「えっ、まさか! シショー?」

「アニキ!まさかまさか、スキル消滅の謎を」


「いや、知らんけど、聞いてみて。俺が地下に降りるの時間かかるし」


「あ、じゃあ、病院でギルド本部へ連絡取ってもらいましょう。あそこ無線みたいのあったはず」



 俺ら3人は病院へと走った。飛び込んだ受付で看護師長さんを呼んでもらい、ささっと話してギルド本部へ連絡を取ってもらった。





「7歳、ですって」


「ビンゴ! アニキ、ビンゴっすよ」




 3日前にスキルが消えた人の息子は、スキルが消えた日が誕生日だったそうだ。7歳の。


 結局俺らは看護師長をともなって、地下12階のギルド本部まで降りる事になった。

 もちろん、途中途中にあるエレベーターとエスカルを乗り換えつつだ。




 地下12階にあるギルド本部は慌ただしく人が出入りしていた。


『空間スキルは子供の7歳の誕生日に消滅する』


 ホワイトボードには大きな文字でそう書かれていた。ギルドでは子供の生年月日の再確認に動いている。

 スキル持ちのママさん達が集まりざわついている。



「璃子は7歳になるより前に、スキルの消滅検証でバスルームを消したから、今回の参考にはならないわ」


「愛菜は7歳超えてるのよ。だけどまだスキルがあるのは莉里がまだ5歳になったばかりだからかしら」


「病院も産院も、転移時の0歳児はまだ7歳にならないからスキルは残っているのかしら」


「光ちゃんにとこの機体も大丈夫。長谷川さんのところは?」


「翔洋君も生後8ヶ月の時にこっちへ来たから、ミニバンはとりあえずセーフよ。あぁでも、そうかぁー。あと2年で乗れないのねー」





 ギルドでは子供の生年月日を管理して、スキルが消滅した後も問題がないように動いていくようだ。

 しかし食糧や生活雑貨は何とかなるけど病院が無くなるのは心許ないよな。



「なるべく病気も怪我もしないようにしないとね」


「魔物が居るこの世界で、それは難題だな。てか、清見、お前、回復スキル持ちだろうが。病気や怪我を治せないのか?」


「無理無理無理。病院からもスカウト来たけど丁重にお断りした。それより、回復のスキル石出ないの?」


「まぁなぁ。病院関係者にスキルを覚えてもらった方が早い気がするな。お前はもう、回復は回復でも違う枝道を進んじまってる気がするからな」


「そうだ。俺は修繕のプロだ!です」




 そんな感じで3ヶ月が経ち……。



「アニキ、大変っす! マック2号店と8号店が閉店した、そうです」


「2号店と8号店は、7歳になったみたいっすね」


「なんだと? このままだとマックが無くなる?……そんな! なんとか残せないのか」



 ドドクサと3人で頭を突き合わせた。

 まずいぞ。このままでは2年以内にマック全店が閉店する。それだけは避けて欲しい。



「スキルって譲渡出来ないんですかね」


「空間スキルは、元は子供を守る空間だったみたいだし、その子達が大人になったら不要になるのかー。俺には必要だー」


「いや、でも7歳はまだ子供でしょ」


「ん? だよな? まだ子供だよな」


「幼くても石版でステータスは出ましたよね。それに今じゃ自分でフンガして見る事も出来る」


「そうそう。子供らってさ、何でか大人より気力スキル持ちが多いんだよな」


「スキル石を使っていないのにな! 何かさ、子供特典多くないか? 俺だってー、転移してきた時は立派な子供だったのにー」


「いや、ドド、お前高校生だったよな? 電車もバスも大人料金だったろ」


「そうですがー。心は永遠のチャイルドっすよ」


「それを言うなら俺だって永遠の押入れニートだぁ!」


「シショーは今でも押入れニー……あ、働いている」


「しまった!」



「君ら、話がズレていってるぞ?」



 黙って聞いていた大島氏が口を挟んできた。働き者のSRスキル持ちめ!



「空間建物はさ、魔物を入れない空間を作っているじゃないか。常にこう、『気』に包まれているような? そこで守られてきた子供らは気力を纏うのが上手いのかもしれないな」


「なるほど。空間が『気』を産んでいる?いや、わからんけど」


「それでも7歳で大人扱いは可哀想な気もするな」


「空間スキルって譲渡出来ないのかなぁ」


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